

(写真左)
ダイソン『エアマルチプライアー』
(写真右)
バルミューダデザイン『グリーンファン』
1894年に東芝の前身である芝浦製作所が日本初の扇風機を発表して以来、約115年変わることのなかった扇風機。昨年11月にダイソンが発表した羽根のない『エアマルチプライアー』は、それまでの扇風機の観念を大きく変えるものだった。そして、今年4月に発表されたバルミューダデザインの『グリーンファン』は一見、従来の扇風機と同じに見えるが、風の“質”を変えることで省エネ性能を格段に向上させた。どちらも風を生み出す構造が従来のものとは異なり、ムラのない風を作り出すことに成功。デザイン性+心地良い風が次世代の扇風機は、夏を快適にしてくれる
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【製品1】
ダイソン『エアマルチプライアー 25cm』

従来の扇風機のような高速回転する羽根をなくすことで、断片的な風ではなく、スムーズな風を生み出す。また、羽根がないため、安全性や手入れの容易さも魅力。
SPEC/サイズ:W300×H497×D155mm 重量:1.72kg 円形部直径:25cm 消費電力:40W
実勢価格:3万7000円
[風を生み出す構造]

モーターが搭載されている下部の台座にある吸気口から風を吸い込む。
モーターが風を上方向に送る。

台座からの気流は、上部の円形状の輪の部分へと送られる。

15度の翼型傾斜の上を通り、円形の気流を作り、風向きをコントロール。

背面からも空気が取り込まれ、さらに周囲の空気も気流に巻き込むことにより、吸い込まれた空気の15倍の風量を生み出す。
[レビュー]
●操作性
『エアマルチプライアー』でできることは、上下への角度調整、左右の首振り、風量調整のみ。
まず、上下への角度調整から見ていこう。

指で押すだけで本体の角度が変更可能。


底面部以外全体が傾くことで、上下角度に変更できる。
上下角度調整は前後10度。
好きな角度で止められるため、好みの風向を作りやすい。
首振りはボタンが完備されており、台座下部の数cmから上全体が動く。


約90度の範囲で左右に一定速度で動き、ボタン類も一緒の向きになる。
動きは滑らかで、再度ボタンを押すと好きな位置で止められる。【動画】
最後に風量調整だが、つまみで行なう。

従来の扇風機のように「弱」「中」「強」などのコースで区切られていないため、直感的に風量を決められる。
●お手入れ

羽根がないので、円形の輪の部分を布で拭くのみでOK。手入れのしやすさはNo.1だ。
[総評]
空気にムラがなく、これまでの風とはまったく異質な体感を得ることができる。また、風が出る輪の部分に手を入れても羽根がないため、指の巻き込み事故などの心配がない。軽量なため移動もしやすく、一見扇風機に見えない風貌はインテリア性も高い。
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【製品2】
バルミューダデザイン『グリーンファン』

弱運転時の回転速度を従来扇風機の半分以下の250回転とすることで、そよ風を生み出すことに成功。さらに、弱運転では消費電力が4Wと、従来扇風機の約1/8の省エネを実現した。
SPEC/サイズ:W330×H867/467×D320mm 重量:3.8kg 消費電力:4~21W
実勢価格:3万3800円
[風を生み出す構造]

2重構造になった14枚の羽根がポイント。ファンが回転した時、外側の風は内側に比べて約2倍の風が発生するため、内側の羽根の前方で負担状態が生まれる。その負担状態の内側に外側の風が引っ張られることで、ファンの約40cm前方ですべての風が集中。

1点に集中した風は、ぶつかり合い、反射し、大きく拡散していく。
[レビュー]
●操作性
『グリーンファン』では、上下への角度調整、左右の首振り、風量調整、タイマー設定が可能。手動でヘッド部分の角度が、左右は30度ずつ、下には14度、上には28度まで変えられる。

ヘッド上部にボタンが設置されたことで、しゃがむことなく電源のON・OFF、風浪調整などができる。
風量は4コース設けられており、現在の風量はベース部分のインジケーターで確認可能。

