
昨年発表されたドコモ春モデルの中で、発売前から群を抜いて注目されていた『F-04B』(富士通製)は、ディスプレイ部とキーパッド部が分離する「セパレートスタイル」を世界で初めて採用した画期的な端末だ。
一見すると普通のスライド端末に見える本機だが、ディスプレイ下部にあるボタンを押すことで、本体を真っ二つに分離できるのが最大の特長。ディスプレイだけを露出させる「ベーシックスタイル」、キーパッドを引き出した「スライドスタイル」、分離した状態の「セパレートスタイル」という3つのスタイルを切り分けて使えるようになっている。

気になる基本機能については、昨年末に発売された同じ富士通製端末『F-01B』とほぼ同等(防水・指紋センサーのみ非搭載)。個性派モデル=機能的にはイマイチという、従来の常識を良い意味で裏切ってくれている。
そこで本稿では本日(2010年3月26日)発売された『F-04B』を早速レビュー。本誌5月号記事に引き続き、その魅力を再確認しておきたい。
●セパレートスタイルでケータイの新活用法を提案
まず、本機最大の特長である「セパレートスタイル」について解説しよう。「セパレートスタイル」では、分離したディスプレイ部(=ディスプレイユニット)と、キーパッド部(=キーユニット)がBluetoothで接続され、文字入力などが、接続時と何ら変わらない感覚で行なえるようになっている。分離すると自動的に通信が開始されるので、ユーザーがワイヤレス接続操作や認証作業などを行なう必要はない。
セパレートスタイルでは、スライドスタイルでできた全ての操作が可能。文字入力のほか、ゲームやワンセグなどの操作もワイヤレスで行なえる。

▲カメラ操作もワイヤレスでOK。写真では(わかりやすくするために)キーユニットをディスプレイユニットに向けているが、実際には後ろ手に隠していても使える(Bluetooth接続のため)。
その上で、キーユニットで音声通話しながら、ディスプレイユニットでiモードにアクセスするなどといった、これまでにない「ながら操作」をすることもできるようになった。ディスプレイユニットに搭載されている3.4型ディスプレイはタッチ操作にも対応しているので、キーユニットが使えない状態でも全ての操作が可能だ。したがって、ディスプレイユニットだけを単独のケータイとして持ち歩くこともOK。必要な時だけキーユニットを使うという使い分けもできる。

▲通話を始めると、画面に「通話中ランチャー」が出現。電話帳や予定表、フルブラウザなど、通話中に使えると便利な機能をワンタッチで呼び出せる。

▲セパレートスタイルで特に便利なのがテレビ電話。従来モデルと違い、音声を耳元のスピーカーで聴けるほか、カメラ部を分離して動かせるので写真のような活用法もできる。

▲ディスプレイユニットの最薄部は約9.8mm。単独利用時は業界トップクラスのスリムタッチケータイとして活躍してくれる。
ちなみに両ユニットにはそれぞれ独立したバッテリーが搭載されており、相互に電力を融通することも可能。使おうと思った時に、片方の電池が切れてしまっていても大丈夫だ。
なお、キーユニットは2層構造となっており、ディスプレイユニットとの接合面にスマートフォンライクなフルキーボードが、その下にスライド式のキーパッドが収納されるというかたちになっている。フルキーボードは一般的なQWERTY配列となっているため、長文メール入力などを行なう際にはこちらが便利だろう。ディスプレイユニットをヨコ表示にすれば、ノートパソコン顔負けの作業環境を構築できる

▲キー配列は余裕の5列タイプ。「Ctrl」+「C」でコピー、「Ctrl」+「Z」で戻るなど、PC同様のキーボードショートカットも利用できる。

▲ディスプレイ部を立てる、スタンドストラップを同梱。ゲームやメール利用時に重宝する。
加えて、NTTドコモ初の「プロジェクターユニット」を周辺機器として用意。キーユニットの代わりに装着することで、最大66型相当の壁面投影が可能に。ワンセグやゲーム、動画はもちろん、デジカメのスライドショーやiモード、PCドキュメントなど、画面に表示できるものは原則として全て投写できる。

▲『プロジェクターユニット F01』。『F-04B』と同時発売される。
●有効1220万画素のカメラ機能も圧倒的な高画質
最後に、セパレートスタイルとは別に、カメラ機能についても紹介しておきたい。富士通端末のカメラ機能は近年極めて高評価だが、本機もその期待を裏切らないクオリティ。最近話題のCCDカメラにも負けない高画質は一見の価値ありだ。
▲カメラユニットはディスプレイユニット背面に配置。
もちろん機能面も優れており、手ぶれ補正(電子式)や広角撮影対応(f=28mm相当~)、ISO25600相当の超高感度撮影機能、個人認証対応の顔検出機能、自動シーン認識など、デジカメ専用機にも負けない高機能を備えている。

▲極めて精細感のあるシャープな美画質。発色も良好だ。画像のゆがみもほとんどない。お世辞抜きに専用機に迫る画質と感じた。

▲光量の少ない場所でも、明るくキメ細やか。赤みが強い点を除けば非常に好印象だ。
●まとめ
最近、スマートフォンに話題をもっていかれがちな国産ケータイだが、本機はそれらに負けない圧倒的な存在感が素晴らしい。一見すると、その個性ばかりに注目が集まりがちだが、実に細部にまでしっかりと作り込まれており、個性派端末にありがちな“大味さ”はみじんも感じられなかった。その高完成度&独創性は特筆もの。国産ケータイの究極系と言っても差し支えないだろう。スマートフォンとは異なる、もう1つの頂点がここにある。
■SPEC

サイズ:約W51×H114×D20.4mm 重量:約173g 連続待受時間:約600時間 連続通話時間:約300分 メインディスプレイ:3.4型有機EL(480×960ドット、約1677万色表示) カメラ:有効1220万画素CMOS 記録メディア:microSD/HCメモリーカード(16GB) データ通信速度:上り最大1.8Mbps~下り最大7.2Mbps 日本語入力ソフト:ATOK+APOT ボディカラー:(写真左より)BLACK、WHITE
構成・文/山下達也(ジアスワークス)撮影/松浦文生







