Q:9月に挑戦するエベレスト登頂についての意気込みを教えてください。
A:もう後がないです。必ずではないけれども、成功すると思っています。苦しみに感謝しながら、楽しんでやっていきたいと思います。
Q:昨年のエベレスト登頂の経験から今回のエベレスト登頂で気を付けている、注意している点は何ですか。
A:政治的なトラブルに巻き込まれない。7,500mでカラオケはしない。6,500mで流しそうめんもしない。へらへら笑わない。
Q:山に登ったきっかけを教えてください。
A:高校卒業後、夢も目標もないまま上京し1年ほどフリーター生活やニート生活をしていました。たまたま、その時に付き合っていた彼女が山好きで、振られたのをきっかけに大学の山岳部に入部し登るようになったのです。しかし、冬山が嫌いでもうやめようと思っていましたが、ある時、1週間ほどかけて60kmの冬山を先輩と2人で縦走したのです。その時はやめたくてやめたくてしょうがなかったのですが、生きて帰るためには先輩についていくしかなく、気付くといつの間にか1週間を無事に乗り切り、ゴールしたのです。そこから不可能は自分で作っているものだと気付かされ、山にどんどん挑むようになっていきました。
Q:今まで挑戦してきた山で一番きつかった山は?
A:世界第7位、ヒマラヤの高峰ダウラギリ8167mです。単独・無酸素で登っていったのですが、8000m近くで目が見えなくなり、目がかすんだ状態で登っていました。ところが山頂近くで奇跡的に回復しました。登頂後、深夜も下山を続けていたのですが、下山中に100m滑落し、たまたま6500mにあったタルチョ(赤や黄色の祈り旗)に奇跡的に引っかかり助かりました。タルチョの幅を見ると1.5mしかなく。神様はいると思いました。ほかにもいろいろとあるのですが、精神的にきつかったのは最初に登った北米最高峰のマッキンリー6194mです。あの時は、初めての海外旅行が1人でマッキンリーを登るということだったので、当時の山岳部の仲間に猛反対され、結局最後は部もやめて行きました。だれも応援してくれない挑戦ほど苦しいものはないと思います。やって良かったですけどね。
Q:世の中に一番伝えたいことは?
A:チャレンジすることの楽しさを伝えたいです。登れれば一番かっこいいのかもしれません。でも、登れなくてもそれはけっ
して失敗ではなく、またチャレンジすることができる。「結果が重要ではなく、チャレンジし続けることが楽しい」そのことを伝えたいです。できるできないに関係なく、やってみることが大切だなと。それと、僕の冒険はリアルタイムにこだわっています。それは、どんな結果になるかわからない。それが生だから面白いと思うのです。リアルタイム・アドベンチャーでみんなと夢を共有できればと思っています。
Q:「単独・無酸素登頂」にこだわる理由を教えてください。
A:酸素があると安心してしまいます。そうなるとエベレストの魅力が半減してしまうと思うのです。僕はエベレストという標
高の高さ、寒さ、苦しさ、怖さ、全てを受け止め、感じながら登りたいのです。そのためには、酸素を使わず、体一つで行って
みないとダメだなと。 後は酸素ボンベの値段が高い。それだけです。