話題の「ハイレゾ対応機」の実力は? ウォークマン新モデルを徹底レビュー

急速に認知度を高めている“ハイレゾ音源”。CD音質(44kHz/16bit)を超える高音質を実現しているというが、実際の実力はどんなものなのか? 「ハイレゾ元年」を象徴する『NW-ZX1』をオーディオライターの野村ケンジさんに徹底レビューしてもらった。

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『NW-ZX1』を手にとった時最初に感じるのは、何と言ってもリアルの上質さだろう。厚みはそこそこにあるのにすっと手に収まり、確かな存在感を持つボディは、分厚いアルミの塊から削り出されたからこその重量感や堅牢性を持ち合わせていて、背面のラバーグリップとともに確実なホールド感をもたらす。

また、同じくアルミ切削加工で作り上げられたスピン仕上げのボタン類も、タッチパネルにはない、リアルスイッチの持つ押し心地の良さを思い出させてくれる。

しかも、その質感が単なる演出ではなく、全て音質を追求した結果なのがすばらしい。例えば背面下部の膨らみは、ホールド性を良くするためでなく、電源の負担を低減し十分な電力を供給するデジタルアンプ電源部に採用した、「OS-CON」という音質重視の高精度コンデンサーのスペースを確保した結果だし、切削アルミフレームボディやヘッドホンジャックまわりの真鍮製パーツも、不要な振動を徹底排除して音質を向上するためのもの。ローテクな従来セオリーに真正面から挑んだ、音質向上に対する徹底したアプローチに大いに感心させられた。

もう一つ、『NW-ZX1』には注目すべきポイントがある。それは、ウォークマンとしては初めてデジタル出力に対応したことだ。同社が、ハイレゾ対応モデルとして同時期に出したポータブルヘッドホンアンプ『PHA-2』と接続すれば、原音に忠実な高音質化を推し進めることができる。

最後に、ハイレゾ音源を存分に楽しむために大満足の本機だが、唯一不満があるとすれば、クラシックなど音質重視の録音で使われる記録形式であるDSD形式への非対応だろう。ハイレゾ音源の主流はFLACやWAVなどのリニアPCM方式で、DSDファイルはまだマニアックな存在だが、“ハイレゾ対応”を謳うのだったらぜひおさえてほしかった。このあたりは、プレイヤーアプリのアップデートに期待したい。

ソニー『ウォークマン NW-ZX1』の詳細レビューはこちら>>

ソニー『ウォークマン NW-ZX1』(実勢価格=7万4800円)。
ソニー『ウォークマン NW-ZX1』(実勢価格=7万4800円)。