2016年もっとも話題の鍋『バーミキュラ』こだわりの製造工程に迫る

2016.12.27

お米の美味しさを再認識させてくれる炊飯鍋として話題になった『バーミキュラ ライスポット』を生み出した井鋳物メーカー、愛知ドビー。そのこだわりの鍋が生み出される様子を、「鋳物工程」「精密加工」「琺瑯加工」の各工程ごとに見て行きましょう。緻密な作業のくり返しによって、密閉性の高い精巧な鍋が誕生するのです。

 
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鋳物工程
 

1500℃で溶けた鉄を流し込んでいく

『バーミキュラ』を生み出すための最初の工程が溶けた鉄を砂型に流し込む鋳物工程だ。独自の割合で配合した鉄が、炉でドロドロに溶かされていく。その後、不純物を取り除き、砂型へと流し込まれる。現在、この作業は半自動化されているものの、人の手が掛かる部分も多く、溶けた鉄による熱量に圧倒された。

鉄が流し込まれた砂型はゆっくりと冷やされて成形される。その後、砂型が壊されて、中から鍋の原形となる鋳物が取り出される仕組みだ。

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炉から溶けた鉄が流し込まれるところ。これが砂型のラインに運ばれて、流し込まれる仕組み。

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砂型に鉄を流し込む自動化ライン。今年から自動化され、1日の生産数が増えたという。

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砂型を壊すと、流し込まれ固まった鍋やふたが現れる。この砂を払って、次の精密加工の工程に移動する。

精密加工
 

0.01ミリレベルでの精密加工が密閉性を生み出す

『バーミキュラ』の一番の特徴といえるのが、この精密加工による高い密閉性だ。1500℃に溶けた鉄を砂型に流し込む際、型の中で流れながら固まる。このため鋳物工程が終わった段階では、歪んでいることがほとんどだ。そこで精密加工の設備に鍋や蓋を取り付け、人の手により誤差0.01mm、鍋や蓋の設置面にコピー用紙1枚すら入らないほど歪みのない状態に仕上げていく。ここまでやる鋳造鍋は世界広しといえど、『バーミキュラ』だけである。

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まずは大型の機械の中にセットして小さな鉄のボールで鍋自体を研く。

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続いて回転する機器に鍋やふたを取り付けて、密着する部分を研いていく。

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最初はガタガタしていたふたも磨き終わるとまったく隙間がなくなった。

琺瑯加工
 

釉薬の吹きつけ焼成を3度繰り返して完成する

最後のステップは鍋の表面にホーローを吹き付ける工程。ホーローとはガラス質の釉薬で、スプレーを使って、表面に薄くムラが出ないように吹き付けていく。

釉薬が乾燥したら、800℃の高温で焼き付けていく。『バーミキュラ』では、このホーローの吹きつけ、乾燥、焼成を3回繰り返す。もしホーロー工程でムラが発生すると、全部剥がして、もう一度やり直すというこだわりよう。最後に厳しい検品を通り抜けて、完成へと至る。

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治具に鍋やふたを取り付けて、釉薬を吹き付けていく。自動吹きつけができる部分もあるが細かなところは人が吹き付ける。

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釉薬の状態をチェックし、結合部の釉薬だけを焼き付け前にはがしていく。

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ベルトコンベアに乗せて800℃で釉薬を焼成していく。この工程でもゆがみが発生しないのがバーミキュラだ。

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ホーロー工程が終わったふた。最終検品後に出荷される。

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左上から時計回りにOven Pot Round 26cm(全4色)3万6720円〜、Oven Pot Round 26cm SUKIYAKI 3万4560円〜、Oven Pot Round 14cm(全8色)1万1880円〜、Oven Pot Round 18cm(全8色)2万3760円〜、Oven Pot Round 22cm(全8色)
3万240円〜

文/コヤマタカヒロ 撮影/大久保惠造

※『デジモノステーション』2017年1月号より抜粋

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