“自分を撮る”ことに特化した「置き撮りスタイルiVIS」

review20131030_1
キヤノンオンラインショップ限定で販売されている「置き撮りムービーカメラ」。有効1280万画素の2/3型CMOSセンサーを搭載しており、フルHD/30fpsまでのMPEG-4 AVC動画を撮影できる。引き出し型のスタンド(別途底面に三脚穴も用意)や、手前側にも向けられるチルト式モニタなど、従来「iVIS」とは似ても似つかない個性的な形状を採用していることが最大の特徴。f=16.8㎜相当のワイドレンズと合わせ、床やテーブルに置いての自分撮りに最適化されている。
ほか、Wi-Fiを利用したスマホ/タブレットとの連携にも対応。スマホ画面を使ったリモート操作・撮影や、ネットへの間接アップロードが行なえる。

■基本性能をCHECK!!

自在な角度で置き撮りできる内蔵スタンド
review20131030_2
▲本体底面に引き出して使えるスタンドを内蔵。0度(水平)から約60度まで自由な角度に固定できる。モニタをスタンドにすれば真上を撮ることも。

映像チェックがしやすいバリアングル液晶モニタ
review20131030_3
▲液晶モニタは対面側に最大約90度、手前側に最大約80度チルトさせられる2軸型のバリアングル液晶。タッチ操作にも対応している。

対角160°のワイドアングルレンズ
review20131030_4
▲レンズはF2.8/f=16.8㎜相当の超広角。光学ズームはないが、映像中心部をくり抜くことでf=35㎜相当に切替可能。電源連動レンズバリア付き。

■iVIS miniの独自性

高性能な映像エンジン「DIGIC DV4」を駆使した充実のシーン認識(最大23シーン)に加え、音声モードを選べる「オーディオシーンセレクト」にも対応(音楽、スピーチなど全5種類)。その上で、より個性的な映像表現を楽しめる「シネマルックフィルター」撮影や、自分撮り時に役立つ「ミラーイメージ記録/再生」などにも対応している。

ダンスや演奏練習に便利なミラーイメージ記録/再生
review20131030_5 review20131030_6
▲左右を反転させた状態で撮影したり、通常撮影した映像を左右反転して再生可能。楽器撮影時に指の動きを確認したり、ダンスの振り付けを練習したりする時などに威力を発揮。

設置環境を問わない上下反転記録
review20131030_7 review20131030_8
▲内蔵されたポジション検出センサーがカメラの向きを検出。逆位置にして撮っても正位置で記録してくれる。例えば本体を天吊り状態にして撮影しても映像が逆さにならない。

素早い動きを緩やかに記録するスロー記録
review20131030_9 review20131030_10

review20131030_11 review20131030_12

review20131030_13 review20131030_14
▲秒間60コマあるいは120コマで撮影し、それを秒間30コマにして再生するスロー記録機能も用意。素早い動きもしっかり確認できる。

■注目の無線機能

本体にWi-Fi機能を内蔵。スマホ/タブレット向けの専用アプリ「CameraAccess Ver2」や「Movie Uploader」を使って、単体ではできないさまざまな操作を行なえる。特に前者は本機の高性能リモコンとして実用性◎。より自由度の高い自分撮りを行なえるようにしてくれる。また、スマホなどを介さず、単体でWi-Fiネットワークに接続し、専用サービスに撮影した動画をアップロードすることもできる。

ライブストリーミングリモコンでさらに自分撮りをしやすく
review20131030_15
▲「CameraAccess Ver2」でスマホ画面をモニタにした撮影が可能。ほか、撮影開始などの各種操作も可能。動画を直接スマホに記録することも。

その場で動画を転送するMovie Uploader
review20131030_16
▲iOS専用のアプリ「Movie Uploader」(「Camera Access Ver2」はAndroid版も用意)を使えば、カメラ内の動画や静止画をiPhoneやiPadに取り込み可能。そこから各種SNSへ投稿できる。

