
【概要】
私はなぜ死んだのか…
運命をさかのぼる異色ミステリー
ふと気づけば、そこはゴミ捨て場。
男はキオクもイノチも失っていた。
ぶざまに体が折れ曲がった状態で、男は考える。
誰に殺されたのか。なぜ殺されたのか。そして、自分は何者なのか。
彼に与えられたのは、モノにとりついてあやつる「死者のチカラ」。
そして殺された人物にとりつき、時間を4分だけ巻き戻す力–。
かくして男は、自らを死に追いやった人物を突き止めるべく、「死者のチカラ」を駆使して真相究明に乗りだす……。
「逆転裁判」シリーズを生んだ巧 舟(たくみ しゅう)氏が手がける『ゴースト トリック』は、死せる男を主役に据えた異色ミステリー。
主人公は自分の死の真相を突き止めるため、さまざまなモノにとりつき、それらをあやつって謎を解明していく。
2週目となる今回は、ゲームの鍵を握る「トリツク」&「アヤツル」システムをムービーを交えつつ紹介。
タッチペンを使った、斬新な謎解きを楽しもう。
【基本システム】
死者にできること
それはトリツク&アヤツル!
主人公は、何者かに殺されイノチもキオクも失った男。
「シセル」という名前だけは明かされるが、自分がなぜ殺されたのか幽霊になった今では思い出すこともできない。
そこで彼は「死者のチカラ」を利用して、モノにとりつき、あやつることで死の真相に迫っていく。
与えられた期間は、たったの一夜。
情報を得るために怪しげな人物が話す電話にとりついたり、モノをあやつって殺されそうな人を助けたり、「死者のチカラ」をフル活用して自らの運命を紐解こう。
シセルが取れる行動は、モノに「トリツク」「アヤツル」の2パターン。
ステージ上のモノの中には光を放つコアがあるので、そのコアに「トリツク」ことで、ステージ上を移動する。
ただし、タマシイの移動距離には制限がある。
一定以上離れたコアにはホイホイ取りつけないため、周囲のモノを動かしたり、動き回る人物・動物を利用したり「アヤツル」ことで、目当てのモノに近づいていくのだ。
と言っても、未プレイの方にはわかりにくいため、実例を挙げて解説してみよう。
例えば、殺し屋の魔の手から、ある少女を守る場合。
彼女はヘッドフォンをしていると、周囲への注意力を著しく欠いてしまう。
殺し屋が部屋に突入してきても、まったく気づかずに音楽に没頭したままなのだ。
少女の運命を変えるには、まずヘッドフォンをつけさせないことが重要。
そこでプレイヤーたるシセルは、彼女のヘッドフォンを使えない状態にすることに。
まずは、彼女がヘッドフォンを手にする直前に、頭上の折りたたみ傘に「トリツク」。
そして、傘を伸び縮みさせて「アヤツル」。
すると手元が狂った少女は、ヘッドフォンを近くの水槽に落としてしまう。
ナイスだ、シセル!
こうして彼女の運命は「更新」され、死の運命から免れることができる。
今回紹介したのは簡単な例だが、こうした「運命更新」を繰り返し、シセルは一連の事件を解明していく。
具体的な遊び方は、下のムービーをご覧ください!
【トリツク】
【アヤツル】
【ゲームの醍醐味】
トライ&エラーを重ね、
死の運命を回避せよ
時間を4分だけ巻き戻し、殺された人物の運命を変える「死者のチカラ」。
「トリツク」「アヤツル」の2つの能力を使い、シセルは彼らの死を回避していく。
殺された人々は、シセル殺害事件の手がかりを知る者たち。
彼らを救うことで、シセルは自らの死の謎に迫っていくのだ。
タッチペンを使って「トリツク」「アヤツル」という操作自体は、いたってシンプル。
しかし、どんなモノにどんな順でとりつき、どうあやつるか、正解を導き出すにはパズル的な思考力が問われる。
そのため、一発でステージクリアするのは困難。
まず最初に、どんな経緯で彼らが死に至るのか、死の直前の4分間を眺めることに。
そして、運命を変えるには何をすれば良いのか考える。
吹き出しでヒントが出るので、ここまではさほど難しくない。
だが、そこから先、何をどうあやつればよいのか入念な計算が必要とされるのだ。
その過程での試行錯誤こそ、本作の醍醐味。
ギミックをあやつる順番をあれこれ考え、トライ&エラーを繰り返して正解に近づいていくのが最大の楽しみになっている。
いろいろなモノをあやつった末に、「ああ、これを利用すればいいのか!」とひらめいた時のよろこびはひとしお。
そのプレイ感は、『ピタゴラスイッチ』や『インクレディブルマシン』に通じるものがある。
ギミックを動かす順番やタイミングを計算し、うまいことトリツク&アヤツルことができた時は、思わず自分に向かって拍手してしまうほど。
「あれ? 私、頭いいんじゃね?」という妙な自信と満足感をたっぷり味わえた。
しかも、殺し屋の頭上からドデーンと鉄球を落とすなど、あやつるギミック自体も爽快感あふれるものが多い。
仕掛けを成功させた達成感と、ギミックそのものの爽快感、ダブルの快感が得られる。
悩んだ末に得られる快感は格別。
ぜひぜひ自力で攻略を!

▲章が進むにつれ、当然のようにギミックも凝ったものが増えてくる。あやつるモノが多ければ多いほど、成功時に得られる達成感も大きい。
【まとめ】
パズルとストーリーとの
鮮やかな融合
ミステリー+ゲームと言えば、昔ながらのコマンド選択式アドベンチャーやテキストを読み進めるビジュアルノベルが主流。
一方、一般的なパズルゲームはと言えば、ストーリー性がさほど高くないものがメイン。
ストーリーが描かれるにしても、ステージとステージをつなぐブリッジとして、短いエピソードが描かれることが多い。
そんな中、『ゴースト トリック』はミステリーとパズルを見事に融合させている。
「自らの死に関する真相を探る」という大きな謎を掲げつつ、思考型パズルを展開。
しかもパズルパートでは、死者のタマシイが「トリツク」「アヤツル」行為により謎を解き進める。
パズルがストーリーを進める装置としてきちんと機能し、どちらが「主」でも「従」でもないイーブンな関係になっている。
「こういう形のミステリーゲームもあるんですよ」と、新しい提案をされた気分。
もちろんこうした提案、大歓迎!
わかりやすさが求められる完全新作なのに、チャレンジャブルな試みを盛り込むあたり漢らしいです、カプコンさん。惚れた。
さて、次回はキャラクターのモーションを始めとする演出、そして総まとめレビューをお届けする予定。
がっちり遊んだ上でのガチな感想をお伝えします!
『ゴースト トリック』

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●ハード:ニンテンドーDS
●発売日:発売中(6月19日発売)
●価格:5040円
●ジャンル:ミステリー
●メーカー:カプコン
公式サイトURL
http://www.capcom.co.jp/ghosttrick/
権利表記
©CAPCOM CO., LTD. 2010 ALL RIGHTS RESERVED.
文/野本由起
ゲームレビュー
ゲームレビュー/ゴースト トリック【第2回】
2010年07月09日 15:17







