スマートフォンと連携したスチームオーブンレンジ/パナソニック『3つ星 ビストロ

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時勢にあわせて、求められる機能が変わっていくシロモノ家電。スチームオーブンレンジは、2004年頃から過熱水蒸気による減塩・脱油がブームとなり、近年は「時短」が人気だ。この分野で群を抜くのがパナソニック。調理の異なる2品が一度に作れる「合わせ技セット」や、冷凍した食品を解凍せずに焼き上げられる「凍ったままグリル」などもあるが、前モデルで搭載された10分で料理が完成する「こんがり10分」自動メニューは断トツの時短調理と言える。そして、その時短をさらに進化させた『NE-R3500』は、従来モデルよりも調理時間を約20%短縮。トースト1枚を3分台で両面焼き上げする、業界初の機能も達成した。

このように、世の中のニーズに応える調理機能を備える本機だが、最も注目されるのはスマートフォンとの連携だろう。スマホでレシピ検索・閲覧し、そのまま本体にタッチすれば加熱方法・時間などの設定が完了。調理の時間短縮だけでなく、有効的に時間を使えるのがポイントだ。この機能は、同社の炊飯器(『SR-SX102』)にも搭載されており、シロモノ家電のネットワーク対応が加速するのは間違いない。

【スマートフォン連携】

スマホでできること

スマートフォンとクラウドサーバーが連携しており、レシピ検索やオリジナルレシピの登録などが行なえる。また本体にスマホをかざすだけで、レシピ内の調理方法が瞬時に設定され、調理のサポートをしてくれる。
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【その1】レシピ検索・閲覧
付属レシピブックだけでなく、Webサイト「Panasonic Cooking」のレシピがクラウドサーバーに用意されており検索できる。料理名やジャンルから選ぶほかに、食材を選択して該当するレシピの検索も可能。

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【その2】調理設定
レシピの作り方をスマホで見ている流れで、タッチで調理設定できる使用になっている。いちいちレシピブックを広げて、加熱方法・時間を確認&設定する手間が省けるのが便利。

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レシピ内の「タッチで設定」をタップ

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スマホを本体にタッチ

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本体に調理方法が設定された。あとは「スタート」ボタンを押せば加熱が始まる。

【その3】マイレシピ登録
自分で作った料理をオリジナルレシピとしてクラウドサーバーに登録可能。加熱方法・時間といった調理方法が登録でき、登録した「マイレシピ」は呼び出してタッチで本体に調理設定を行なえる。写真も一緒に登録できるので、自分だけのレシピ集ができるようで楽しい。

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例えば、油揚げを生地にしたピザを作った場合……

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「マイレシピ」の新規登録画面で、メニュー名や写真を設定

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加熱方法、加熱時間など工程を設定する

登録したマイレシピは、いつでも呼び出し可能。
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【その4】お買い物メモ
レシピにある「材料」ページで不足している食品を発見したら、その食品を選択し、外出している家族などにメールで送信できる。買い忘れ時に役立つ。

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買い忘れた材料にチェックを付けて、「お買い物メモをメール送信」ボタンをタップ

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メール編集画面に切り替わるので、編集も可能

【機能&構造】

スピーディな調理を実現する「光ヒーターシステム」

「光ヒーター」「ビストロスピードグリル皿」「3Dアンテナ」で構成される光ヒーターシステム。ヒーター出力の向上やグリル皿の改良により、さらなる時短を実現しながらも、美味しい&ヘルシーな焼き上げも両立する。さらに、加熱エリアを絞り、熱を集中させることで少量加熱時の調理時間を約20%縮める「スピードエリア加熱」機構を搭載。これにより、前モデルの10分で焼き上げる「こんがり10分」自動メニューを上回る、8分という時短を実現した。

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<POWER UP!>光ヒーター
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遠赤と近赤の2つのヒーターからなる「光ヒーター」の、遠赤外線ヒーターの出力が870Wから920Wに増え、よりスピーディにパリッと焼き上げる。近赤外線は、余分な脂や塩分を落とす。
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食品の内部から加熱する近赤外線と過熱水蒸気による加熱で、減塩・減脂のヘルシー調理もできる。

