
オリンパス『OLYMPUS XZ-1』は、光学4倍ズームを搭載したコンパクトデジカメだ。最大の特徴は、レンズの開放値がワイド端でF1.8、テレ端でF2.5という明るさを持つこと。一般的に、コンパクトデジカメはデジタル一眼に比べて撮像素子のサイズが小さいため、感度を上げると高感度ノイズが目立ちやすいという弱点がある。だが『OLYMPUS XZ-1』では、レンズの開放値が明るい分、薄暗いシーンでも感度をあまり高めずに撮影できる、というメリットがある。
ボディは、レンズのほぼ中央に配置した長方形フォルムを採用する。外装は、上部にヘアライン処理を、前面には細かいシボ加工を施した金属素材。精かんで、落ち着きのあるデザインと言っていい。ボディ前面に突起がないため、構えた時に指が滑りやすいが、レンズの付け根部分にダイヤルカットされたリングがあるので、そこを左手で持ち、両手で構えると安定するだろう。
操作面での特徴は、レンズ回りに設けたコントロールリングと背面のスクロールダイヤルの2つによって、各種の設定をダイレクトに変更できること。コントロールリングの働きは、選択している撮影モードによって異なり、プログラムAEモード/ローライトモード時はISO感度、絞り優先AEモード/マニュアル露出モード時は絞り、シャッター優先AEモード時はシャッター速度となる。
さらに、アートフィルター時のフィルターの項目や、シーンモード時のシーンの項目を変更したり、連写画像のインデックス表示と通常表示の切り替えなどもリング操作で可能。またスクロールダイヤルでは、マニュアル露出モードでのシャッター速度の選択のほか、ボタンを併用して露出補正などを設定できる。
■操作性
取り回しに優れたコンパクトなボディ。外装は金属製で、上部にはヘアライン処理を、前面には細かいシボ加工(ブラックモデルの場合)を施して、質感を高めている。装飾を控えめにした落ち着きのあるデザインだ。
▼レンズ回りのリング操作で、感度や絞り値などをダイレクトに変更できる。

▼天面に設けたモードダイヤルでは、フルオートからフルマニュアルまで9種類の撮影モードを選択できる。

▼背面のスクロールダイヤルでは、マニュアル露出時のシャッター速度のほか、露出補正などを設定できる。

■有機ELモニタ
ボディ背面のモニタには、3型61万ドットの有機ELディスプレイを採用。上下左右ともに視野角が広く、屋内屋外を問わず実用十分の視認性を確保している。

■画質チェック
風景
▼青空や緑の木々を鮮やかに再現。有効1000万画素というスペックは、決して高画素とは言えないが、実際に撮影した写真を見る限りでは、遠景までくっきりと描写する細部表現力の高さを確認できる。

マクロ
▼マクロモード選択時では、ズームのワイド側で10cm、テレ側で30cmまで近づくことができ、さらにスーパーマクロモードに切り替えると、ワイド側固定で最短1cmの超クローズアップ撮影が可能になる。

■高画質技術
デジタル一眼用のレンズ「ZUIKO DIGITAL」を、コンパクトデジカメ用に新開発し、「i.ZUIKO DIGITAL」として搭載。「ZUIKO DIGITAL」と同等の品質を満たすように設計され、中心から周辺までのシャープな描写を実現しているという。
▼開放値の明るい光学4倍ズームを搭載。35mmフイルム換算の焦点距離は、28~112mm相当に対応。オートレンズバリアはなく、着脱式キャップが付属する。

■アートフィルター
撮影機能としては、「PEN」シリーズから継承したエフェクト機能「アートフィルター」に注目したい。フィルターの種類は、カラフルな発色になる「ポップアート」、ソフトタッチの「ファンタジックフォーカス」、白黒ハイコントラストの「ラフモノクローム」、オモチャカメラの雰囲気の「トイフォト」、風景をミニチュア風に仕上げる「ジオラマ」、階調の再現域を広げた上で、コントラストを局所的に調整する「ドラマチックトーン」の6つ。
▼ドラマチックトーン

▼ジオラマ

▼ファンタジックフォーカス

これらのエフェクトの効果を確認しながら撮影できるほか、RAW形式でノーマルに撮影し、後からカメラ内またはPC上でRAW現像する際にアートフィルターを適用することも可能だ。しかも、静止画だけでなく、動画にアートフィルターを適用して撮ることもできる。
そのほかには、色調を5種類から選べるピクチャーモードや、18種類のシーンモード、暗所でぶれを抑えて撮るローライトモード、最短1cmのスーパーマクロ、追尾AF、多重露光などの機能を搭載。また、コンパクトデジカメでありながら、最長16分のバルブ撮影ができる点は珍しい。動画は最大で1280×720ピクセルのHD記録に対応する。
■まとめ
撮像素子には、1/1.63型とコンパクトデジカメではやや大型のCCDを搭載。画素数は有効1000万画素と控えめだ。画素数をあまり増やさないことは、細部解像力では不利だが、高感度の画質という点では有利になる。現に『OLYMPUS XZ-1』の高感度画質は、ISO400くらいまでは十分に実用レベルと言っていい。また開放値でも周辺までシャープに解像し、レンズ性能は優秀だ。
マニュアル露出やRAW記録ができる一歩上のコンパクトデジカメとして、撮影にこだわるユーザーにおすすめしたい。同社のマイクロ一眼「PEN」シリーズに比べると、画質や拡張性で及ばないものの、日常感覚で気楽に携帯できるという点では『OLYMPUS XZ-1』のほうが勝る。メモやスナップのほか、旅行用にも役立つだろう。


【SPEC】
サイズ:約W110.6×H64.8×D42.3㎜ 重量:約275g 撮像素子:1/1.63型高感度CCD 有効画素数:1000万画素 液晶モニタ:3.0型有機ELディスプレイ(約61万ドット) 光学ズーム:4倍 焦点距離(35㎜フイルム換算値):28~112㎜相当 手ぶれ補正機構:CCDシフト式 動画:HD(AVI) 記録媒体:SDXC、SDHC、SDメモリーカード ボディカラー:ブラック、ホワイト
文/永山昌克 撮影/増原秀樹
カメラレビュー
F1.8の高品質レンズを採用した『OLYMPUS XZ-1』
2011年06月15日 23:06







