ゲームレビュー/ METAL GEAR RISING REVENGEANCE(第1回)

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●ハード:PlayStation 3
●発売日:発売中(2月21日発売)
●価格:6980円/6480円(パッケージ版/DL版)
●ジャンル:アクション
●プレイ人数:1人
●メーカー:KONAMI

■概要
ついに好きなだけ遊べる
みんな、この時を待っていた!

「メタルギア」シリーズで全世界から熱い支持を受けるKONAMIの小島プロダクション。『ベヨネッタ』『マックスアナーキー』など、質の高いアクションゲームで国内外で高い評価を受けるプラチナゲームズ。それら2つのクリエイター集団の力が集結したアクションゲーム『メタルギア ライジング リベンジェンス』がついに本日発売された。

華麗な連続攻撃で敵を倒すアクションゲームに、敵を自由な角度・位置で斬ることができる「自由切断」の要素が加わったことで、どのようなプレイ感が生まれるのだろうか? 昨年のE3(米国で開催される世界最大規模のゲーム関連の見本市)でプレイアブルバージョンが発表されて以来、世界のゲームファンの期待が急激に高まった本作。筆者自身も自分の家のテレビでプレイできる日を心待ちにしていたタイトルである。

今までの「メタルギア」シリーズとは全く違った手触りとなった本作を、今週から3回に渡ってレビューしていこう。
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■ファーストインプレッション
華麗な連続攻撃による興奮と
自由切断のカタルシス

本作を実際にプレイしてまず感じたことは、「似ているゲームが無い、オリジナルなゲーム」ということ。

もちろん、敵に連続攻撃を決めて倒すアクションゲームとしての根本部分や、移動ルートを工夫して敵から隠れながら戦うステルス戦、サイボーグの能力で肉眼では見えない情報を得るオーグメントモードなど、個々の要素を見ればどこかで触れたであろう要素が見付かるのだが、その組み合わせ方が「サイボーグ忍者アクション」とでも呼ぶべきコンセプトでしっかり束ねられていて、『リベンジェンス』ならではの味、プレイ体験を生み出しているのだ。

誰もが馴染みのある素材や面白さで、新鮮な驚きに満ちたものをつくる──。筆者は、現代のクリエイティブの真髄はそこにあるのではないかと考えている。そういった意味で、本作は最高にクリエイティブなゲームだ。

基本となるアクション部分は、すばやくスキの小さい弱攻撃と、威力の高い強攻撃を使い分けて華麗な連続攻撃をキメるという、アクションゲーム好きにはお馴染みのスタイル。敵を牽制したいときは弱攻撃、大ダメージを狙いたい時は強攻撃と、状況やフィーリングに合わせてボタンを押し分けるだけで多彩な技が出るので、アクションゲームの腕は並み程度の筆者でもすぐに壮快感を味わえる(同時に、より華麗な連続攻撃を狙いたいという野心も芽生えるのだが)。

また、ゲームの難易度を下げれば、敵の攻撃を弾く行動「シノギ」をある程度オートで出せるモードも選択できるので、「複雑なボタン操作は苦手」という方でも気軽に楽しめるだろう。

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▲ボタンを連打した場合と、途中で間を開けて押した場合は出る技が変化する。技の出し方は正確に把握していなくても大丈夫だが、緻密に組み立てた連続攻撃で反撃を許さずに戦うのも楽しい。

そして戦闘中、敵が体勢を崩したり、行動不能になった時は自由切断を行なうチャンスだ(自由切断を発動させるかどうかはプレイヤーに委ねられている)。自由切断は左スティックで敵の好きな場所を狙い、右スティックで自由な方向から斬りつけることができる仕組みだが、慣れてくれば敵を薄く薄くスライスして、さらに横から切りつけてみじん切りにすることも可能。とても自由かつ、壮快に楽しめるものになっている。

またどこを切断するかによっても敵のリアクションが変化。断面には内部構造もしっかり描かれている。さらに弱点を斬ると回復用のユニットを入手できるなど、ただただ刻むだけでなく、狙って正確に斬る面白さも備えている。

自由切断があまりに気持ち良いため、筆者はゲーム中のほとんどの戦いで自由切断を狙いにいってしまったほど。かなり病み付きになります!

