
【概要】
ミステリーアドベンチャー?
でも、普通の推理ものとは違うんです!
ヒット作「逆転裁判」シリーズを手がけた巧 舟(たくみ しゅう)の完全新作として、注目を集める『ゴースト トリック』。
ジャンルは「ミステリー」だが、ごく普通の推理アドベンチャーだと思ったら大間違い。
ストーリーもシステムもひと筋縄ではいかない、新奇性あふれるゲームに仕上がっている。
その一方で、斬新な作品ゆえに「何をどうするゲームなのか」を図りかねている人もいるのでは?
というわけで、今回は概要の紹介から始めていこう。
物語は、主人公シセルの死から始まる。
イノチもキオクも失われたが、彼のタマシイだけはこの世に残っていた。
このままでは死んでも死にきれない。
そこでシセルは、自分が何者で、なぜ殺されたか調べることに。
ここで役立つのが、「死者のチカラ」。
幽霊になったシセルは、モノにとりつき、あやつる力を手に入れた。
さらに、ほかの死者にとりついて、時間を4分だけ巻き戻す力も備わっている。
この力を使えば、モノを動かして殺し屋に狙われている人を助けることができる。
他人の会話に聞き耳を立て、自らの死に関する手がかりをつかむことだってできる。
かくして、シセルは死の真相を究明すべく、「死者のチカラ」を使って調査を開始する。
推理アドベンチャーにつきものの、コマンド選択もマップ移動もなし。
すべてはステージ上のモノや人に「トリツク」「アヤツル」ことで、謎を解き明かすのが新しい。
もちろん巧舟氏らしい、遊び心あふれるシナリオも大きな魅力。
3週にわたってお届けするゲームレポート、第一回はストーリーについて掘り下げていこう。
【ストーリー】
「死」から始まるストーリー
記憶を取り戻し、自らの死を解き明かせ
気づけば、そこはゴミ捨て場だった。
目の前には女が一人。
男に銃口を向けられ、今まさに命が絶たれようとしている。
早く助けねば……!
そう思えど、主人公シセルにはなすすべもなかった。
なぜなら、彼は死んでいるから。
この男に殺されたのだろうか、ゴミの山に突っ伏し、すでに事切れていた。
女も、まもなく殺されてしまうのだろう。
諦めかけたその時、不思議な声がした。
「…のんびり死んでいる場合ではございません…」
そう彼に語りかけるのは、電気スタンド。
クネリと名乗る不思議なスタンドは、シセルに備わった不思議な力について教えてくれた。
それは「死者のチカラ」。
この力を使えば、モノにとりつき、あやつることができるという。
手始めにゴミ捨て場に捨てられたシャダンキ(電車の遮断機)にとりつき、見事彼の銃をはたき落としたシセル。
クネリの言うとおり、この力があれば運命を変えられるかも……!
かくしてシセルは、「死者のチカラ」を駆使して、自らの死の真相を解明しようと決意する。
与えられた時間は、わずか一晩。
限られた期限内に、自分がなぜ殺されたのか突き止めることができるだろうか。
……というのが、ざっくりしたストーリー。
命も記憶も奪われた状態でこの世界に放り込まれ、あれよあれよという間に事件に巻き込まれていく。
このスピーディな展開が心地良い。
しかも、謎の老人や殺し屋、女刑事、公園の守り神などなどおかしな人物が次々に登場。
生前のシセルと関係のある人物も続々と現われ、「え、自分、この人たちとどんな関係があったの?」とグイグイ引きこまれていく。
また、行く先々で人(犬も!)が殺されているのだが、「死者のチカラ」で死を回避できるのが痛快。
彼らの命の恩人になれるため、なんだか妙に「いい人気分」が味わえるのだ。
命を救って感謝され、「いやいや、大したことはしてませんよ」みたいなね。
おかげで、人の死を扱いつつも陰鬱なイメージがなく、読後感の良いシナリオになっている。



▲この世界にはまともな人はいないのか?
章を進めるごとに、次々おかしな人たちが現われる!
【まとめ】
で、どうやって死を免れるの?
システムは次回にて!
できることなら、あの夜の運命を書き換えたい。
いや、幼稚園か、いっそお母さんのお腹の中にいた頃まで時間を巻き戻したい……。
と、誰しも一度は願ったことがある(?)夢を、サラリと叶えてくれる『ゴースト トリック』。
ストーリーは章立てになっていて、各章1時間程度でサクサク遊べるのが携帯機向き。
1章1場面なので、ひと幕ものの舞台を見ているような感覚で楽しめる。
章を追うごとに次々に新事実が明かされるため、やめ時が見つからないのは困りものですけども。
シナリオ構成も緻密で、後から振り返ると「アレが伏線だったのか!」と気付かされる場面も多数。
システムもシナリオも変化球だけど、王道ミステリーの手ごたえも感じられるあたり、やるじゃないの巧 舟!
もちろんキャラクターも、巧 舟テイスト全開。
ネジの外れたキャラが次から次へと現われ、テンション高くしゃべり倒す。
テンポの良い会話、独特のギャグセンスは「逆転裁判」を彷彿とさせ、同シリーズのファンなら間違いなくツボにハマるはず。
キャラクターの名前がシセル(死せる)、リンネ(輪廻)、カバネラ(屍ら?)など、死にまつわる語呂合わせになっているあたりにも、遊び心を感じるではないか。
おかしなキャラによるおかしな物語だけあって、システムも風変わり。
死者やモノに「トリツク」って、どういうこと?
「アヤツル」と、何が起きるの?
というわけで、次号は『ゴースト トリック』の肝となるシステムを紹介する予定。
みんなで、レッツポルターガイスト!
『ゴースト トリック』

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●ハード:ニンテンドーDS
●発売日:発売中(6月19日発売)
●価格:5040円
●ジャンル:ミステリー
●メーカー:カプコン
公式サイトURL
http://www.capcom.co.jp/ghosttrick/
©CAPCOM CO.,LTD. 2010 ALL RIGHTS RESERVED.
文/野本由起
ゲームレビュー
ゲームレビュー/ゴースト トリック【第1回】
2010年07月02日 20:16