4段階目の風量にすると、ファン回転数が高くなり、サーキュレーターモードになる。その風は約8m先まで届く。
また、中間ポールを外すと卓上でのサーキュレーターとして使用可能。

●お手入れ

従来の扇風機同様、羽根を取り外して水洗いする。前面の前ガードはマグネットで固定されており、専用の工具で引っぱって外す。この構造にしたことで、ファンガード部の組み立てが容易に。
[総評]
従来の扇風機では弱運転の時も風が強いと感じていたが、『グリーンファン』の「弱」は本当にそよ風。自然の中で感じるような心地良さを再現している。また、サーキュレーターモードにしても、消費電力が21Wと低いのが魅力。
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【番外編】
従来からある扇風機の最新モデルも体感してみた。

東芝『F-LM100X』

部屋の温度と湿度を2つのセンサーで感知して風量を自動調節する機能を搭載。温度または湿度が上がると風量が高まり、温度または湿度が下がると風量が弱くなる。また、「切タイマー」と「入タイマー」を組み合わせて設定することもでき、エアコンのタイマーに合わせて扇風機を運転・停止することが可能。
SPEC/全高:796~11020mm 重量:5.3kg 消費電力:35W
実勢価格:1万4800円

日立『スリムファン HSF-300』

首振り時に本体が回らない「内部スイング」を採用。3段階の風量調整とリズム風で快適な風を送り出す。2・4・8時間のタイマー機能も完備。
SPEC/サイズ:W280×H1020×D280mm 重量:3.6kg 消費電力:28W
実勢価格:1万1800円
[総評]
暑さの不快指数は湿度によっても変化するため、東芝『F-LM100X』の温度・湿度を検知して運転制御する機能は、かなり快適さを向上させたと言える。「切/入タイマー」はエアコンと併用する人には重宝する機能だ。
一方、日立『スリムファン HSF-300』は基本の送風機能しか持ち合わせていないが、首振りが内部スイングで行われるため動きもきにならず、スリムに設定可能。また、上から下まで広く送風できるので、足元から頭まで涼しく過ごせる。
【まとめ】
ダイソン『エアマルチプライアー』とバルミューダデザイン『グリーンファン』は、実勢価格が3万円台と高い。従来型のセンサー制御機能の搭載された高機能扇風機でも、1万5000円前後の価格であることから比べると、送風のみの機能としては破格だ。しかし、今までの扇風機の風に不快感を感じている人や、インテリアの一部のように使用したい人にはおすすめ。特に、ダイソン『エアマルチプライアー』は、掃除が面倒な人にはベストだ。バルミューダデザイン『グリーンファン』の消費電力の低さは、常に扇風機を稼働させる人にはうれしい。
また、従来の扇風機も使い勝手や機能で勝負している。エアコンと併用して効率的に部屋の空気調整をしたいならば、東芝『F-LM100X』。スリムに広域を送風したいならば、日立『スリムファン HSF-300』が適している。
今回、発売のタイミングで借りることができなかったが、縦型扇風機の最新モデル、東芝『F-TM50X』は、空気清浄機などにも搭載されている除菌技術「ピコイオン」が放出される。涼むだけでなく、空気の清潔さも気になる人には嬉しい機能だ。

東芝『F-TM50X』
「ピコ」サイズのイオンでウイルス・菌、アレル物質を抑制する「ピコイオン」を搭載。「切タイマー」「入タイマー」を併用して設置もできる。
SPEC/サイズ:W300×H891×D300mm 重量:5.6kg 消費電力:35W
実勢価格:1万4800円
ようやく扇風機も、デザインで選ぶ、消費電力で選ぶ、機能で選ぶ…と優先順位をつけて選ぶ時代に突入したと言える。
文/編集部 撮影/松川忍
シロモノ家電レビュー
最新扇風機4機種を徹底比較
2010年04月30日 17:53







