ソニー『α』の新革命 フルサイズミラーレス『α7R』のその実力は?

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ミラーレス構造による小型ボディと
フルサイズならではの高画質が融合
ソニー『α7R』は、世界初となる35mmフルサイズセンサーを搭載したミラーレスカメラ(レンズマウントはEマウントを採用)。レンズ交換に対応したフルサイズ機と言えば、これまでは大きくて重い一眼レフだけだったが、本モデルでは一回り以上のコンパクト化を実現。フルサイズならではの高画質と、ミラーレス構造による小型軽量ボディを両立させた画期的な製品と言っていい。

デザイン的には、レンズマウントや電子ビューファインダーをボディのほぼ中央に配置した一眼風のスタイルを採用する。外装は高品位な金属素材で、グリップ部には手になじむラバーを配置。両手でしっかりとボディを支えられる形状だ。

■基本機能をチェック
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ミラーレスカメラとして初めてフルサイズセンサー搭載
35mmフルサイズ相当(35.9×24mm)の有効約3640万画素CMOSセンサーを採用。解像感を重視した光学ローパスフィルターレス構造となる。レンズマウントには、同社ミラーレス「NEX」シリーズと同じ「Eマウント」を採用。
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マグネシウム合金を利用した高剛性ボディ
トップカバーや内部構造体にマグネシウムを採用し、小型ながら高剛性を実現。また防塵防滴にも対応。悪条件下でも安心して撮影できる。
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撮影自由度をアップさせるチルト式モニタ
背面モニタには3.0型92万ドットの液晶ディスプレイを採用。上に約90度、下に約45度まで可動するチルト式であり、アングルの自由度が高い。

■実力測定:作例
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(※クリックで大きいサイズの画像が表示されます)
高画素センサーと新エンジン「BIONZ X」、および専用FEレンズの三位一体によって、A3以上のプリントにも耐える驚異的な高解像を実現してくれた。木の葉っぱのひとつひとつまでがくっきりと再現できている。また歪曲や周辺減光、色収差は目立たないように低減されている。
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(※クリックで大きいサイズの画像が表示されます)
同じ画角で比較した場合、フルサイズセンサーはAPS-Cセンサー(一般的な一眼レフで採用されている)に比べてレンズの焦点距離が長くなるため、より大きなボケ味が楽しめる。この写真では、ピントを合わせた黄色い花以外の部分がふんわりとぼけ、立体感のある描写となった。

■結論
実写してまず感動したのは、その精細感の高さだ。撮影画像をPCのディスプレイ上で等倍に表示すると、遠景に小さく写ったビルの窓や人の顔、車のナンバープレートまでがシャープに解像していることがわかる。風景撮影では道路上の小さなゴミまで、人物撮影では小じわや毛穴までがくっきりと再現され、撮影時の粗が見えて困るくらいだ。ISO1600を選んでもノイズがほとんど気にならない高感度画質や、暗部から明部までの滑らかな階調再現力、クリアで濁りのない色再現についても、十二分に満足できるレベル。
ただし、試用して気になったのは、既存の一眼レフに比べるとAFスピードがやや遅いことと、シャッター音が鈍い長めの音で、撮影直後に残響が残ること。このあたりが気になる人は、兄弟機『α7』を選んだほうがいい。『α7』は、『α7R』に比べて画素数は控えめ(2430万画素)だが、その代わりに像面位相差AFによる高速AFと、電子シャッターによる快適なレリーズ感を実現している。

■『α7R』をおすすめな人は??
風景写真を楽しむ人に最適のモデル
画質を重視して、趣味や作品としての写真撮影を楽しみたい人には絶好のモデルと言えるだろう。高精細な表現力は、特に風景写真用にうってつけ。交換レンズの数が乏しいことが少し気になるが、純正またはサードパーティ製のアダプターを使って、既に多くの選択肢があるAマウントや他社マウントのレンズを装着することができる。

ソニー 『α7R』 実勢価格:21万9800円(ボディのみ)
■SPEC
サイズ:W126.9×H94.4×D48.2mm 重量:465g 撮像素子:35mmフルサイズ”Exmor”CMOSセンサー 有効画素数:3640万画素 液晶モニタ:3.0型チルト式液晶(約92.1万ドット) ファインダー:0.5型有機EL(約235.9万ドット) レンズマウント:FEマウント 手ぶれ補正機構:なし シャッター速度:1/8000~30秒 ISO感度:100~51200相当(拡張含む)

文・作例/永山昌克
撮影/増原秀樹