<NEW!>ビストロスピードグリル皿

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マクロ波を吸収して発熱することで、食品を裏返すことなく裏面を焼き上げるために欠かせない「ビストログリル皿」。焼き面積が従来よりも約1.2倍UPしたことで、食品への伝達熱による加熱効率が向上した。

<注目!>新機構「スピードエリア加熱」
光ヒーターのON/OFFと3Dアンテナでマイクロ波をコントロールすることで、手前側に熱を集中。これにより、加熱エリアが絞られ、少量調理でグリル皿全体を加熱していた従来製品よりも調理時間が約20%短縮した。

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【調理&試食】

スピーティ調理を検証してみた

「スピードエリア加熱」を利用した「こんがり8分」自動メニューと、業界トップの速さのトーストを確かめてみる。

【こんがり8分自動メニュー】チーズカツレツ
メインの調理の前にバターをレンジで溶かし、パン粉と粉チーズをまぶしている。それを豚肉にのせ、加熱するのだが、どちらの調理設定(レンジと焼き)もスマホでタッチすればOK。
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↓約8分後
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10分以下で完成したとは思えないほど、表面にしっかり付いた焦げ色が食欲をそそる。加熱時間が短いため、水分が失われておらず、表面はカリッとしていながら豚肉はジューシーで柔らかだった。油で揚げていないので、カロリーが抑えられるのも良い。

【自動トースト両面焼き】
既に前モデルから、食パン2枚の5分台両面焼きを実現しているが、業界初となる「トースト1枚を3分台で焼き上げる」の焼き上がり&味わいが気になるところ。1枚と4枚の「自動トースト両面焼き」の実力を調査してみた。

■1枚の場合
グリル皿の下にある点線に食パンの底辺がくるように置くのがポイント。

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↓約3分59秒後

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<表> <裏>

■4枚の場合

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↓約5分25秒後

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<表> <裏>

トースト1枚ではトースターとそれほど変わらない早さで焦げ目も十分。4枚焼きではどうしても端の方の焼きが甘くなったが(写真は下の方に置いた1枚)、5分台の早さは優秀。水分も失われず、しっとり&モチモチの食感が楽しめた。

まとめ

パナソニックのスチームオーブンレンジは、従来から時短と完成度の高い調理を実現している。本機では、さらにそれを進化させた「スピードエリア加熱」の時短調理がすばらしい。グリル皿の半分のエリアを集中的に加熱するため、分量は少ないものだけが対象となるが、帰宅時間の異なる家族、1人~2人暮らしの人には重宝するだろう。

そして、スチームオーブンレンジのネックとされていた、トースト機能。自動メニューでは10分以上時間がかかったり、2枚までしか対応しなかったり、途中で裏返す必要があるものなど、この分野に関しては同社レベルまで達しているメーカーはない。

時短を最優先したい人には絶対おすすめの製品だ。

そして、一番の大きな特長であるスマホ連携機能だが、スチームオーブンレンジ本体でできること(調理設定)をわざわざスマホでやる必要があるのか!? と思われるかもしれない。しかし、実際に体験してみると連携の利便性は非常に高い。レシピブックを見て、本体で加熱方法や時間を設定するよりも、タッチすれば一瞬で設定できるスマホの方が断然手軽。操作もWebを閲覧しているように戸惑うことなくできる、わかりやすい仕様となっている。現状では、レシピ検索・閲覧、調理設定、買い物メモ送信という機能しかないが、クラウドを利用しているため、バージョンアップさせていくことでもっといろいろなことができるようになるだろう。マイレシピを公開して、ほかの人と共有できるようになったり、未知なる可能性がまだまだある。このようにネットワーク化していくと、製品は使えば使うほどに進化していくのではないだろうか。本機を皮切りに、こらから展開されるであろうシロモノ家電の新ライフスタイルに期待したい。

【SPEC】
サイズ:W509×H414×D468mm 重量:22.2kg 庫内容量:30リットル(W394×H225×D309mm) 電子レンジ(自動出力/手動出力):1000W/800~150W(相当)  消費電力(電子レンジ/グリル/オーブン):1430W/1410W/1410W オーブン温度:発酵(30・35・40・45℃) カラー:(写真左より)ルージュブラック、ホワイト 主な付属品:グリル皿×1、角皿×2、ミトン×2、セラミックカバー

実勢価格:14万8000円

文/編集部 撮影/松川忍