画質・音質を最高品質で記録し、大画面で楽しめる『ハンディカム HDR-PJ790V』

 

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「裏面照射型CMOSセンサー」や、強力な手ぶれ補正機構など、多くのトレンド機能を業界に先駆けて搭載してきたソニー「ハンディカム」シリーズ。今年1月に発売されたばかりの『HDR-PJ790V』は、その最新モデルだ。

先代『HDR-PJ760V』で好評だった広角撮影対応(f=26mm相当~)や「空間光学手ブレ補正」機構などの美点をそのままに、内蔵プロジェクターの高画質化・外部入力対応や、マイクユニットの外出しといった、録画・再生体験の高品位化を追求している。
別売オプションで、ビデオカメラの最新トレンド機能である「Wi-Fi」にも対応。スマートフォン/タブレットへの撮影映像転送やリモート操作なども行なえる全方位カメラとなった。

▼ユニットごと動作させるという仕組みを採用したことで、補正時の光学的なズレによる画質劣化を低減。特に望遠時に威力を発揮する「空間光学手ブレ補正」。
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▼シリーズ最上位ならではのプレミアムとしてカールツァイス銘レンズを搭載。解放F1.8という驚異的な明るさや忠実な色再現性などが売り。
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▼画角の広さも自慢の1つ。一般的なビデオカメラよりもかなり広角なf=26mm相当のワイドレンズが◎。広い範囲を一望できる。

【従来】
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【26.0mm】
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■新機能

優れた基本機能に加え、付加機能が充実している点も本機の美点。特に見た目の特徴の1つにもなっている、大型マイク(左記)を駆使した「アドバンスドサウンドシステム」は要注目だ。これまでのビデオカメラとは次元の異なるハイクオリティサウンドが収録できる。ほか、Wi-Fi対応や、HDMI入力対応など、これまでになかった新機能が多数追加。

▼新開発ICを活用して音のダイナミックレンジを2倍以上に拡大した「アドバンスドサウンドシステム」。ほか、風ノイズの低減や、顔認識と連動して人の声をクッキリさせる機能なども用意。
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▼本体底面の「マルチインターフェイスシュー」に別売『ADP-WL1M』(実勢価格:7180円)を装着することでWi-Fi機能を追加できる。
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▼Wi-Fiを利用して、スマホ/タブレットからカメラをリモート操作可能に。録画開始/停止やズームなどのほか、録画内容のモニタリングもできる。録画映像のワイヤレス取込みにも対応している。
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▼本体側面のインパネにはHDMI端子が2系統配置。片方(写真下)は従来通りのHDMI出力だが、新たにHDMI入力(写真上)も追加された。プロジェクターでの出力時に利用できる。
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■進化ポイント

他社製ビデオカメラにはない、「ハンディカム」だけの独自機能である内蔵プロジェクター。本機ではこの機能が大幅ブラッシュアップされており、より実用性を高めている。ほか、内蔵マイクについても同様に高品質化。単独で臨場感あるサラウンド音声が録れる。

▼解像度が640×360ドット(先代機)から854×480ドットにアップしたほか(今世代モデルでも本機だけ)、明るさも約75%向上。最大100型の大サイズで壁面投影できる。HDMI入力端子を使えば、外部映像機器の映像も投影可能だ。
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▼本体天面に内蔵されていたマイクが、外出し形状に変更。ズーム時の駆動音や操作時の接触音、メカノイズなどを大幅低減した。もちろん音声は5.1ch収録。その場の音をリアルに再現してくれる。
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■画質check!

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やや薄暗い曇りの日に撮影したにもかかわらず、隅々まで極めて解像感の髙い、クリアな画質で撮れた。色味を過度に強調せず、自然な発色を心がけている点も評価したい。

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ビデオカメラが最も苦手とする暗所撮影もハイグレード。突出して輝度の高いイルミネーションに引きずられることなく、夜景の美しさを見事に再現している。ノイズの少なさも◎。

■使い倒しインプレッション

かねてよりビデオカメラの大本命として支持されている「ハンディカム」シリーズだが、『HDR-PJ790V』は、その地位にあぐらをかくことなく大幅進化している。

その中でも何より評価したいのが画質の向上だ。センサー性能は従来モデルと変わらないのだが、検索エンジン「BIONZ」の機能向上などによって、よりシャープにクリアな画質で撮影できるようになった。大画面テレビに耐える解像感ある画が撮れる。

それに加えて、f=26㎜相当からの光学10倍ズームレンズも使いやすいレンジで◎。現行ビデオカメラでは最もワイドに撮れる広角レンズは、屋内撮影などで活躍してくれることだろう。「空間光学手ブレ補正」によって安定した撮影が楽しめる点はもちろんだが、ズーム速度が断トツで速い点も特筆すべきポイントだ。他社製品はもちろん、同じ「ハンディカム」シリーズの中でも飛び抜けて速い。動きの速い被写体を撮影する際にも、ぶれが少なく追い続けることができる。

ほか、購入前に気が付きにくいポイントとして、音質の向上にも触れておきたい。飛び出した独立型マイクによって、明確に立体感のある音が撮れるようになった。レンズノイズなど内部ノイズも受けずクリアで高密度な音質で録音できる。

自慢のプロジェクター機能が3代目にして大幅進化した点も要注目。従来モデルでやや物足りなかった解像度が大幅UPしたことに加え、劇的に明るくなったことがうれしい。完全に暗くできない場所でもしっかりと映像を楽しめるようになった。旅行先のホテルでその日に撮影した映像を確認したり、結婚式の二次会会場で披露宴の映像を再生するなどの使い方が考えられそうだ。外部入力対応なので、小型プロジェクターとしても使える。

今回から新対応したWi-Fi機能に関しては、スマホ/タブレット転送可能なデータ形式がMP4形式に限られるという制限はあるが、撮影したその場で動画をネットにアップしたり、シームレスな動画共有のニーズに応えられるようになったことは大いに歓迎したい。

唯一の弱点は本体サイズがかなり大きく・重いことくらい。しかし、その高機能・多機能ぶり、これを補って余りある。スマホやデジカメの動画撮影機能とは別次元の高品位動画撮影を楽しめる逸品だ。

■結論
操作感、機能まで満足度の高い「全方位」対応のビデオカメラ。プロジェクターに加えWi-Fiに対応することでホームユースでの実用性が増したが、先代機から画質・音質をさらに向上させたことで、本格的に映像作品を制作するようなハイアマチュア層にもおすすめできるオンリーワンの総合力を獲得した。

SPEC
サイズ:W107.5×H87.5×D166mm(レンズフード含む) 重量:675g 撮像素子:1/2.88型“Exmor R” CMOS(614万画素) 液晶モニタ:3.0型(92.1万ドット) 光学ズーム:10倍 焦点距離(35mm換算値):26.0~260mm(16:9時) F値:1.8~3.4 記録媒体:内蔵メモリ96GB/SDXC/SDHC/SDメモリーカード、メモリースティックXC-HGデュオ/PRO-HG Duo/PRO Duo プロジェクター解像度(出力):854×480ドット ボディカラー:ブラック

文/山下達也(ジアスワークス) 撮影/松浦文生