本誌2010年4月号(2010年2月25日発売)掲載
ウェブ掲載日:2010年3月19日

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ホンダのハイブリッドカーでは「シビック」、「インサイト」に続く3車種目になる「CR-Z」。グレードはベースモデルの「β」と、アルミホイールやフォグランプ、本革巻きステアリングなどを追加した「α」の2タイプで、どちらでもCVTと6速MTが選べる。価格は「β」が226万8000円、「α」が249万8000円で、トランスミッションによる価格差はない。ボディカラーは7色が用意される。
ハイブリッドカーのボディタイプは、ハッチバックやセダンがメイン。クーペやカブリオレといった、ガソリン車にはある2ドアや3ドアのスポーティなデザインのモデルは選べなかった。そのためかハイブリッドカーは運転が楽しくないと考える人が多いようだ。しかし2月25日に発表されたホンダ「CR-Z(シー・アール・ズィー)」が、そのイメージを変えてくれるだろう。
エンジンが主役で、モーターはアシストに徹するホンダのハイブリッドシステムは、モーターやバッテリーの小型軽量化が可能だ。同じ同社のハイブリッドカー「インサイト」より310㎜も短く、45㎜幅広く、30㎜低いボディは、その特長をいかしたものと言える。車両重量も30㎏軽い。
しかもエンジンは「インサイト」の1.3リットルから1.5リットルに拡大し、トランスミッションはCVT(無段変速機)のほか、ハイブリッドカーで世界初となる6速MTも設定した。運転モードはエコな「ECON」、「ノーマル」のほか「スポーツ」モードも用意。スポーティなデザインにふさわしい走りが期待できる。
エコ関連では「インサイト」で話題になった、ゲーム感覚でエコドライブを楽しめる装備がトピックだ。燃費の良い運転を心がけるとスピードメーターを囲むリングがブルーからグリーンに変化し、ドライブ中はバーグラフ、運転終了後には葉の数でエコレベル度を表示してくれる。
走りの楽しさとエコの楽しさを、コンパクトでデザイン性の高いボディに凝縮した「CR-Z」。エコカーの新しい可能性を見せてくれる1台として注目したい。



2人で乗るなら実用性も高い3ドアボディ。
3ドアクーペのハイブリッドカーは、左で紹介している初代「インサイト」に続いて2台目。リアシートのスペースは子供用のいわゆる「プラス2」だが、リアゲートからアクセスするラゲッジスペースは幅990㎜、奥行770㎜と充分な広さ。さらにリアシートの背もたれを倒せば奥行は1280㎜に拡大し、ゴルフバッグが2個積める。


ハイブリッド初の6速MT! CVTはパドル付。
「CR-Z」のトランスミッションは、ハイブリッドカーでは世界初となる6速MTを用意した。ホンダによれば、超低回転で最大トルクを出すモーターの特性のおかげで、通常のMTよりエンストしにくい特性になっているとのこと。CVT(無段変速機)もパドルシフトを装備するなど、自分の手でクルマを操るよろこびを大切にした姿勢がうれしい。

ロー&ワイドなボディは走りにも貢献
「CR-Z」はボディサイズからして走りに向いている。短い全長とホイールベースはキビキビした身のこなし、低いルーフとワイドな幅はコーナーでの安定感に有利だからだ。しかも運転モードには「ノーマル」、「ECON」に加え「スポーツ」を用意する。「スポーツ」モードではモーターアシスト量やステアリングの重さまで変わるという本格的な内容だ。ステアリングを360㎜の小径とするなど、それ以外のパーツもスポーツマインドを意識した造りになっている。



自動車ジャーナリスト 森口将之
クルマは国産・輸入車問わず、またバイクや自転車、鉄道など、乗り物全般をこよなく愛する自動車ジャーナリスト。最新デジモノも大好物。

結局「CR-Z」ってどんな人におすすめなの?
2人乗りでもOKな人なら最高に楽しめるエコカーだ
まだ乗っていないので断定できないけれど、走りに有利な小型軽量・低重心ボディに、パワフルなエンジンと6速MTを搭載したのだから、かなり楽しいクルマに仕上がっていそう。それでいて燃費はおとなしく走ればリッター20㎞以上をマークする。スタイリッシュなフォルム、取り回しのしやすいコンパクトボディも魅力だ。事実上2人乗りという条件がクリアできれば、最高のエコカーじゃないだろうか。
文/森口将之














