パナソニック『LUMIX DMC-TZ10』は、光学12倍ズームを搭載したコンパクトデジカメだ。昨年発売した『DMC-TZ7』の後継機にあたり、「旅カメラ」というコンセプトを受け継ぎながら、機能と操作性をいっそう強化している。
特に注目したいポイントは、従来機とほぼ同じ小型軽量ボディを維持しながら、新たにGPS機能を搭載したこと。本体上部にGPSモジュールを内蔵し、撮影した地点のジオタグ(緯度・経度の情報)が自動的に画像に埋め込まれる。しかも、カメラ内には国内3万件以上、海外50万件以上のランドマークが登録されているため、緯度・経度の情報に基づいて、その場所の地名や施設の名称まで表示できる。またPC上では、Google Earthなどの地図ソフトに連携させて、撮影した地図上のポイントに画像を配置することが可能だ。
そのほか、デジタル処理によって解像感を高める「超解像技術」や、光学ズーム以上の高倍率を得る「iAズーム」、記憶色を再現するカラーモード「ハッピーカラー」、絞りやシャッター速度のマニュアル露出モードなどを新搭載。AVCHD Lite形式のHD動画やマルチアスペクト機能、個人認識対応の顔検出AFなども引き続き搭載する。
撮像素子は1010万画素から1210万画素にアップし、超解像技術との併せ技によって、より高精細な画像記録が可能になった。旅だけでなくオールマイティに活躍する多機能モデルだ。
【基本性能】
画像エンジンと撮像センサーの一新によって
画像の細部再現力と操作レスポンスがアップ
ボディは高品位なメタル素材で、やや横に長いデザインを採用。電源を入れると、レンズ部がせり出し、約1.28秒で素早く起動する。AFは顔検出のほか、追尾AFや11点AF、スポットAFなどに対応。少々薄暗いシーンでも大きなストレスなく合焦する。
●操作性+手ぶれ補正
レンズ部が端に片寄ったデザインだが、ホールド時のボディバランスは悪くない。手ぶれ補正は光学式。補正モードは、撮影シーンに応じて最適なモードが自動で選ばれるようになっている。

▲ホールド性と携帯性の両立を図った小型軽量ボディ。シャッターの感触もまずまずだ。
●トリプル・ブレ補正

▲光学手ぶれ補正のほかに、被写体の動きの検出や、ノイズを抑えた高感度に対応し、総合的にぶれを防ぐ。
●レンズ性能
レンズは、ワイド側25㎜相当、テレ側300㎜相当の光学12倍ズーム。さらにiAズームを併用すれば、画質劣化を防ぎつつ最大16倍のズームアップ可能。ズーム音は静粛で、動画撮影中のズーミングも行なえる。

▲ライカブランドの12倍ズーム。前面には、電源に連動して自動で開閉するレンズバリアを装備する。

▲超解像技術によって、画質をあまり落とさずズーム倍率を高めるiAズームを新搭載。
●GPS機能
GPS機能に難しい設定はなく、機能をオンにさえすれば、撮影モード時は1分おきに、電源オフでも15分おきに自動測位が行なわれ、画像に緯度経度の情報が付加する。

▲GPS機能では、緯度・経度の情報に加えて地名まで記録され、その地名によって画像の自動分類ができる。

▲有名な観光地や、駅などの主要な施設は自動的に名称が表示される。またそれ以外の場所は手動での入力が可能だ。
●おまかせiA
撮影モードを「おまかせiA」にセットすると、人物や風景などの8シーンをカメラが自動で判断し、そのシーンに応じて各種の設定を最適なものにしてくれる。

▲動きのある被写体に対しては、AF測距点が自動的に追尾する。

▲あらかじめ登録した顔に対しては、その名称を画面内に表示できる。また、よく撮る顔については、自動で登録をうながしてくれる。
●画質チェック

▲髪の毛はシャープに、肌の質感は滑らかに表現された。初期設定の発色はクリアで鮮やかな傾向だ。ユーザーの好みに応じて、コントラスト/シャープネス/彩度/ノイズリダクションを調整することもできる。

▲最短撮影距離は、通常モードでワイド端50㎝/テレ端200㎝となり、マクロやインテリジェントオート/動画/メモモード時はワイド端3㎝/テレ端100cmとなる。ちょっとしたメモに役立つマクロ性能だ。
【動画機能】
ハイビジョン動画撮影モードを搭載し
用途に応じて記録方式の選択もできる
動画モードは、従来機から引き続きAVCHD Lite方式によるHD記録に対応。同方式は高圧縮のため長時間の記録ができ、A&V機器との連携がしやすい特長がある。またPC編集に適したMOTION JPEG方式も選べる。
●AVCHD Lite動画
圧縮率の高いAVCHD Lite規格の採用によって、4GBカードに約1時間のHD動画を記録できる。シーンの自動認識やGPSデータの記録は、動画でも可能。またカメラ内での簡易編集や自動分類もできる。

▲動画撮影でも「おまかせiA」を使用可能。AFはスムーズに作動し、手ぶれ補正や光学ズームについても確実に機能する。

▲記録方式は、テレビ向きのAVCHD LiteとPC向きのMOTION JPEGを選べる。

▲動画にGPSデータを付けることができ、再生画面で撮影地の地名を表示可能。

▲HDMI端子を装備。市販のケーブルを使ってハイビジョンテレビに接続できる。
【まとめ】
広角から望遠までの幅広いズーム域を持つレンズのほか、GPS機能、最短3㎝のマクロ、ハイビジョン動画、高速連写、マニュアル露出、シーンモードなど撮影機能を満載。これほどの多彩な機能を、小型軽量ボディに詰め込んだ技術力には感心する。
特に小型ボディとGPS機能の両立は、屋外撮影が多いユーザーにとってはうれしいポイントになるだろう。しかも、単にGPS機能を持たせただけでなく、ランドマーク情報と連動させることで、地名まで表示できる点は他社のGPSデジカメに差を付けるアドバンテージと言っていい。
動画については、従来機『DMC-TZ7』と同じくAVCHD Lite対応で、フルHD化が見送られた点が惜しい。動画撮影中でも、AFや光学ズームがスムーズに作動する点は便利だ。
トータルとしては、フルオートでもフルマニュアルでも使える多機能モデルとして完成度の高い仕上がりと言える。これまで光学3~4倍のズーム機を使っていたユーザーが、買い替えや買い増しをするモデルとしてもおすすめできる。
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【SPEC】
サイズ:約W103.3×H59.6×D32.6㎜ 重量:約218g 撮像素子:1/2.33型有効1210万画素CCD 液晶モニタ:3.0型広視野角TFT液晶(46万ドット) 光学ズーム:12倍 焦点距離:25~300㎜相当(35㎜フイルム換算値) 手ぶれ補正:光学式 感度:AUTO/ISO80~6400 記録媒体:SDXC/SDHC/SDメモリーカード カラーバリエーション:(写真左から)ブラック、シルバー、ゴールド、レッド
文/永山昌克 撮影/小川修(MONKEY PHOTO) モデル/染谷実加
カメラレビュー
デジモノ インプレッション ONLINE/パナソニック『LUMIX DMC-TZ10』
2010年04月19日 13:38