CANON iMAGE GATEWAYを利用してSNS投稿
review20131030_17
▲「CANON iMAGE GATEWAY」(登録無料)にWi-Fi経由で動画/静止画を単体アップロードできる。YouTubeやFacebookへの投稿も可能だ。

■使い勝手Check!
review20131030_18

review20131030_19
f=16.8mm相当の超広角レンズはスタジオのような奥行きのない場所でもゆったり全体を撮影できる。ただしその分、周辺部には大きな歪みが発生してしまうので注意。もっとも、これを魚眼レンズ風の表現だと考えれば映像表現として面白い。

review20131030_20
Wi-Fi機能を利用したスマホ/タブレット連動に加え、自身をアクセスポイントにして内部データにアクセスさせる「リモートブラウズ」機能も用意。アプリをインストールしていないスマホ(PCも可)とも連携できる。

■使い倒しインプレッション

まず目を引いたのが本体の小ささ、軽さ。キヤノンのビデオカメラ「iVIS」の名を冠しているが、サイズ感としては最近流行りのアクションカメラに近い。
その上で、それらと比べて画質・音質面で大きなアドバンテージを感じた。アクションカメラにありがちな発色の浅さやノイズ感がほとんど感じられないのは見事。明るいレンズやビデオカメラ自慢の最新映像エンジンを搭載していることが効いている。音質についても大口径ステレオマイクのおかげで臨場感抜群だった。
さて、そんな本機で何を撮るか? キヤノンは公式サイトで「置き撮り自分撮りで自己表現する」カメラであることを押し出しており、確かに楽器演奏やダンスなどの撮影に特化した機能が多数搭載されている。中でも強力なのがf=16.8㎜相当という圧倒的にクラス最広角な超ワイドなレンズ。奥行きを取れない狭い場所でも広い範囲を撮ることができた。前述したよう本体が非常にコンパクトなため、壁際のちょっとしたスペースに置いておける。また、スマホと連携させたリモート操作機能も想像以上にスムーズで、演奏位置から動くことなくカメラを操作したり、映像を確認したりできる。こういった用途に使うのであればまさにベストな選択肢と言えるだろう。
もちろんそういった用途以外にもさまざまな活用法が考えられる。例えば会議の録画には、本機の超広角レンズ、高品位な録音機能、省スペース性など全ての美点がマッチする。本体サイズが小さいため、参加者に無用のプレッシャーを与えない点も◎。実はビジネスツールとしてもかなり有望だと感じた。
反面、手ぶれ補正が搭載されていないなど、手持ちでの撮影には向かないビデオカメラであることは知っておきたい。連続駆動時間も一般的なビデオカメラと比べてかなり短め(最高画質時で実使用時間45分)なので、一般的なビデオカメラの代用品にはしにくい。
キヤノンが言うよう、置いて撮る、自分(たち)を撮るのが、このカメラ本来の目的。スマホを介したWeb連携機能も充実しているので、いわゆる「○○してみた」系の動画を撮るのにも最適だ。新しいニーズに合わせて登場した、これまでにない新しいビデオカメラ、それがこの製品の本質である。

■結論
ここまでのレビューでわかるよう、本機は「万人向け」のビデオカメラではない。楽曲練習や舞台稽古、あるいは会議など自分(たち)撮りをしたい人のための超特化型製品だ。ただし、それが必要な人にとってはかゆいところに手が届く機能が盛りだくさん。通常のビデオカメラでは面倒なことを簡単に行なえるよう工夫されていた。

■SPEC
サイズ:W76×H22×D96mm 重量:180g 液晶モニタ:2.3型(約23万ドット) 手ぶれ補正:なし 撮像素子:1/2.3型高感度CMOSセンサー 動画有効画素数:899/207万画素(ワイド時/アップ時) 焦点距離(35mm換算値):16.8/35.0mm(ワイド時/アップ時) F値:2.8 動画対角:160° 記録規格:MP4 記録メディア:microSDカード ボディカラー:ブラック、ホワイト