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ゲームレビュー/ニーア レプリカント

2010年04月30日 16:43

『ニーア レプリカント』/スクウェア・エニックス

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■概要
死病に冒された妹を救う、愛と狂気のアクションRPG

発売早々、衝撃のストーリー展開で話題のアクションRPG『ニーア レプリカント』と『ニーア ゲシュタルト』。2大HD機をプラットフォームとする両タイトルは、世界観やゲームシステムを共有しつつも、異なる立場の主人公で描かれるパラレルストーリーだ。

「ONLINE デジモノステーション」では、21歳のニーアを主人公とするPS3用ソフト『ニーア レプリカント』と、44歳のニーアを主役に据えたXbox 360用ソフト『ニーア ゲシュタルト』を両方プレイ。

今回は、30時間以上プレイしたPS3用ソフト『ニーア レプリカント』のレポートをお届けしよう。

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■ストーリー
予定調和では終わらない、ダークでビターな物語

物語の舞台は、人類が滅びゆく遠い未来。主人公ニーアは、不治の病「黒文病」に冒された妹ヨナと身を寄せ合い、小さな村でひっそり暮らす青年だ。

コホコホと咳をする妹に「おにいちゃん……」とかわいい声で呼びかけられれば、放っておけるはずがない。病気の治療法を探してあちこち旅に出るうち、彼はもの言う書物や美しいマモノ憑きと出会う。

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▲「ヨナのためなら何でもしてあげる」と、シスコンぶりを発揮する兄ニーア。物語の中では数年の時間経過があり、ニーアの成長を感じることができる。

と、ざっくり紹介しただけだと王道ストーリーのようだけど、実際プレイしてみるとずっしりヘビーな物語。そもそもオープニングからして、主人公、体育座りですから。しかも出会う仲間だって、ひと筋縄ではいかない。下着姿の戦士カイネは、両性具有のマモノ憑き。しかも口が悪くて、セリフはピー音連発……。洋館で暮らすエミールは石化能力を抑えるためにいつも布で目隠ししてるし、実験兵器7号なんて骸骨てるてる坊主ですよ!

そんな、どこか欠けた部分を持つ者同士が、心の痛みを分かち合いながら旅路を進むんだから感動しないはずがない。醜い姿でも、優しく抱きしめてくれる人がいる。虐げられてきた自分を認めてくれる人がいる。そんな他人に受け入れてもらえた喜び、居場所を見つけた安堵感を、我がことのように体感できた。清く正しくまっすぐに生きてる人より、鬱屈したものを抱えてる人、「世の中、生きづらいなー」と思ってる人ほど、きっと共感度が高いはず。少なくとも日々ため息と舌打ちを繰り返してる私は、しみじみ共感しました。

また、サブストーリーも予定調和の王道パターンからは外れている。迷い犬を探しに行ってみればすでに●●だったり、とある兄弟の母親を捜索に行けば、母親が●●した挙句●●に●●されてたり(ネタバレのため伏せ字でごめんなさい!)、苦い後味が残ることも。ハッピーエンドのエピソードも多いけれど、それだけでは終わらないあたりに物語の厚みを感じた。そうです、人生ってままならないものなんです。

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▲シリアスなストーリーだが、もの言う書物「白の書」との掛け合いなど、ほっとひと息つける場面も多数。あ、カイネのセクシーなバックショットが多いので、尻フェチも必見です。

■バトルシステム
策を講じて敵を討つ 巨大マモノとの戦いが熱い!

バトルシステムは、オーソドックスで親しみやすいアクション形式。武器や魔法、回避アクションを駆使して、襲いくるマモノを撃退していく。物語の前半では片手剣しか扱えないが、後半からは両手剣や槍も使用できるようになり、いろいろな武器の手ごたえを試してみたくなる。重たい両手剣をブインブイン振り回し、敵をなぎ倒すのはストレス解消にもぴったりだ。

ボス戦では、敵のHPゲージを減らすと時計盤のようなゲージ(アタックゲージ)が表示され、ここを攻撃してとどめを刺すようになっている。照準ど真ん中にバシッとダメージを叩き込むのが、何とも言えず気持ちいい。

また、敵が魔法弾をガンガン乱れ撃ってくるのを剣でさばいたり、華麗に避けたりするのも楽しい。時には「シューティングゲームかよ!」と突っ込みたくなるような弾幕の嵐が降りそそぐこともあり、アクション好きは腕がなるはずだ。

特にスリリングだったのは、村に攻め込んできた巨大マモノとの戦い。マモノが狙うのは、村民の避難先である図書館。ゴジラのようにのしのし進むマモノが図書館に到達するまでに、ヤツを倒さねばならない。マモノの攻撃をかいくぐりつつ橋の上から攻撃したり、図書館まで先回りしたり猛攻を凌いだり、村全体がバトルフィールドに。まー、しぶとい敵だが、戦術を練りつつ戦う楽しみを存分に味わえた。

