ARの起爆剤『HoloLens』/渋谷駅の忘れ物をゼロに/ポケモンGOで東北支援【インターネット鵜の目鷹の目】

「インターネット」に溢れる情報の「旬」をお届けする「インターネット鵜の目鷹の目」、第3回。今回の注目キーワードは『HoloLens』『MAMORIO』『ポケモンGOの東北支援』です。

世永玲生の「インターネット鵜の目鷹の目」: マーケティングコンサルタント世永玲生が、自身のFacebookのフィードに流れてきた、インターネット界隈の気になるトピックを独自視点で分析、レポートする。

【話題1】
MS社の『HoloLens』は、ARの可能性を広げる起爆剤に!

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皆さんは“AR”という言葉を聞いたことがありますか? ARとは日常私たちが目にしたり聞いたりといった現実世界に情報を付加、拡張する手法・技術を指す言葉で、“拡張現実”とも呼ばれます。例えば世界中で大ブームを起こしている『ポケモンGO』もARのひとつ。“ポケモン”というその場にいないキャラクター情報を現実世界に付加し、プレイヤーの目の前の風景にポケモンが現れることで現実が拡張されるのです。

さて、最初のキーワードの『HoloLens』は、マイクロソフト社が開発した、ARヘッドセットです。ルックスは『PlayStation VR』と似ていますが、『HoloLens』はその名の通り、ホログラムのようなオブジェクトを目の前の風景に登場させることができます。

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例えば、『HoloLens』をかけることで、自分が暮らす部屋の中で、ペットを飼ったりできるエンターテインメントアプリや、家具を購入する前に実際に部屋に置いたりできるサービスが予想されます。「テレビゲーム」との相性は正直良いとは言えませんが、一方で、カードゲームの対戦時にキャラクターが飛び出して目の前で戦ったり、チェスや将棋などを覚えたてのプレイヤーに、コマの運び方をガイドしてくれたりと、現実と情報をミックスしたコンテンツは今後生まれてくることでしょう。

さて、この『HoloLens』ですが、日本国内における開発版のプレオーダーが、2016年12月2日から始まりました。気になるお値段は「Development Edition」が3000ドル(約36万円)、法人向けパッケージの「Commercial Suite」が5000ドル(約60万円)です。わっ! 高い! と思ったあなた、安心してください。これは一般消費者向けのモデルではありません。

また、マイクロソフトはインテルと協力することで、共通規格を作ることを発表。これはサードパーティが参加可能な枠組みであることを意味しており、近い将来、手の届く価格のモデルも発表されることでしょう。

【話題2】
東急電鉄が「MAMORIO」を使い、渋谷駅での忘れ物ゼロをめざす!

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2016年11月15日、東急電鉄が「MAMORIO」と協力し、“忘れ物検索・通知サービス”を渋谷駅で試験導入することを発表しました。「MAMORIO」とは自分の所有物に小型の専用デバイスを取り付けることで、落とし物がどこにあるのか見つけられるサービスで、2014年にクラウドファンディング「MotionGallery」においてプロジェクトを成功。大きな話題となりました。

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このサービスの最大の特徴は“クラウドトラッキング”という機能を備えていること。これは「MAMORIO」全ユーザーが、付近に「MAMORIO」がついた落とし物をみんなで協力して探すことができる仕組みです。といっても、どこにあるかを探し回るわけではなく、他のユーザーが落とし物についた「MAMORIO」デバイスとすれ違うことで、「MAMORIO」アプリがその状況をサービス側に伝達。落とし主にどこにあるかを自動で伝える仕組みです。また、手元のアプリとデバイスの同期が切れてしまった場所を記録しているので、最初に落とした場所を特定するのも容易です。

以前に関係者から「都内に2000人強のユーザーがいれば、都内全域を網羅できる計算になる」という話を聞いたことがあるのですが、今回の東急電鉄の試験導入により、渋谷近辺に限ってはもっとも利用価値の高い「落とし物発見ガジェット」になることは、想像に難くないでしょう。同時に「MAMORIOグローブ」という「MAMORIO」を搭載した手袋も2016年11月18日より先行販売されており、「なくさない手袋」として、こちらも要注目です。

【話題3】
“ラプラス”の大量発生で、東北に黒山の人だかり!

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さて、最後のキーワードはレアポケモンである“ラプラス”を使った『ポケモンGO』の東北復興支援です。こちらはざっくり説明しますと、1匹が出現しただけで、お台場で大騒ぎになったレアポケモンの「ラプラス」を、無償で東北3県に大量出現させたという話。

石巻で開催されたイベントだけで、1日に約1万人を集客し、付近は復興キャンペーン期間中、黒山の人だかりだったといいます。ゲーム開発に従事していた過去がある自分としては、ゲームが現実に人を動かせる時代がやってきたんだなと、強く感動しました。

文/世永玲生

※『デジモノステーション』2017年2月号より抜粋

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  • 世永玲生

    世永玲生

    Webやゲームの企画・開発を多数経験。2009年にはスマホアプリ「Matrix Music Pad」が、アップルの年間ベストアプリに選出される。2010年からGMOインターネットの社長室付き特命担当に。スマホアプリ分析サービスの英「アップアニー」が選ぶ、日本のTOP10デベロッパーに個人チームで唯一選出。鈴木みそのマンガ「ナナのリテラシー」に登場する天才ITコンサルタント山田 甚五郎のモデル。