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▲燃料電池ゲージが充分残っている場合は、自由切断を行なうと時間の経過がゆっくりになり、好きな場所を狙ってスパスパ斬りまくることができる。バレットタイムならぬブレードタイムか。

■世界設定・物語
キャラクター、映像、無線会話
その全てが『メタルギア』クオリティ

さて、上で書いたようなアクションパートの気持ち良さだけが本作の魅力ではない。もう1つの大きな柱として、「メタルギア」シリーズらしい味もしっかりと備えている。例えばアクションパートでは、ステルス状態から一撃必殺を狙ったり、アイテムを活用した「安全な」戦い方も可能。やっかいな敵をまともに相手にせず、戦わずして勝つことも可能というわけだ。

また世界設定やストーリーも小島プロダクションが手掛けているだけあり、まさに『メタルギア』的。まず敵の幹部たち(中ボス)の個性がいい。グレーシー柔術ならぬブラジリアン剣術なる怪しげな流派の使い手サムエル・ホドリゲスを筆頭に、二刀流の使い手サンダウナー、磁力で体を分離・合体できるモンスーン、多数の腕で武器を生み出すミストラルなど、一癖も二癖もある戦闘サイボーグたちが主人公・雷電を待ち受ける。

リボルバー・オセロットやヴァンプなど、シリーズに登場した個性的な中ボスたちとの戦闘や会話に熱くなった覚えがある方は、今回もボス戦に期待して損はない!

また、ボス戦のBGMがボーカル付きのメタル調の曲なのも個人的にはアツくなれるポイントの1つ。アーケードゲームのBGMを大音量で浴びながらプレイしていた頃を思い出してしまうというか……まあ否が応にも盛り上がってしまうのだ。こうした部分は開発を手掛けたプラチナゲームズならではの良さかもしれない。

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▲サムエル・ホドリゲスは、まだサイボーグ技術が一般化する以前に、アサルトライフルを持ったマフィア集団を刀だけで始末したと噂されるほどの凄腕。その太刀筋は柳生新陰流を思わせる。

また、雷電は自分の力だけで戦っているわけではない。彼の戦いは、それをバックアップするスタッフたちに支えられている。彼らとの無線会話は基本的には好きなタイミングで行うことができ、プレイヤーの好みに応じて情報を聞き出すことができる。

この無線での会話はシリーズのファンにとっては大きなお楽しみの1つだが、本作でもその面白さは健在。任務や最新軍事技術に関するもの、ちょっとメタな視点の入ったもの、村正をムラサマと発音するなど勘違いした日本ネタ、女性の好みや人生観に関するネタまで、多岐に渡った内容を楽しめる。
こちらもファンの期待を裏切らないクオリティであろう。

■まとめ
どちらのファンも
この傑作を見逃すのは損!

「メタルギア」ファンは「プラチナゲームズのアクションって難しくない?」と憂慮し、プラチナゲームズファンからは「ストーリーでゲーム体験が遮られないか?」との声があがったという『メタルギア ライジング リベンジェンス』。だが実際にプレイした筆者にしてみれば、どちらのファンの心配も杞憂だったと言わざるをえない。
アクションの気持良さでゲームに浸り、ストーリーで戦いの意味を感じ、より深く楽しむ。そんなゲームと物語の理想に近い関係を、このゲームは成り立たせることに成功しているからだ。

次回以降は、ゲームをしっかりやりこんだ上で見えてきた楽しさや、物語の見どころやテーマなどについてより深くお伝えしていく予定。お楽しみに!

『METAL GEAR RISING REVENGEANCE』公式サイト
http://www.konami.jp/mgr/jp/
©Konami Digital Entertainment Developed by PlatinumGames Inc.
文/高橋祐介