ゲームレビュー/グランド・セフト・オートⅤ(第2回)

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信号待ちで、ついスマートフォンをいじってしまう
細部まで作り込まれたゲーム内ネットワークシステム

オープンワールド形式のアクションアドベンチャーの元祖的な存在「グランド・セフト・オート」シリーズ。プレイヤーは車の運転や銃撃戦など、さまざまなミッションをこなしたり、舞台のあちこちにある遊びの要素をプレイすることで、クライムムービーのような物語やアクションを楽しんだり、向こうの世界に自分の分身が存在しているような感覚を味わえる。

その最新作の『GTAV』では同時に操作できる主人公は3人に増え、フィールドはより広大に、かつ高空や水中にまで拡大。さらに「ゲーム内の世界に存在するコンピュータ・ネットワーク」も、他に類がないほど充実したものになっている。

また、「プレイヤー自身」が利用できるネットワークサービスも楽しいものが揃っている。今週は、本作のネットワーク周りの要素のうち、特に目についたものをまとめてみよう。

なお、プレイヤー同士が共闘したり、対戦できるマルチプレイ要素の詳細は現時点(10月22日)ではまだオープンになっていないのだが、そちらについては回を改めてお伝えする予定だ。
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■ゲーム内ネットワーク
主人公たちが活用できる
ネットワークサービス

前回も少しお伝えした通り、現実世界だけでなくネットワークの世界も作り込まれていることも『GTAV』の売りの1つ。マイケル、フランクリン、トレバーの3人の主人公たちはスマートフォンを持ち歩いており、いつでもネットワークにアクセスすることができる。趣味、仕事、エンターテイメント……などなど、現実世界のインターネットと同じように、あらゆることにネットを活用することが可能だ。

例えば、某SNSを彷彿とさせる“ブリッター”をのぞいてみると、「実際には世界に公開されているのにクローズドな気分で」書き込まれた、人々の雑多なつぶやきを読めるのが面白い。
しかもこのツイー…じゃなくてブリートは、ゲーム進行に応じて書き込まれているものが多い印象。主人公たちのミッションでの「活躍」を目撃してしまった人や、直接関わってしまった人がここで本音を漏らしていたりするわけである。
こうやって当事者に読まれてしまうとは露ほども思わずに……。

ちなみにマイケルの妻が雇っているヨガのインストラクターであるファビアンのブリートは、マイケルの視点で読むと腹が立つこと間違いなし。彼の営業用サイトもかなりフザけた内容なので、合わせて探してみることをお勧めしたい。

また、インターネットの活用法と言えばショッピング。高級車や自家用ジェットを買えるくらいは序の口で、その気になれば戦車や攻撃ヘリを、必要な場所へデリバリーさせることすらできる。多数の敵が登場する難しいミッションを、こうした圧倒的なパワーでねじ伏せるのもたまには面白いもの。

もちろん、そうした兵器を買うには100万ドル単位の金が必要だが、この金もネットワークを使って調達することが可能。リバティ・シティ証券取引所や、BAWSAQ(NASDAQのパロディ)で扱われている株をネットで購入し、値上がりした時に売却すればお手軽に稼ぐことができる。もちろん資金が目減りするリスクもあるわけだが。
株を上場している企業も、ブリッターを運営する「ブリッター」社や、その競合の「ライフインベーダー」、テレビCMや街中の広告でよく名前を見るタバコ会社「レッドウッド」、街を走っている車のメーカー「BF」や「シャイスター」、作中に登場する武器販売チェーン店「アミュネーション」、スマートフォンを販売している「フルーツ」社……などなど、ゲーム中でよく見かける会社が多い。社名を知っているとなんとなく親しみが沸き、株を保有したくなるのは現実の株取引と似ている点かもしれない。

この株価もプレイヤーがゲーム中に行なったことに影響を受けて上下する。利益を受ける会社の株価は上がり、競合企業の株価は下がるので、ミッションを遂行する前に値上がりしそうな株を仕込んでおくというのも1つの遊び方だ。

■そしてゲーム外のサービスも充実
ロックスター・ゲームス・ソーシャルクラブを中心に
SNSやスマートフォンを活用した楽しみ方もできる

そして本作はゲーム内のネットワークだけでなく、現実世界のインターネットとの連動要素も楽しめる。ロックスター・ゲームスが運営するSNSサービス、ロックスター・ゲームス・ソーシャルクラブにユーザー登録し、「SEN」アカウントや「Xbox Live」のゲーマータグを連動させておくと、武器や高級車などのゲーム内特典を受け取ったり、他のプレイヤーとミッションの得点を競ったり、クルー(チーム)を結成したりできる。
中でも面白かったのが、ゲーム内で撮影した写真をほとんど手間をかけずに、ロックスター・ゲームス・ソーシャルクラブ、フェイスブック、ツイッターにアップできる「スナップマティック」というサービス。

他のプレイヤーが撮影した写真を眺めているだけでも面白いし、自分が撮影したセンセーショナルな写真に驚きのコメントが付いたり、リツイートされたり、「いいね!」ボタンが押されるのも気持ちがいいもの。既にツイッターなどのSNSを活用している方であれば、きっと大いに楽しめるはず。

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▲登録しておくだけで中々いいものがもらえるので、気軽に連動させてみよう。他の機能は徐々に使ってみるだけでもいい。

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また、iOS対応のアプリ(現在Android版も開発中)、『iFruit』を使えば、ゲーム機を起動せずとも、フランクリンの愛犬のチョップの世話をしたり、愛車をカスタマイズすることなどができる。もちろん次にゲームを起動したときは、『iFruit』で行なったあれこれはしっかりゲームデータに反映される。
外出先や、ちょっとした時間ができたときのヒマつぶしにピッタリだ。

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▲フランクリンの友人ラマーから預かったチョップ。元の飼い主に似てなかなかにアレだが、しっかり躾けてやることもできる。

■まとめ
ネットワークを使うことで広がる
今までにないゲームスタイル

といった具合に、ゲームの「内」と「外」のネットワークサービスを使うことで、『GTAV』の楽しみ方は大きく広がりを見せる。それどころか、何かをするでもなく「ネットサーフィン」するだけでもかなり楽しめるので、コッチ方面がお好きな方はぜひ試していただきたい(一部のサイトが和訳されていないことだけは残念!)。

そしてこれらのサービスを全く使わなくても、なんの問題もなくゲームを進められるのもすばらしいポイントだ。本作の世界ではネットを使わない自由や、ライフスタイルがしっかりと尊重されているのである。

『グランド・セフト・オートⅤ』
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●ハード:PlayStation 3/Xbox 360
●発売日:発売中(10月10日発売)
●価格:各7770円
●ジャンル:オープンワールド
●プレイ人数:1人(オンライン時:2~16人)
●メーカー:ロックスター・ゲームス

公式サイト
http://www.rockstargames.com/V/ja_jp

© 2013 Rockstar Games, Inc.

文/高橋祐介