……とか偉そうなことを言っているが、実は私、アクションゲームがド下手である。最初は難易度「NORMAL」でプレイしていたが、ボス戦で撃沈に継ぐ撃沈。プライドを捨て、途中から「EASY」に切り替えてプレイしたところ、こんな私でも無事にクリアできた。難易度は「HARD」を含む3段階あるので、私のようなアクション音痴からバリバリのゲーマーまで幅広く楽しめるはずだ。ひとつひとつのアクションが格好よく、プレイしているうちに「あれ、ひょっとして私、うまいかも?」と勘違いさせてくれるのもうれしい。

なお、バトル以外でのアクション性はそれほど高くない。フィールドを探索する際、たまーに二段ジャンプを使うぐらいで、シビアなアクションを要求されることはなかった。アクション要素は、あくまでも敵を倒す時メイン。わらわらと寄ってくるマモノをチャージ攻撃でまとめてなぎ倒す爽快感、巨大マモノの隙を突いて魔法を撃ち込む緊迫感、弾幕をかいくぐるスリルなど、バトルの快感に比重を置いたシステムになっている。

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▲一部の敵は、魔法弾による弾幕攻撃を仕掛けてくる。弾を剣で斬りさばき、敵に攻撃を叩き込むのが気持ちいい。趣向を凝らしたボス戦も多く、その都度違う戦術を立てるのも楽しい。

■やり込み要素
クエスト、釣り、畑仕事…… お兄ちゃんは大忙し

メインストーリーから離れ、寄り道するのも楽しい。釣りや栽培ではのんびりムードが味わえるため、殺伐とした戦いの日々を忘れ、ちょっとひと息つくのにぴったり。

さらに、膨大な数のクエストも用意されている。簡単なおつかいから厄介な探し物、マモノ討伐まで、バリエーション豊かな依頼がニーアを待っている。

中でも、楽しかったのはヨナの頼みごとを聞くクエスト。内容は「メロンが食べたい」だの「カボチャがほしい」だの他愛ないものだが、兄妹の仲むつまじい関係が垣間見える。「おにいちゃん、ヨナのためなら何でも聞いちゃう」というダダ甘なニーア、それをからかう白の書、兄のために手料理(ただし味は微妙)を振舞うヨナ。「おにいちゃん、カボチャまだ?」とか言われても、妹のためにいそいそ買い物にでかけるニーアが妙に可愛らしい。

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▲野菜や花を育てたり、海辺で釣りを楽しんだり。メインストーリーは重厚だが、まったりとした村の生活も楽しめる。戦いから帰ってきた時、野菜が育っているとホッと心が安らぐ。

■まとめ
1周しただけではわからない 奥深いストーリーに感動

とにかくこのゲーム、没入感が半端ない。
妹とふたりきり、明日をも見えない日々を暮らす主人公。
悲しい過去を背負った、禍々しい姿の仲間たち。
死の気配に覆われつつも、どこか神話的な美しさを感じさせる世界。
物哀しくも荘厳な音楽。
そして紡がれる、切なく、胸を締め付ける物語??。

プレイ中は作品世界にどっぷり入り込んでしまい、今なお余韻を引きずっている。それだけ物語に引き込む力が強く、プレイヤーを打ちのめす力も大きいタイトルだった。正直、シンプルなハッピーエンドを求める人には手離しでお勧めできないが、胸にズシンと来るストーリーを求める人には大プッシュしたい。

特に2周目以降は、1周目では見られないエピソードが見られるなど、ファーストプレイではわからない事実も明らかに。
カイネの過去が明かされる2周目なんて、冒頭から涙、涙ですよ。
個人的には実験兵器7号の生い立ちや心情が、泣きのツボを押しまくり。ネタバレになるので詳しくは言えないけれど、なんて健気で純粋なヤツなんだ……。その素性を知った今では、奇怪な姿さえかわいらしく見える。

登場人物ひとりひとりの胸の内が些細なしぐさやちょっとしたセリフに現われていて、いちいちグッと来てしまった。

こう言うと「どんだけ暗い話なんだ」って感じだが、どよーんとしてるだけじゃないのもポイント。強い陽射しやカラッと乾いた空気を感じるグラフィックのおかげでどんより感は薄らいでいるし、白の書とカイネの会話には笑いを誘うものも。「どんより」というより「しみじみ」、「鬱になる話」というよりは「胸を締め付ける話」と言うのがふさわしく感じた。

ちなみに、2003年発売のRPG『ドラッグ オン ドラグーン』と同じスタッフが制作したそうで、ストーリーもゆるやかにリンクしているらしい。私は未プレイだが、何の問題もなくストーリーに入り込めた上、『ドラッグ オン ドラグーン』もプレイしたくなったほど。いやー、完全に持っていかれました。

というわけでしんみり気分から抜け出せないまま、次回はXbox 360用ソフト『ニーア ゲシュタルト』のプレイレポートに突入します!

『ニーア レプリカント』

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●ハード:PlayStation 3
●発売日:発売中(4月22日発売)
●価格:7800円(税込)
●ジャンル:アクションRPG
●メーカー:スクウェア・エニックス

公式サイトURL
http://www.square-enix.co.jp/nier/

権利表記
©2010 SQUARE ENIX Co.,Ltd. All Rights Reserved .Developed by cavia Inc.

文/野本由起


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