ミラーレス一眼初の防塵・防滴構造を採用したオリンパス『OLYMPUS OM-D E-M5』

OLYMPUS_OM-D_E-M5

オリンパスからマイクロフォーサーズ機の新ブランド第一弾として『OLYMPUS OM-D E-M5』が登場した。まず目を引くのは、従来の「OLYMPUS PEN」シリーズとは大きく異なる、銀塩一眼レフ風のボディだ。このデザインは1970~90年代に発売された同社のフイルムカメラ「OM」シリーズから継承したもの。オールドカメラファンの中には、懐かしさを感じる人も少なくないだろう。ペンタ部にあたる部分には電子ビューファインダー(EVF)を搭載している。外装は高品位なマグネシウム合金製。本体色はシルバーとブラックの2色が用意される。

ボディのサイズと重量は、「OLYMPUS PEN」シリーズに比べるとやや大きく重くなっているが、それでもEVFを標準搭載したミラーレス機としては小型軽量の部類だ。しかも、キットレンズやアクセサリー類を含め、システム全体が防塵・防滴に対応。雨天などの悪条件でも使える安心感がある。

背面モニタには、3.0型という大画面の有機ELを搭載。上向きに80度、下向きに50度の範囲で可動するチルト式で、ローアングルやハイアングルからの撮影が楽に行なえる。精細感は高く、暗所でも明所でもまずまずの視認性がある。

有機ELモニタの上に搭載される、EVFは144万ドットの液晶。こちらも十分な見やすさがあり、ボディをしっかりと支えて撮影したい場合に重宝する。有機ELモニタと電子ビューファインダーの切り替えは、アイセンサーによる自動またはボタンによる手動で行なえる。

■操作性
ボディ上部に設けられたメインとサブの2つの電子ダイヤルが「OLYMPUS PEN」シリーズとの大きな違い。絞り値やシャッター速度などをダイレクトに調整できる。また、2つのFn(ファンクション)ボタンなどカスタマイズ可能なボタンも充実している。

▼天面の2つのダイヤルは高品位な金属製。適度なクリック感があり、操作性は良好と言える。
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▼両手で持ちやすい左右対称のデザイン。オプションのグリップを装着してホールド性を高めることも可能だ。
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▼コンパクトにまとまった背面のボタン類。防塵・防滴構造のため、クリック感はあまりなく、感触はやわらかめ。
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▼チルト式の3.0型有機ELモニタはタッチパネルに対応。各種設定を直感的に変更できるほか、タッチした画面上の被写体にすばやくピントを合わせられる。
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▼電動ズームと手動ズームの両方に対応した標準ズームレンズが付属する。24~100mm相当という幅広い焦点距離を備え、マクロ撮影も可能。ズーム駆動も静かで動画撮影時にも活躍する。
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■撮影機能
AFは、コントラスト検出方式を採用。電動ズームレンズとの組み合わせで、世界最速の合焦速度を誇る。動いている被写体に合わせてフォーカスポイントが動く追尾AFや、自動的に目にピントを合わせる瞳検出AF、常にフォーカスし続けるフルタイムAFなどに対応。

▼フォーカスエリアは35点に対応。十字ボタンですばやく切り替えられる。
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■画質チェック

風景
細部までくっきりと描写できる解像感の高さと、クリアな色再現を確認できる。画質の調整機能としてはピクチャーモードを搭載。好みに応じて発色傾向を自由に選べる。
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夜景
感度は、最低ISO200から最高ISO25600に対応する。ISO800くらいまでは高感度ノイズはあまり気にならずISO1600や3200でも用途によっては十分に実用的と言える。
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■独自機能
機能面での見どころは、世界初となる5軸対応のセンサーシフト式手ぶれ補正機構を搭載したこと。5軸とは、上下方向の角度ぶれと左右方向の角度ぶれという一般的な2つのぶれ補正に、水平のシフトぶれ、垂直のシフトぶれ、光軸回転のぶれの3つを加えたもの。シフトぶれは撮影倍率が高くなるほど生じやすいため、特にマクロ撮影時には大きなメリットがある。

▼光軸回転ぶれは長時間露光撮影時にレンズを中心として起こるぶれのこと。ボディ内手ぶれ補正を採用しているからこそ、可能になった機能だ。
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手ぶれ補正の効果はシャッター速度に換算して最大で約5段分。試用では、標準ズームの50mm側(100mm相当)を使った場合、シャッター速度1/4秒でも、90%のカットはぶらさずに撮影できた。

新機能としては、トーンカーブを見ながら、ハイライト部とシャドー部を別々に調整できる「ハイライト・シャドーコントロール」や、バルブ撮影時に一定間隔でライブビュー画面を表示する「ライブバルブ/ライブタイム」、デジタル処理で撮影画像を2倍に拡大する「ワンプッシュデジタルテレコン」などを搭載。さらに、スピーディに作動するFAST AFや、最高で秒間9コマの高速連写、11種類のアートフィルターなどに対応する。

▼トーンカーブを見ながら、明部と暗部を調整できる「ハイライト・シャドーコントロール」を搭載。この機能はEVFでも使える。
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■まとめ
撮像素子には新規に開発した有効1605万画素の4/3型Live MOSセンサーを、画像処理エンジンには「TruePic VI」をそれぞれ採用する。実写では、被写体のディテールまでシャープに再現する解像感の高さと、クリアな発色性能を確認できた。感度は、最低ISO200から最高ISO25600に対応。ISO800くらいまでは高感度ノイズはあまり気にならず、ISO1600~3200でも用途によっては実用的と言える。

一方、動画は最大で1920×1080/30pのフルHD記録に対応する。動画撮影時のユニークな新エフェクトとして、動画に残像を加える「ワンショットエコー」と「マルチエコー」を搭載。ミュージックビデオのような凝った映像をワンタッチで楽しめる。

『OLYMPUS OM-D E-M5』は、日常的に持ち運べるコンパクトボディながら、良質な画質と柔軟な操作性、快適なスピードを備え、本格的な撮影もこなせる高機能なカメラである。手頃な価格とは言えないが、撮ることが好きな人なら、価格に見合った満足感を得られるだろう。

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【SPEC】
サイズ:約W121×H89.6×D41.9㎜ 重量:約425g 撮像素子:4/3型Live MOS 有効画素数:1605万画素 液晶モニタ:3.0型可動式有機ELタッチパネル(約61万ドット) 手ぶれ補正機構:センサーシフト式 動画:フルHD(映像:H.264/MPEG-4 AVC、Motion JPEG 音声:WAVEステレオリニアPCM) 最高感度:ISO25600 撮影可能枚数:約360枚 ボディカラー:ブラック、シルバー

(文・撮影/永山昌克、撮影/増原秀樹)