ゲームレビュー/グランド・セフト・オートⅤ(第1回)

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【概要】
我々の世界とよく似た世界で
何者にも囚われずに生活する

今年後半の大作ラッシュはいろいろな意味でゲーマー泣かせだが、そのラッシュの中でもひときわ大きなタイトルは間違いなく『グランド・セフト・オートⅤ』(『GTAV』)だろう。毎年のように楽しめるシリーズもいいものだが、数年に一度しか出ないタイトルにはやはり別格の「お祭り感」がある。

もはや不要とは思うが念のため説明しておくと、「GTA」シリーズとは、オープンワールド形式のアクションアドベンチャーの元祖的な存在。プレイヤーは車の運転や銃撃戦など、さまざまなミッションをこなしたり、舞台のあちこちにある遊びの要素をプレイすることで、クライムムービーのような物語やアクションを楽しんだり、向こうの世界に自分の分身が存在しているような感覚を味わうことができる。

最新作の『Ⅴ』では同時に操作できる主人公は3人に増え、フィールドはより広大に、かつ高空や水中にまで拡大。さらにマルチプレイ要素は一個の独立したゲームに匹敵するものとなった。
ちょっとやそっとでは遊び尽くせなさそうな本作だが、レビューの回数もいつもより多い全4回。これから約1カ月に渡ってお付き合いいただく間に、実際に触ってみようかと思っていただければ幸いだ。

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■ファーストインプレッション
チームを指揮し、操る感覚が
物語にも緻密なゲーム性にも加わった

本作には3人の主人公が登場し、場面場面で切り替えて操作しながらゲームを進めていくことになる。
かつては銀行強盗として暴れまわっていたが、現在はFIBの証人保護プログラムによって足を洗ったマイケル。
自動車がらみのクレジット詐欺でマイケルと関わることになった若者・フランクリン。
そして元空軍パイロットで、キレたら何をしでかすかわからない“「GTA」界のジャイアン”(今勝手に命名)ことトレバー。

かつて名を轟かせた男。これからチャンスを掴もうとする男。そして”現役”の危険過ぎる男。どんな方でもゲームを進めていくうちに、共感しつつお話を楽しめるキャラクターが1人ぐらいは見付かるはず。そして、自分とはかけ離れたキャラクターとして暴れまくる爽快感、後戻りできない状況へ突き進んでいく疾走感もまた、たまらないものがある。
筆者もそういった感覚を味わいつつ、本作のメインミッションを楽しんでいる最中だ。

3人の主人公はいずれも危険な人物だが(フランクリンは比較的穏やか)、トレバーの凶暴性は特筆すべきもの。どれくらい凶暴かといえば、前作『GTAIV』のダウンロードコンテンツ『ザ・ロスト・アンド・ダムド』の主人公・ジョニーがとんでもない目に合わされてしまうほど。シリーズのファンならニヤリ……もとい、シリーズファンなら思わずゾクッとくる場面が用意されているのでお楽しみに。

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▲裕福な暮らしを送り、妻との間に一男一女を授かったマイケル。だがその家庭生活は恵まれたものではなく、家族が持ち込む厄介事に次々と巻き込まれていく。だが一番の厄介事の原因は、やはり自分自身だ。

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▲フランクリンもまた、愛情の薄い叔母や、いい加減なアルメニア人の雇い主、アホな友人など、周囲に悩みの種は尽きない。そんな境遇を変えるためにマイケルに接近していくが、それはある意味では幸運であり、ある意味不運でもある。

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▲さえない風体からは想像もつかないが、顔と目を見ればこの男のヤバさがわかる。「お前のものは俺のもの、俺のものは俺のもの」的イズムを、この危険な世界で体現するキレた狂犬。

