本誌2010年7月号(2010年5月25日発売)掲載
ウェブ掲載日:2010年6月3日

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還暦で人生は一巡するという。いにしえ風なら、赤いちゃんちゃんこを着た好々爺になっているのかもしれない。しかしこの男は今年もアルバムを作り、続いてまたツアーに出る。ワニ革のスーツでも身につけて。さあ、再びツイストを踊ろう。
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TWIST
6月9日発売
GARURU RECORDS
3500円(DVD付初回生産限定盤)
3000円(通常盤)
CD収録曲
01. サイコーな Rock You !
02. Shake Me
03. 危険(あぶな)い女
04. 闇を抜けて
05. 古いカレンダー
06. long good-bye
07. ずっとあの時のまま…
08. ワニ革のスーツ
09. 見つめ合うだけで
10. HEY YOU…
12. 「マブ」
前作『ROC'N'ROLL』から約10カ月ぶりに発売される通算31枚目のオリジナルアルバム。初回盤はミュージックビデオ、メインキング、2010年ツアー情報などを収録したDVD付き。さらに今秋のコンサートツアーチケット先行予約受付の案内も同封。「60過ぎて“セカンドアルバム”って言えるんだから、人生って面白いよ。どこが着地点か分からないからね」(矢沢)。
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『E.YAZAWA ROCK』
7月21日発売
東映ビデオ
BD 5040円
DVD 6090円(2枚組初回生産限定盤)
DVD 3990円(通常盤)
矢沢永吉の30年の“ROCK軌跡”に迫ったドキュメンタリー作品。2009年劇場公開作品。
「矢沢、昨年いいましたよね。60になって、これは2度目のデビューみたいなものだと。だからアルバムのタイトルも単純に『ROCK'N'ROLL』だった。直球ど真ん中で勝負したかったのよ。で、評価も受けました。そして新しい『TWIST』ね。珍しくタイトルが先に浮かんで、一気に30曲ぐらい作っちゃったわけ。3日で9曲もできちゃうんだもん。それを雑巾絞るみたいに、最高の11曲まで落とした。まさしくツイストだよ。言葉の響きもいいじゃない」
シンプルながら象徴的なタイトル通りに、ひねりが効いている。矢沢は直球一本で完封することもできるが、持ち球はじつに多彩だ。曲によってオルガン、ハーモニカ、スライドギターが、アルバムの表情を豊かにする。
「今回はもう確信犯よ。いまの矢沢は突き抜けてますから。『ROCK'N'ROLL』まで4年の間隔を空けて、大正解だったね。あの時期に、リスナーのことをいろいろ考えたわけ。長くやっていると、博識ぶって屁理屈になっちゃうんですよ。世界的な音とか、一流のミュージシャンとか。僕もアメリカに行ったりしたよね。だけどリスナーはそんなこと考えて聴いてない。もっと素直なんだよ。ある短いフレーズにぐっときたり、ひとつの詞に泣いてみたりさ。振り返ってみれば、今回のアルバムみたいなことだって過去にやってるんだよね。『TWIST』はセカンドアルバムみたいなものだけど、ただしぐるっと一回転して、引出しがたくさんあるセカンドなんですよ」
ソロデビューから既に35年。はち切れんばかりの若さでトラベリン・バスに揺られてきた男は、いま一度〝この道の先の向こうを片道切符のまま、今日も走り続ける〟と歌っている。アルバムには、往年の名曲に呼応するかのような楽曲がいくつか収められている。現役バリバリで年齢を重ねてきた矢沢にしか許されない、深いリアリティがある。
「古くからの矢沢ファンは、ここ最近もしかしたら戸惑っているかもしれないと思ったのよ。僕と同じで、我が強いファンばかりだから。みんな、俺たちだけ矢沢を分かっていればいい、みたいなところがあるじゃない。以前は僕もそれでいいと思ってた。でもここ何年かいろいろなフェスにも参加するようになって、若いファンも増えたでしょ。面白く思ってない部分もあるかしれないよね。もし新しい曲を聴いて、昔の曲とつながるのなら、これはこれで嬉しいことですよ。ずっと矢沢の音楽を好きでいてくれたんだから。〈バーボン人生〉をレコーディングしたとき、この歳で歌っていいのかな、なんて考えたのを覚えてますよ。渋いじゃない。何年か前に武道館で演ったときは良かったね。“この手をかえすと、俺の人生が”って」
矢沢は今日まで、ほぼ変わらずコンスタントにアルバムリリースを重ね、ツアーでは毎回2時間以上のステージを繰り広げている。その気力と体力は、衰えるどころか進化しているのではないかと錯覚すら覚える。
「ミュージシャンでもなんでも、名前にぶら下がっている奴は駄目よ。声が立たない、動きが様にならない。ボーダーラインはそこ。歳とってへたるのはしょうがないけど、お情けでやるぐらいなら、自分から退くんだね。僕はキャロルのとき椎間板ヘルニアになっているから。これやると一生治らないの。だからストレッチはちゃんとやるし、意識して身体もつくってます。体調が悪いと、気持ちも萎えるからね。下手したら椎間板ヘルニアやる前よりか、いまのほうがいいんじゃないの」
YAZAWA EIKICHI
1949年9月14日生まれ。広島県出身。'72年にキャロルのリーダーとしてシングル「ルイジアンナ」でデビュー。'75年9月にアルバム『I LOVE YOU,OK』でソロデビュー。'77年に日本人ロックミュージシャンとして初の日本武道館公演、'78年には後楽園球場公演を敢行。'81年、全編英詞によるアルバム『YAZAWA』を世界発売。名実共に日本ロックシーンの頂点に君臨しながら、これまでに200を超える音楽、映像作品を発表している。
EIKICHI YAZAWA CONCERT TOUR 2010「TWIST」
●10月28日(木)新潟県民会館 ●10月29日(金)上越文化会館 ●11月1日(月)神奈川県民ホール ●11月3日(水)富山オーバード・ホール ●11月4日(木)本多の森ホール ●11月6日(土)・7日(日)仙台サンプラザホール ●11月9日(火)森のホール21(松戸市文化会館)●11月10日(水)アクトシティ浜松 ●11月12日(金)広島市文化交流会館 ●11月13日(土)倉敷市民会館 ●11月15日(月)山梨県立県民文化ホール ●11月17日(水)長良川国際会議場 ●11月18日(木)四日市市文化会館 ●11月19日(金)滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール 大ホール ●11月23日(火)マリンメッセ福岡 ●11月28日(日)北海道立総合体育センター(きたえーる)●11月30日(火)茨城県立県民文化センター ●12月1日(水)よこすか芸術劇場 ●12月4日(土)・5日(日)日本ガイシホール ●12月7日(火)アルファあなぶきホール(香川県県民ホール) ●12月8日(水)鳴門市文化会館 ●12月11日(土)・12日(日)大阪城ホール ●12月15日(水)・16日(木)・18日(土)・19日(日)・20日(月)日本武道館
インタビュー・文/岡勝之(KOOL KATS) 撮影/石田昌隆













