
『スーパーマリオ 3Dランド』
●ハード:ニンテンドー3DS
●発売日:発売中(11月3日発売)
●価格:4800円
●ジャンル:3Dアクション
●プレイ人数:1人(すれちがい通信対応)
●メーカー:任天堂
【概要】
細かい部分にも
魅力がたくさん詰まっている
みなさんはもう『スーパーマリオ 3Dランド』を実際にプレイされただろうか? 個人的には今回のマリオはシリーズ中でも1,2を争うほど気に入っていて、ちょっとした合間を見付けてはコツコツ遊び続けている状態。2Dアクションの不変の魅力と、3Dアクションの奥深さが同居するプレイ感、そして3D立体視の産み出す効果。これらが絶妙に組み合わさって、今までにない新鮮な楽しさを感じるのだ。やられ具合と1UPのバランスも個人的には程良く、常に緊張感を持ってプレイできるのも良い。
前回は全体的なプレイ感をお伝えしたが、今回は少しだけ細かい部分についても着目しつつ、レビューをお送りしていこう!
【グラフィック】
『ニンテンドー3DS』の表現力を知る
絶好のベンチマーク
『ファミコン』や『スーパーファミコン』の時代のマリオのテイストも取り入れた今回のグラフィック。カメラの位置もマリオから遠めに設定されており、派手な絵作りよりもステージの構造をわかりやすく伝えることを重視しているのだと思われる。
しかしグラフィックに見るべきところがないのかと言えば否。プレイ中は気が付きにくいが、丸く見えるべきものはしっかり丸く、鉄、レンガ、石、などの表面の質感や反射には違いがあり、ふわふわしたものは本当に柔らかに見える。
技術的な話は長くなるので省くが、『ニンテンドー3DS』はハードウエアに組み込まれた”シェーダー”によって、質感を表現する力が従来の携帯機より一歩進んだものになっているようだ。
そして意外にも、立体視をオンにするとグラフィックの質感も大幅にアップする。壁や床、水面の光の反射などがより映えて見えるのだ。実際に片目をつぶり、光沢のあるもの(例えば机に置いた携帯電話など)を観察するとわかるのだが、左右の目に見える光沢は微妙にずれているもの。『3DS』はそれと同じように、左右の目で見る映像の形だけでなく、光の反射具合にも差を付けることで、より生々しい質感を表現できるのだろう。


また、立体視をいかしたコースデザインや動きの迫力も見どころの1つ。高い場所から落下していく場面や、逆に大砲で上空に打ち出される場面など、奥行き方向や手前方向への動きは本当に迫力たっぷり。画面奥から突き出される巨大な鉄の棒につい身をかがめてしまったり、タンポポの綿毛や水中の魚群が本当に目の前に漂っているような見え方をして驚いたり。質感にしてもそうなのだが、立体視をいかした表現は、実際に見ていただかないと魅力が伝わらないのが歯がゆいところ。
『スーパーマリオ 3Dランド』は遊んで楽しいだけでなく、『ニンテンドー3DS』というハードの表現力や、立体視の特長を知るにもピッタリの一本なのである。まだ『ニンテンドー3DS』を買おうか迷っている人も、本作と一緒に購入すれば間違いなく『ニンテンドー3DS』の表現力に納得できるはずだ。
また誰かに勧める場合も、携帯ゲーム機であることをいかして、一度実際にプレイしてもらうのが一番だと思う。
【遊び応えについて】
ワールド8クリア後も
まだまだこれから
簡単過ぎれば退屈し、長過ぎたり難し過ぎれば途中でやる気がなくなる。現代のゲーマーはわがままなものだが、今回のマリオはそのあたりへの配慮も絶妙。1つ1つのコースは数分あればクリアできる尺だが、スターメダルを全て取ってクリアしようとすると話は別。メダルを探す観察力や、どのアクションを使ってメダルの場所に行くかという発想力、そして実行するテクニックなど、プレイヤーの総合力を試されることになる。失敗しながらもチャレンジし続け、ついに思い通りのアクションを実現できた時のよろこびは格別だ。
ひと通りクリアするだけならスターメダルは全て集める必要はないのだが、全8ワールド、50近いステージで完璧に集めきろうと思えば、そのボリュームたるやなかなかのもの。


▲攻略に手間取るとマリオの数はどんどん減っていくが、1UPする機会もかなりに多い。各ステージのゴールはもちろん、タワー状に重なったクリボーをまとめて潰したり、並んで歩いてくるテンテンという敵を順番に踏んでいくなど、チャンスは至る所に用意されている。残り数の増加・減少のバランスが実に丁度良い。
ちなみに、最後のワールドとなるワールド8はかなりの厳しさ。筆者がそこまでに貯めていた50人以上のマリオがみるみる減っていくので、クリボーが次々と出てくるボックス箱を使って連続1UP(地面に落ちずに敵を踏み続け、マリオをどんどん1UPさせるテクニック)すべきか……などと一瞬考えてしまったほど。だが最後まで我慢し、スターメダルを全部獲得しつつ、連続1UPなしでエンディングまで到達しました! クリア時には残り数は一桁に突入していたので、筆者にとってはまさにギリギリの戦いであった……。
もちろんワールド8クリア後にも、予想どおり”スペシャル”なお楽しみが待っていて、マリオと言えばあの男も……おっと、バラしすぎは良くないが、とにかく本作には期待を裏切らないボリュームがあると思っていただいて間違いない。
またある条件を満たした後は、コースクリアのタイムが記録されるようになる。この記録はすれちがいい通信でやり取りされるので、見知らぬ人とクリアタイム勝負をできてしまうのも楽しい。駅や学校など、熱心なプレイヤーが行き来する場所では、日に日に記録が更新されていく可能性もある!



▲タイムアタック以外にも、すれちがい通信する度にキノピオの家でアイテムを貰えるようになったり、ほかの人がプレイしたミステリーボックス(ボーナスステージのようなもの)をプレイできたりする。
【まとめ】
全てのゲーム好きに
遊んでほしい傑作
誰もが理解しやすくプレイしやすい2Dマリオの雰囲気やプレイ感をしっかり保ちながら、3Dアクションならではのステージ探索や臨場感を楽しめる『スーパーマリオ 3Dランド』。個人的には今後登場する3Dアクションに多大なる影響を与える作品だと感じているのだが、パッと見ただけでは少しもそんな凄味を感じさせないあたりが実にマリオらしい。むしろそのすごさを押し出さないからこそ、年齢や性別どころか国籍すら問わず、誰もが「自分でも楽しめそう」と思えるソフトであり続けているのだろう。
だが実際は、ゲームファンだからこそ気が付く表現のすごさ、アクションゲーム好きだからこそ気が付く面白さを備えた、本当に奥の深いゲームでもあるのだ。プレイせずに「いつもの『マリオ』でしょ?」などと侮っていると確実に損をする。『マリオ』はほかでもない、ゲームが好きなあなたのためのゲームなのだから!
『スーパーマリオ 3Dランド』

公式サイトURL
http://www.nintendo.co.jp/3ds/arej/
権利表記
c2011 Nintendo
※『ニンテンドー3DS』の3D映像は本体でしかご覧いただけません。紹介作品の画面写真は2D表示のものになります。
文/高橋祐介
ゲームレビュー
ゲームレビュー/スーパーマリオ 3Dランド【後編】
2011年11月21日 18:10







