ゲームレビュー/ピクミン3(前編)

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●ハード:Wii U
●発売日:発売中(7月13日発売)
●価格:5985円(パッケージ版/DL版)
●ジャンル:AIアクション
●プレイ人数:1~2人
●メーカー:任天堂

■概要
ピクミンに手伝ってもらい
惑星探検スタート!

宇宙の果てにある「コッパイ星」。人口爆発と住民たちの無計画な気質によって食料危機に瀕したこの星では、無人探査機を使った新たな食料産地の捜索が行なわれていた。そして発見された有力な候補地・惑星「PNF-404」に3名の専門家を送り込むものの、宇宙船は不時着。隊員も散り散りになってしまった。
遭難したメンバーであるアルフ、ブリトニー、チャーリーの3人は、この惑星で不思議な生き物・ピクミンと出会うことになる。はたして3人はこの未知の星で生き延びられるのか? そして母星に朗報を持ち帰ることができるのだろうか?
全ては、プレイヤーのピクミンさばきで決まるのです……。

デジモノステーション本誌や当レビューをご覧になっている30代以上のゲーム好きの方であれば、ご存知であろう「ピクミン」シリーズ。しかし、知ってはいても実際にプレイしたことがない人もいるかも? そんなわけで、今回のレビューでは過去作との比較ではなく、新ハード『Wii U』で遊べる『ピクミン3』そのものの面白さをお伝えして行く。

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■ファーストインプレッション
単体ではか弱いピクミンも
群れなら頼りになる!

本作がどんなゲームかを一言で説明すれば、「ピクミンたちを適切な場所で仕事(行動)させ、行動範囲を少しずつ広げていくゲーム」ということになる。川を渡るために橋をかけたり、道を塞ぐ壁を破壊したり、食料を確保したり……。ぞろぞろと後をついてくるピクミンを目標に向かって投げれば、適切な仕事をしてくれるので、その様子をのんびりと見ているだけでも楽しい。
行列からはぐれて迷子になっているピクミンや、草陰でサボっているピクミンもいたりするのはご愛嬌。
ピクミンたちは笛の音をきかせれば集合するので、怠けているピクミンを見付け次第、群れに加えていくといい。
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もちろん本作は、のどかな世界観だけのゲームではない。惑星「PNF-404」にはピクミンをエサとする原生生物もウヨウヨしている。これらを放置しておくと、ピクミンたちはどんどん食べられてしまう。原生生物を発見したら、プレイヤーはピクミンの群れを指揮して立ち向かわなくてはならないのだ。
戦い方も仕事を進める時と同様に、目標に向かってピクミンを投げればOK。ただし、適当に投げるだけでなく、相手の弱点を見極めることが大切。目や、柔らかい腹部などを狙って投げるとより効率良くダメージを与えることができる。空を飛んでいる生物もピクミンをまとわりつかせると地面に落っこちるので、そこを狙ってさらにピクミンを投げると倒しやすい。

たとえ戦いでピクミンたちの数が減ってしまっても、倒した生物の死骸や、ペレット草の実などを巣まで運ばせて、また群れの規模を大きくすれば大丈夫。ただ、その間は他の仕事にかかれるピクミンが減ってしまうので、犠牲は少ないほどいいわけだ。
余談だが、ピクミンたちの戦う様子は、大きな虫にアリの群れが襲いかかっているような感じで、命のはかなさ、生きることの大変さを感じさせる。まさにピクミンのCMソング通りの世界だなあ、などと思ってしまった次第。

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▲赤ピクミンは火に強く戦闘が得意、黄ピクミンは電気に強く高くジャンプできる、岩ピクミンは硬いガラスや甲羅を割れるなど、種類ごとに得意なことが違う。状況や敵に合わせて使い分けるのも大切だ。

そして、ピクミンの数は多ければ多いほど仕事ははかどるが、群れが大きくなるほどにその統率は大変になる。ちょっとしたことで行列から脱落する者が出たり、仕事からあぶれてしまう者が出るので、彼らを無事に、効率的に働かせるためには、全体の様子をしっかり見て、状況を把握しなければならない。

