スマホと合体して使用する革新的発想のレンズカメラ『サイバーショットDSC-QX100』

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本体に液晶モニタを搭載せず、Android端末やiOS端末に無線接続し、スマホの液晶をモニタとして使用する全く新しいタイプのカメラがソニーの『サイバーショットDSC-QX100』。外装は高品位なアルミ製で、側面に記録メディアのスロットを、背面にバッテリー室を装備する。スマホへの装着には標準で同梱されるアタッチメントを使用する仕組みだ。
アクセサリシューはなく、ストロボ撮影には非対応となる。なお、この『QX100』のほかに、下位モデル『QX10』も同時発売。両機の主な違いは、搭載センサーのサイズと画素数、ズーム倍率、レンズの開放値など。また『QX10』では絞り優先AEモードが省かれている。

■基本性能をチェック

1.0型の裏面照射型CMOSセンサー
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▲一般的なコンパクトデジカメやスマホカメラが採用するセンサーに比べ、数倍の面積を持つ1.0型センサーを搭載。暗所でも低ノイズで撮影可能。

F1.8~の明るいレンズを採用
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▲焦点距離が28-100mm相当F1.8-4.9の明るい3.6倍ズームを搭載。薄暗いシーンでもISO感度をあまり高めず、高画質を保ったまま撮影できる。

スマホでの操作は専用アプリで行なう
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▲スマホでの操作は専用アプリ『PlayMemories Mobile』で行なう。同アプリシリーズの「Online」「Home」などとの連携も可能でSNSへのアップもできる。

■QX100の独自性

撮影するためには、スマホとWi-Fi接続した上で、標準付属するアタッチメントを使って本体とスマホ合体させるのが基本となる。そして、主要な操作と各種の設定はスマホのアプリで行なう。その操作感は、コンパクトデジカメというよりは、一般的なスマホのカメラを使っている感覚に近い。電源はリチウムイオン充電池。1回の充電で約220枚の撮影ができ、写真は本体に挿したメディアに記録されるほか、スマホにも転送される。

QX100の撮影スタイル3STEPS

STEP1
スマホとWi-FIで接続! NFCならワンタッチでOK
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▲まずWi-Fiで本体とスマホを接続する。NFC機能を備えたスマホの場合は、タッチするだけですばやく自動接続できる。

STEP2
スマホにカメラを装着
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▲同梱アタッチメントを使って本体とスマホを合体。『Xperia Z1』なら専用ケースでよりスマートに合体可能。

STEP3
構えて撮る!
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▲専用アプリを使って撮影を行なう。シャッターやズームは、側面のボタンとレバーか、画面タッチで操作。

ほとんどの操作はスマホから行なう

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▲スマホの液晶画面上にはライブビューが表示され、タッチしたポイントにすばやくピントを合わせられる。またMFでの操作にも対応。
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▲撮影後のプレビュー時や再生時には、ピンチアウト/インで画像の拡大/縮小表示が行なえる。細部のピントチェックも簡単だ。

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▲シーンの自動認識が作動する「プレミアムおまかせオート」や、好きな絞り値を選べる絞り優先AEなど、4モードの選択ができる。

本体だけでも撮影が可能

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▲レンズ側面にズームレバーとシャッターボタンを装備しており、スマホと切り離した状態で撮ることも可能。ローアングルやハイアングルの撮影が自由自在に楽しめる。マイクロスコープの感覚でミニチュアを撮るのも面白そうだ。

■画質チェック
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有効約2020万画素のCMOSセンサーによって、遠景の細かい部分までをくっきりと再現。A4サイズでのプリントにも適した解像感の高さを確認できる。階調の再現性も悪くなく、曇り空の部分が白トビせずに、雲のディテールをきちんと維持できていることがわかる。

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最短の撮影距離は、ズームのワイド端で約5cm、ズームのテレ端で約55cmとなる。ワイド端はまずまず十分と言えるが、テレ端でのこの最短距離は少々物足りなさを感じる場面もあった。レンズはカールツァイス「バリオ・ゾナーT*」レンズで、レンズ構成は6群7枚となる。

■使い倒しインプレッション

「とにかく楽しい!」というのが『QX100』を試用した際の第一印象だ。左手にスマホを、右手に『QX100』を持って腕を伸ばしながら撮影すると、これまでは気付かなかったような新鮮なアングルや構図の発見が味わえる。花などの植物や小物をローアングルから接写したり、子どもの自然な表情を近距離からスナップする際には特に便利だと感じた。また、画面の傾きなど厳密な構図にこだわらないなら、スマホとは接続せずに『QX100』本体のみでノーファインダー撮影するのも面白い。
カメラとしての操作性は、この独自スタイルが生み出す短所と長所がはっきりしていると感じた。まず短所は、スマホと接続して使う場合、液晶表示にタイムラグがあり、動きが速いものをとらえるのが苦手なこと。スマホとの接続自体はすんなり行なえるが、アプリを起動する手間がかかることや、使用環境によってはWi-Fiが途切れる場合があることも気になった。
いっぽう長所は、1.0型という大きなセンサーと明るい光学3.6倍ズーム、光学式の手ぶれ補正機構を搭載しながらも小型軽量にまとまっていること。気軽に持ち歩きながら、一般的なスマホのカメラに比べワンランク以上も高品質な写真が得られる。特に、被写体細部の解像感を重視する人や、暗所での撮影機会が多い人にはありがたいはず。そして、撮った写真をすばやくアップロードできる点もメリットだ。写真入りのブログやSNSにひんぱんに更新したい人なら重宝するだろう。特にカメラで写真を撮った後、SNS用に同じ写真をスマホでも抑えていたような人にはありがたさが実感できるだろう。
操作用アプリ「PlayMemories Mobile」については、オート主体のシンプルな内容だ。液晶画面のタッチ操作によって、AFエリアの指定や露出補正、絞り調整、ホワイトバンス設定、動画/静止画の切り替えなどができる。欲を言えばRAW記録できないのが個人的には残念。ただ、アプリは今後さらに進化する可能性を秘めている。ソニーがアプリのAPIを公開しているため純正以外のアプリが登場すれば、今以上に魅力が高まるはずだ。

■結論
液晶表示のタイムラグと時々生じるフリーズには悩まされたが、撮影自体は大いに楽しめた。コンパクトカメラというよりは、スマホのカメラを使っている感覚に近いので、ふだんからスマホ撮影に慣れていて、より高画質を求める人には特におすすめ。また、ブログやSNSに高品質な写真を載せたい人にもメリットがあるだろう。

■SPEC
サイズ:W62.5×H62.5×D55.5㎜ 重量:179g 撮像素子:1.0型”Exmor R”CMOS 有効画素数:2020万画素 光学ズーム:3.6倍 焦点距離(35㎜フイルム換算値):28~100㎜相当 レンズF値:F1.8~4.9 手ぶれ補正機構:光学式 動画:1440×1080/30fps(MP4) 最高感度:ISO25600 記録媒体:MS micro、MS micro(Mark2)、microSDXC、microSDHC、microSDメモリーカード

文・作例/永山昌克 撮影/増原秀樹