
デジタルカメラの新しいトレンドとして最近注目を集めているのがミラーレスの「コンパクト一眼カメラ」だ。これは、従来のデジタル一眼レフカメラから光学ファインダーやミラーなどの機構を省いてボディを大幅に小型軽量化したもので、オリンパスの「OLYMPUS PEN」シリーズやパナソニックの「LUMIX G」シリーズなどの製品が既に発売されている。
そうした状況の中、ソニーが満を持して6月3日発売予定なのが、今回紹介する『NEX-5』だ。ビデオカメラ市場でトップシェアを誇るメーカーの強みをいかしたフルHD動画撮影機能や、コンパクト機“サイバーショット”シリーズで好評の「スイングパノラマ」機能を搭載するなど、単なるデジタルカメラの範疇に収まらない多彩な機能が特長になっている。
しかも撮像素子は「OLYMPUS PEN」「LUMIX G」などのライバル機よりひとまわり大きなAPS-Cサイズを採用しながら、本体サイズはレンズ交換式デジタルカメラとしては世界最小・最軽量を実現。その凝縮感、高密度感はかなりのもので、まるで熟練した職人の手による精巧な宝飾品でも見ているかのようだ。
外観や性能的には非常にとんがった製品でありながら、パンケーキレンズセットで実売8万5000円前後と、手を出しやすい価格も魅力的。うっかり店頭で手にしようものなら、カメラ本体のように懐までつい軽くなってしまいそうだ。
【外観図】
正面

従来の“α”と同じAPS-Cサイズの大型センサーを搭載。有効画素数1420万画素を実現している。
マウントは従来の「αマウント」から「Eマウント」という独自機構を採用し、別売アダプタの利用で
「αマウント」のレンズを使用することもできる。
天面

驚異の薄さ約38.2mmを実現。小型でもグリップは握りやすく、
しっかりホールドできるので手持ちでも安定した撮影ができる。
背面

コントロールホイールとソフトキーを採用しており、画面スクロールなどの各種操作が容易に行なえる。

液晶モニタはチルト可動式で、上方向に約80度動かせるためローアングルも可能。撮影の自由度の高さが魅力だ。そして下方向には液晶モニタを約45度傾けられる。ハイアングル撮影も簡単に行なえるのが美点だ。
【主な機能】
写真をとことん楽しめる
撮影機能を数多く搭載した
『NEX-5』には、撮影を楽しむための機能が多数装備されている。また、従来のカメラでは難しかった表現を簡単に実現できる機能もしっかり搭載。ここでは、そうした中からぜひ注目してほしい機能を紹介していこう。
背景ぼかしコントロール

▲直感的な操作で被写体の背景をぼかすことができる「背景ぼかしコントロール」機能を搭載した。
フルHD動画

▲本格的なビデオカメラと同じフルHD動画撮影ができる。
スイングパノラマ

▲パノラマ撮影も簡単。後日アップデートで3D撮影に対応する予定だ。
撮影アドバイス

▲撮影シーンに合わせ撮影のコツをワンタッチ表示してくれる。
交換レンズ
今回の「NEX」シリーズの発売に合わせて、3種類の交換レンズが発売・発表されている。今後、新たな交換レンズが発表されると予測できるので期待したい。
単焦点レンズ

ソニー
SEL16F28
6月23日発売予定
標準ズーム

ソニー
SEL1855
6月2日発売予定
高倍率ズーム

ソニー
SEL18200
9月15日発売予定
【まとめ】
レンズマウントがボディの天地からはみ出しているデザインは好き嫌いが分かれそうだが、本体が小さいにも関わらずグリップ自体は握りやすい。また、一眼レフカメラと異なり構造的にミラーショックが起きないこともあり、どんなシーンでも非常に軽快に撮影できる。
若干気になったのは、手ぶれ補正が本体に搭載されていない点。そのため、手ぶれ補正はレンズ側に依存することになる。現在のところ、レンズ内手ぶれ補正を搭載しているのは同時発表されたEマウントレンズの一部のみ。従来の“α”シリーズのレンズをマウントアダプター経由で使う場合などは、手ぶれ補正が利かないので注意したい。
もっとも、レンズ側で手ぶれを補正する仕組みにしたことで、動画撮影時でも画質劣化の少ない光学式手ぶれ補正を利用できるのは大きなメリットだ。撮像素子が家庭用ビデオカメラよりも大きいため、色再現や階調表現なども有利で、ぼけ味も美しい。最近、デジタル一眼レフの動画機能で長編映画を撮影する映画監督が増えてきているが、そうした用途にも本機は抜群の威力を発揮するだろう。
個人的にうれしかったのは、このサイズでチルト可動式の液晶モニタを搭載しているところ。アングルやポジションを自由に変えられるため、見慣れた風景でもいつもとはひと味違った写真が撮れそうだ。
SPEC
サイズ:約W110.8×H58.8×D38.2mm 重量:約229g マウント:Eマウント 撮像素子:有効1420万画素“Exmor”APS HD CMOSセンサー(23.4×15.6mm) 液晶モニタ:3.0型(92.2万ドット) ワイドTFT駆動(エクストラファイン液晶/トゥルーブラックディスプレイ) 手ぶれ補正:光学式(キットレンズ) 感度:AUTO/ISO200~12800 動画撮影:フルHD 連続撮影記録枚数:約330枚 記録メディア:MS PRO Duo、MS PRO-HG Duo、SDXC/SDHC/SDメモリーカード
【コラム】
レンズ交換式の新コンセプトビデオカメラ

ソニーは、「NEX」に採用された「Exmor APS HD CMOSセンサー」と「Eマウント」に対応した民生用ビデオカメラの開発を正式発表した。「NEX」とレンズを共用できるのが特長で、レンズ交換をして自分好みの映像が残せる。発売時期が楽しみだ。
文/山口優 撮影/増原秀樹

カメラレビュー
ついに出た!ソニー渾身のコンパクト一眼カメラ『NEX-5』
2010年05月26日 21:26