そして最新作の目玉要素とも言える「強盗ミッション」は、ストーリーを進めている中に幾度となく登場する。
襲撃現場の下見、犯行プランや仕事を手伝わせるクルー(仲間)の選択、現場で使う武器や機材の調達……などなど、メインの仕事の準備も、別々のミッションとしてプレイヤーが進めていく。
さらに犯行当日は、それぞれのキャラクターの持場で分担して仕事を遂行し、ミッションを成功させる。
複数の主人公を切り換えて行動できることが、この強盗ミッションで大いにいきてくるわけだ。

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▲強盗ミッションでは、3人の主人公以外にもクルーを雇って使うことになる。報酬をケチって腕の良くないクルーを雇うと、仕事中に色々なアクシデントが起こり、腕のいいクルーを雇ったときとは大きく展開が変わることも。だが、腕の良くない者も使い続けるうちに成長していくので、我慢して付き合うのもまた1つの楽しみ方だ。

これまでのシリーズにも店舗を襲うミッションは存在したが、プレイヤーはその一番目立つ部分をプレイすることがほとんどだった。周到に準備を進め、現場で仲間と協力しつつ、スケールの大きな仕事を成功させる。映画「オーシャンズ」シリーズや『ミニミニ大作戦』、『スナッチ』など、クライムムービーの王道的なプレイ感が、『Ⅴ』で新たに加わっているのである。

■ さっそく寄り道プレイもしてみた
チームから離れて
1人でブラブラしてもよし

3人の置かれた状況、そして周囲の人物の思惑などが絡み合い、ぐいぐい興味を引っ張ってくれるメインミッション。しかし、他のゲームならいざしらず、「GTA」の物語ばかり先に進めてしまうのはもったいない。舞台となるロスサントスに点在する店や施設では、さまざまな趣味やスポーツ、娯楽を楽しむことができるので、興味を引かれたアイコンがあればどんどん立ち寄ってみよう。

ちなみに、フランクリンの自宅と、仕事先であるカーディーラーの間には、ポールダンスを見られるお店(ストリップクラブ)がある。まさに寄り道してくれと言わんばかりの配置だ(!)

また、単にカーラジオを聴きながら街を走っているだけでも楽しいのが「GTA」。時間の経過によって太陽の光の具合が変わり、見慣れた街角が少し違った趣きを見せたり、突然の雷雨で視界や路面状態が悪くなったり、他の車が起こした事故に巻き込まれたり、それを華麗に回避したりと、およそ飽きるということがない。
そもそも車や乗り物の運転感覚がリアル寄りであり、初めのうちは事故りまくるものの、慣れてくるとアクセルベタ踏みで自在に運転できるようになり、もうそれだけでも気持ち良かったりする。

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▲ジェットスキーやモーターボートなども”ちょっと拝借”してしまえば乗り放題。ゲーム内とはいえ、そういう行為が嫌いであれば自転車をレンタルしてのんびり走っても十分に楽しめる。この選択肢の広さもこの作品の良いところ。またアミューズメントパークでは、観覧車やジェットコースターにまで乗れてしまう。

■まとめ
そして『GTAV』の世界は
リアルワールドだけではない

……などなど、ほんの2、3日プレイしただけでもお伝えしたくなる事がてんこ盛りの『GTAV』。今週は主にゲームの中の”現実世界”で起きることをお伝えしてきたが、『GTAV』の世界にもインターネットがあり、街行く人々はスマホをいじっていたりする。このあたりは前作にも存在したが、今作でさらに強化されたポイントだ。

次回はオンライン株式投資や、「ブリッター」なるSNSサービスなど、作中のキャラが利用できるネットワーク周りの要素にフォーカスしてみよう。
加えて、プレイヤー自身が利用できるネット周りの要素もチェック!

■SPEC
●ハード:PlayStation 3/Xbox 360
●発売日:発売中(10月10日発売)
●価格:各7770円
●ジャンル:オープンワールド
●プレイ人数:1人(オンライン時:2~16人)
●メーカー:ロックスター・ゲームス

『グランド・セフト・オートⅤ』公式サイト
http://www.rockstargames.com/V/ja_jp
© 2013 Rockstar Games, Inc.
文/高橋祐介