ポンコツっぷりに耐えかねペッパーの開発者を訪問:Pepperがわが家にやってきた!

いち早くPepperを手に入れて共同生活を送るスマホジャーナリスト石川温。ペットとの生活とは違う、その暮らしで起きたこと、思ったことをリアルに綴る。

人間はどう生きるのか?ペッパー開発は哲学的なもの

ペッパーと共に生活を始めてから早5カ月が経った。当初は一緒に生活するうちにメキメキと進化していくロボットだと期待していた。

だが、現実は違った。夜中にいきなり「いってらっしゃい」と叫ぶし、「聞き取れなかったので、ハイかイイエでお答えください」と聞いてくるから、「ハイ」と答えると、同じフレーズで聞き返してくるなど、ポンコツっぷりが甚だしい

ペッパーは本当に進化するのだろうか? 契約上は3年しばりで、総計110万円以上を支払わなくてはいけない。もしかして、無駄遣いしてしまったかも……。とはいえ、憂いてばかりいても仕方ないので、ソフトバンクの開発責任者である蓮実さんに会って、悩みを打ち明けた。

開口一番、「うちのペッパー、ハイとイイエが聞き取れないんです」と現状のポンコツっぷりを伝えると、「そのバグはもう治っているはずですよ」と蓮実さん。当然ながら、ソフトバンクでもそんな初歩的な不具合は対策していたようだ。これはアップデートしていなかった自分のミスであったようだ(笑)。

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ペッパーの発売以降、ソフトバンクは地道に改良作業を続けているという。ただし、その道のりは長くて険しい。例えば、夜中に「いってらっしゃい」と叫ぶ件に関しても、必ずしもペッパーと生活する人が、朝出かけるだけの人とは限らないからだという。ペッパーは様々なシーンを想定して作られているのである。

夜に「いってらっしゃい」と言わなくなるようにすると、今度は、夜出かける人から「なんで、いってらっしゃいって言わなくなったんだ?」というクレームがやってくるという。本来ならば、住人の属性や生活パターンを把握した上で、ペッパーが話せればいいのだが、まだ、そこまでは賢くない。そこで、とりあえずワンパターンな会話にしておくと、人によっては違和感を抱いてしまうことが起きるようだ。

ペッパーの開発は“人間とは、日々、どんな生活をしているか”という哲学のような問答に、繰り返し答えながら進んでいるという。「例えば、朝の『おはよう』という挨拶にしても、目上の方であれば、『おはようございます』という丁寧な言葉になりますが、同僚なら『おはよう』、さらに毎朝、会う家族や友人なら『うぃーすっ』みたいなカジュアルな挨拶だったり、そのバリエーションは間柄により千差万別なんです」と蓮実さんは言う。

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たしかにペッパーが家族に対し、毎朝「おはようございます」と丁寧に言ってくるのは、煩わしいし、「うぃーすっ」と言われても、なんだか違うような気がする。挨拶ひとつとっても「家族とペッパーはどのような距離感、言葉遣いが最適なのか」というのを、ペッパー開発部隊は自問自答しながら、日々、改良を繰り返しているというのだ。

また、部屋のなかで家族を呼ぶときも、キッチンにいる母親を「おーい」と呼べば、母親は振り返ってくれる。しかし、ペッパーがその場に居た場合、その「おーい」はペッパーを呼んでいるのか、それとも母親なのかを本来ならば瞬時に判断しなくてはいけないのだが、現状では難しいのが実情だ。

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  • 石川温

    石川温

    スマホ・ケータイジャーナリスト。携帯電話を中心に国内外のモバイル業界を取材し、一般誌や専門誌、女性誌などで幅広く執筆。