ゲームレビュー/グランド・セフト・オートⅤ(第3回)

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つかみの部分が派手なだけでなく
遊び込んだ時の良さもある

オープンワールド形式のアクションアドベンチャーの元祖的な存在「グランド・セフト・オート」シリーズ。プレイヤーは車の運転や銃撃戦など、さまざまなミッションをこなしたり、舞台のあちこちにある遊びの要素をプレイすることで、クライムムービーのような物語やアクションを楽しんだり、向こうの世界に自分の分身が存在しているような感覚を味わえる。
その最新作の『GTAV』では同時に操作できる主人公は3人に増え、フィールドはより広大に、かつ高空や水中にまで拡大。そんなフィールドで多彩な乗り物を操る面白さは今回も健在で、水中を探索するための潜水艦なども新たに登場するようになった。

今回はゲームをある程度の期間プレイした上で感じた、本作の深い遊び応えについてお伝えしていこう。
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■ミッション
ミッションをどうクリアするかだけでなく
「クリアしない」自由まである

それにしても、である。今回の『GTAV』のボリュームは本当に桁外れだ。普段のレビュー仕事の感覚で言えばゲームをクリアしているか、そうでなくとも終盤に突入しているくらいのプレイ時間を費やしているのだが、メインミッションですらまだまだ終わりが見えない。
まあ、ミッション中に達成する条件やクリアタイムにもこだわって、ゴールドメダルを狙っていることが原因かもしれないが……。
ただ、ダレている感じは全くなく、「今日はこれと、このミッションのゴールドメダルを狙おう」という具合に、本作をプレイすることが寝る前の習慣になっている感じだ。

また、メダルを狙って各ミッションを繰り返しプレイしていると、街の意外な抜け道(ショートカット)を発見できたり、敵の配置に合わせた武器を使うことの大切さを実感できるのもいい。本作のミッションはそういった面でもかなり配慮されたものになっていて、ひと通りクリアしただけで満足してしまうのはもったいないと感じるほど。
例えば、道をはしょれるジャンプ台などを発見すれば、クリアタイムの大幅な短縮が可能になる。また、敵の集団を相手にするなら車から降りた瞬間にグレネードを撃ち込むといった具合に、武器の有効な使い方に慣れることもできる。
こうやって得た知識やテクニックは、その先のミッションでも大いに役立ってくれるのもうれしい。なにしろ本作のボリュームは膨大だ。鍛えた腕を活かすチャンスはいくらでもある。

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▲各ミッションには達成すべき条件が設定されており、全て達成するとゴールドメダルを獲得できる。ミッションはクリア後に何度でも挑戦することができるし、1回のプレイで全ての条件を達成しなくてもOK。じっくり取り組んでゴールドメダルを狙ってみてほしい。

ここまで読んで「大変そうかも……」と思った方もご安心を。本作には「腕を鍛えなくていい自由」まである。各ミッションは3回失敗したらスキップすることができるため、ミッションをクリアできず先に進めなくなる心配は無用だ。本当に映画やテレビドラマを観るように、気軽な気分でプレイできる。

■リアリティ
知っていることがリアルに再現されていると
よく知らないことにまでリアリティを感じてしまう

「GTA」シリーズは、本筋以外の部分の丁寧な作り込みにも定評がある。題名が題名だけに、特に乗り物へのこだわりはすごい。今回は自動車の操作感がよりリアルになっただけでなく、重機類やジェットスキーなどでも実にそれらしい操作感を楽しめる。また中盤以降は航空機や潜水艦といった特殊な乗り物も操作可能に。

中でも筆者が気に入っているのは航空機の操縦だ。操作感はフライトシューティング的ではなく、シミュレーター寄りで、安定した飛行をすること自体を楽しめる感じ。
加速減速、機種の上げ下げ、ロール、方向舵(ラダー)の操作など、一通りの操縦ができ、しかも旋回中は速度や高度が落ちていくため、加速や方向舵で微調整しないとしっかり飛ばせないという具合。
さらには横風の影響で機体が揺れたりもする。もちろんそれに対するフォローもプレイヤーが行なうのだ。

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▲トレバーは最初から航空機の操作が上手いが、マイケルやフランクリンは教習を受けないとしっかり飛ばせない。トレバーの戦闘能力をいかすか、航空機の操作スキルをいかすかは悩ましいところだ。

また、アクティビィーとして楽しめるテニスやゴルフ、ダーツなども、スポーツゲームとして本格的に作り込まれており、ボールを打った時の気持良さなどもしっかり再現されている。ちょっと寄り道のつもりが納得できる結果が出ず、つい熱中して気付けば1時間以上経過していた、ということもざら。スコアアタックなどで熱中してしまいがちな方は、手を出すタイミングに気を付けた方がいいかもしれない。
ちなみに、筆者は現実の潜水艦の操作感についてよく知らないのだが、自動車や航空機の操作感、スポーツゲームの感触などから類推するに、こちらもそれなりにリアル寄りに仕上げてあるのではと思ってしまう。
ある意味、それは作り手の思うツボなのかもしれないが。

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▲海底には海藻が茂っていたり、サンゴの林が見えたりする。場所によって水の透明度も違うようだ。ミッションで利用するだけなく、海底散歩を楽しむのも悪く無い。

■まとめ
シングルプレイだけでも
まだまだ遊び尽くせない

たとえメインストーリーを最後まで終わらせたとしても、まだまだ遊び続けたくなるのがロックスター・ゲームスのオープンワールド作品。それは魅力的なストーリーやキャラクターはもちろんのこと、細部までこだわった作り込みやリアリティが生み出す「手触り」によって裏支えされている。
今回の『GTAV』にもまた、かなりの長期間滞在できそうな手応えと、ボリュームを感じている次第。

『グランド・セフト・オートⅤ』
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●ハード:PlayStation 3/Xbox 360
●発売日:発売中(10月10日発売)
●価格:各7770円
●ジャンル:オープンワールド
●プレイ人数:1人(オンライン時:2~16人)
●メーカー:ロックスター・ゲームス

公式サイト
http://www.rockstargames.com/V/ja_jp

© 2013 Rockstar Games, Inc.

文/高橋祐介