
パナソニック「LUMIX FX」シリーズは、薄型メタルボディを採用した同社コンパクト機の主力製品だ。その最新作として『DMC-FX70』が登場した。注目のポイントは、レンズと液晶モニタを改良したこと。まずレンズは、従来モデル『DMC-FX66』と同じくライカブランドの光学5倍ズームレンズだが、ワイド側の焦点距離の短縮と開放F値の明るさアップを実現。これによって、広がりのある構図での撮影や、薄暗いシーンでの撮影にいっそう強くなった。
液晶は、一般的な2.7型TFTからタッチパネル式の3.0型TFTに進化。タッチした部分にピントを合わせたり、タッチによるシャッター操作に対応する。露出補正や連写モード、ISO感度といった設定の変更や、再生時の拡大やコマ送りも、指または付属ペンによるタッチ操作で素早く行なえる。しかも、全ての操作を完全にタッチパネル化したわけではない。撮影と再生の切換スイッチ、モードボタン、メニューボタンという使用頻度が高い部分については、あえて機械的なスイッチやボタンを残すことで、合理的かつスムーズな操作を可能にしている。
機能面では、シーンの自動認識機能「おまかせiA」モードに、被写体ぶれの軽減を図る「ブレピタモード」が組み込まれ、ぶれの失敗が軽減。また、肌の色味や透明感を調整できるコスメティックモードや、記憶色に近い色合いに仕上げるハッピーカラーモードを従来機から継承している。そのほか、「ピンホール」や「サンドブラスト」などの特殊効果モードや、広階調で記録する「ハイダイナミック」モードも搭載した。
ボディは、胸ポケットにすんなり収まる薄型軽量スタイルを採用。曲線を生かしたシルエットラインが親しみやすさを演出しつつ、ホールド性を高めている。外装は高品位な金属素材で、カラーバリエーションは5色が用意される。
【基本性能】
3.0型大画面のタッチパネル液晶によって
シンプル操作とスマートなデザインを両立
グリップのない薄型形状や、高品位なメタル外装を従来製品から継承しつつ、新たに3.0型大画面のタッチパネル液晶を採用して操作性をリニューアル。狙った部分に素早くピントを合わせることができ、直感操作でシャッターが切れる。タッチの反応は素早く、操作は簡単だ。
基本操作

▲従来機『FX66』に比べると、奥行きがわずかに増し、重量も20gアップしたものの、胸ポケットに入れて気楽に携帯できるボディと言える。ボディの側面は曲線を描き、構えた時に手がぴったりとフィットする。シャッターボタンのまわりに配置されたズームレバーはやや小さめで、シャッターの感触は良好だ。
レンズ性能

▲レンズには、ワイド側24・相当、テレ側120・相当の光学5倍ズームの「ライカDC VARIO-SUMMICRON」を搭載した。画像サイズを下げれば最大10.5倍のEX光学ズームも使用できる。

▲ワイド側は広々とした構図で撮るスナップや風景に、テレ側はアップでの人物撮影にそれぞれ有利となる。
タッチパネル液晶モニタ

▲タッチパネル液晶を搭載しAFやシャッターの操作、各種の機能設定、再生コマ送りなどを指タッチでスムーズ。しかも、静止画だけでなく動画でのピント選択もタッチ操作で可能だ。

▲指で触れた部分に自動的にピントが合い、シャッターが切れる。

▲肌の色や明るさの調整もタッチ操作によって、スムーズに行なえる。

画質チェック
人物

▲程良い彩度強調によって肌の色合いとトーンを美しく再現。顔認識AFが的確に作動し、ピントや露出はきっちりと顔に最適化された。
マクロ

▲マクロやインテリジェントオートモードでは、ワイド側で最短3・、テレ側で最短100・までの接写に対応する。色再現性も優秀だ。
【独自機能】
実用性に満ちた多彩な撮影モードと
AVCHD Liteの動画モード
撮影モードは、シーンの自動認識が働く「おまかせiA」のほか、通常撮影やコスメティック、シーンモードに対応。シーンモードでは、イラスト枠と合成できる「フォトフレーム」や、被写体の縦横比を調整する「変身」などを選べる。
ブレピタモード

▲おまかせiAモードで「ブレピタモード」をオンにすれば、被写体の動きが自動認識され、画素混合などによって手ぶれだけでなく被写体ぶれも低減できる。その効果はシャッター速度で約3段分。夜景や室内など薄暗いシーンでは積極的活用したい。
AVCHD Lite動画


▲動画撮影モードは最大でHD記録に対応し、テレビ鑑賞に適したAVCHD LiteとPCに適したMotion JPEGを選べる。また、撮影中の光学5倍ズームや、画質劣化を抑えたiAズームの使用もできる。またシーンモードやコスメティックモードの利用も可能だ。なお、シーンの自動認識機能「おまかせiA」は動画撮影中でもきちんと機能する。
【まとめ】
画質は、遠景の細部までをくっきりと表現できる解像感があり、A4以上の大判プリント用にも好適だ。発色は、彩度とシャープネスを適度に強調した見栄え重視の傾向と言える。画質調整機能を使って、より鮮やかにしたり、落ち着いた色にカスタマイズすることも可能だ。
感度は、通常モード場合でISO80~ISO1600に対応。高感度ノイズはそれなり見られるが、このクラスの製品としては標準レベル。また、高感度モード使用時には、画素混合によって最大ISO6400まで自動アップさせることができる。記録画素数は3MB相当に縮小するが、薄暗いシーンをストロボを使わずに撮りたい時には役立つだろう。
トータルとしては、デザインと機能、操作性、画質のいずれもがバランス良くまとまっている。とんがった機能やモノとしての面白さは特に見当たらないが、マニアではなく、幅広く一般ユーザーをターゲットにしたデジカメとしての完成度は高い。気楽に持ち歩き、メモやスナップを撮る用途に活躍するだろう。
また、これまでの「FX」シリーズと同じく、オプションとしてカラフルなケースやストラップが数多く用意されているので、本体のカラーバリエーションと合わせてファッション感覚で楽しみたいユーザーにもおすすめできるカメラだ。
【SPEC】
サイズ:W102.5×H55×D22.8mm 重量:約165g 撮像素子:1/2.33型有効1400万画素CCD 液晶モニタ:3.0型TFTタッチパネル液晶(23万ドット) 光学ズーム:5倍 焦点距離(35mmフイルム換算値):24~120mm相当 手ぶれ補正:光学式 動画:HD(AVCHD Lite)感度:AUTO/80~6400 記録媒体:SDXC/SDHC/SDメモリーカード カラバリ:(写真左から)フローラルブルー、リュクスゴールド、プレシャスシルバー、エスプリブラック、エッセンシャルピンク
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文/永山昌克 撮影/小川修(MONKEY PHOTO)
カメラレビュー
デジカメレビュー/タッチパネル搭載パナソニック『LUMIX DMC-FX70』
2010年07月21日 15:57