そんな時に頼りになったのが『Wii U GamePad』のタッチスクリーン。ピクミンの仕事状況を確認したり、フリー状態になっているピクミンの位置を地図で把握したりと、まさに「スマートなデバイス」として役立ってくれる。またその間、テレビには詳細な地形が表示されているので、タッチスクリーンの地図だけではわかりにくい場所と見比べて、経路を確認したりもできる。

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▲主人公アルフたちが使用する情報機器『GPAD』と、『Wii U GamePad』が同じ働きをするという設定。自分も『GPAD』を持って惑星探査をしているような雰囲気を楽しめる。ピクミンの管理以外にも、データ類やゲームのヒントを見るのにも便利だ。

ただし、プレイヤーがあまりにも細かいことにこだわりすぎるのも、全体の仕事の効率が落ちる原因になることに注意したい。少しぐらい脱落者が出てもいちいち集合させず、残っているピクミンで一気にカタをつけてしまうほうが良い結果が出る場合も。チームを率いて仕事をしている方や、管理職の方にとっては、あまり他人事とは思えないゲーム性かもしれない(笑)。

■リラックス効果もなかなか
ノスタルジックな気持ちで
くつろぎつつ遊べる

また本作をプレイしていて特に印象的なのは、自然風景の描写のすばらしさ。一口で言えば、昨今のトレンドであるフォトリアルっぽい絵作りなのだが、『ピクミン』には『ピクミン』ならではの味がある。画面を見ていると、子供の頃、地面にいる虫を捕まえて遊んでいた時に見ていた、家の庭や公園の風景を思い出してしまう。

水の表現も、表面張力を感じさせる少しねっとりしたもので、自分が小さな生き物たちの世界で冒険している雰囲気が良く出ている。アメンボのいる水たまりをしゃがんで見ている感じ、とでも言おうか。
フォトリアルと一口でいっても、いろいろなアプローチの仕方、そしてプレイヤーの心の動かし方があるのだなと深く感心させられました。

そして1日の探索が終わった後は、その日に入手したフルーツを確認できるのだが……これがまた美味しそうなのである。ゲームでこれほど美味しそうなフルーツの絵を見たのはこれが初めてだ(笑)。

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▲あくまで個人的な感想だが、登場人物たちの人形劇っぽい質感も気に入っている。床の下に人形を操作している人が隠れているような気がしてならない(気のせい)。

ちなみのこの『ピクミン3』はさまざまな操作方法にも対応している。『Wiiリモコンプラス』と『ヌンチャク』で操作しつつ、『Wii U GamePad』を「GPAD」に見立てて活用することもできるし、テレビを利用せずに『Wii U GamePad』だけで遊ぶこともできる。また、『Wii U PROコントローラー』で操作することも可能だ。

時間をかけてじっくり遊べる時は、テレビの前で『Wii リモコン』と『Wii U GamePad』を併用して。ちょっとだけ遊びたい時は携帯ゲーム機感覚で操作できる『Wii U GamePad』オンリーで。ゲームキューブ版のようにコントローラーで操作したい方は『Wii U PROコントローラー』で。休日はテレビの前でくつろいで遊び、時間があまりない時は布団の中で『Wii U GamePad』で続きを進めるという具合に、普段とはちょっと違う遊び方ができるのも本作の魅力の1つだろう。

■まとめ
優しさと手強さ
2つの魅力を持つ作品

というわけで、ピクミンたちとノスタルジックでのんびりとした時間を過ごせるのが本作の「入り口」部分の魅力。だが、いかにピクミンを減らさず、効率よく探索を進めようと考えると、本作は手強いゲームに変わってくる。また、ゲームデザインやステージのデザインも、プレイヤーをそのように仕向けてくるようなところがあるのだ。

それにピクミンたちがやられてしまうと、また増やせば良いとは言え、やっぱり切ないのです。できればなるべく犠牲を出したくないというのは正直な気持ちだ(笑)。
レビュー後編では、本作の手強いゲームとしての一面をよりじっくりと見つめてみよう!

『ピクミン3』公式サイト
http://www.nintendo.co.jp/wiiu/ac3j/
©2013 Nintendo
文/高橋祐介