ゲームレビュー/アサシン クリード4 ブラック フラッグ(第2回)

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暗殺者らしいアクションや任務、そして重厚な歴史ロマンを楽しめる本シリーズ。最新作『4』はそれらに加え、海のアウトローの生き様や人生を描いている。今回のレビューでは、その「海賊」要素にフォーカスする。
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■大海原へ乗り出せ!
失うものは身一つ
得るものは海の全て

これまでのシリーズと同じように、ストーリーを追ってメインミッションを進めていく遊び方でも楽しめる本作。だがそれは『アサシン クリード4』の面白さの半分しか味わっていないようなもの。本作は「麗しの愛船」ジャックドー号とともに大海原に乗り出し、海の冒険を楽しんでこそのゲームだと筆者は感じている。

ジャックドー号の後部デッキから見る海は、ダイナミックにその姿を変えていく。比較的穏やかな時もあれば、風や嵐によって激しくうねる時もある。さらに嵐や竜巻、落雷など、大自然の脅威に遭遇することも。本作の海の描写は本当にすばらしく、ただ気ままに船を走らせるだけでも「航海すること」自体の楽しさを味わえるだろう。

また航海中は、船員たちが船乗りの歌を唄いながら仕事に精を出しており、これも個人的には気分が盛り上がるポイントだった(お好みでなければやめさせることも可)。ちなみに、この船乗りの歌は主人公が陸地で行動している時に、歌詞の描かれた紙を入手することで種類が増えていく。本作の収集要素はこの他にもたくさんあるのだが、個人的にはこの歌の収集が最も楽しめた。

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▲舵輪を操作したり、帆を開いたり畳んだりなど、船を自在に操っているだけでも面白い。移動そのものが楽しめる作りになっているので、長く”滞在”して遊べる。

そして波間を進んでいくうちに、別の船が見えてくることもある。海賊として獲物を探している時も、ミッションなどで先を急いでいるときも、まずは望遠鏡で船の規模や積み荷を見定めるのが先決だ。
実は海賊行為というものはなかなかに繊細で、発見した船を手当たり次第襲うわけではない。強過ぎる敵に手を出せば積み荷を奪うどころが自分の命が危ういし、弱い敵を攻撃しすぎて沈没させてしまっても実入りが悪くなる。かといって手加減しすぎても返り討ち。そういった海賊船長の判断の妙が、このゲームでも味わえるのだ。

なお、敵船を沈めずに捕獲すれば、略奪できる物資が最大になるだけでなく、船体を資材にしてジャックドー号を修理することなどもできる。捕獲するほうが明らかに儲かり、儲かった金や物資で船の装備のグレードアップもスムーズに行なえるため、できれば「エレガント」にことを運ぶことをおすすめしたい。
とは言え、強力な砲で目に入った船全てを沈めていく「海賊ですらない」戦い方もまた別のロマン。どちらが正しいということはないので、各人の好みやその時の戦力に応じてスタイルを変えていこう。

■陸地も縄張りのうち
従来の操作感はそのままに
趣の異なる冒険を楽しめる

「海賊」と言えば海上での戦いが専門のように思われがちだが、実際には街や農場の襲撃など、陸上での活動も盛んだったという。それは本作も同様で、シリーズでおなじみの暗殺ミッションや敵拠点の攻略はもちろん、孤島での探索やアスレチック、宝探しなども楽しむことができる。

中でも筆者が気に入っているのが宝探しの要素だ。各所で見付かる宝の地図に描かれた座標と絵を頼りに、宝の隠し場所を探検するのが楽しい。もちろん宝は見付かりにくい場所にあるので、途中で遭遇した動物を狩ってみたり、マヤの石像やアニムスデータの欠片を見付けりと、いろいろと寄り道をすることになる。宝探しはそれ自体が楽しいだけでなく、陸上の遊びの要素をつなぐ接着剤の役割を果たしているように感じた。

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▲宝探しは想像以上に楽しめた要素。争っているイギリス兵とスペイン兵に遭遇し、それらを火薬でまとめて吹っ飛ばすなど、思いもかけない出来事も起こる。

また、宝探しで発見できるのは財宝やアイテムだけではない。シリーズファンにとってはたまらない、舞台となった時代を知る手記や手紙などを発見できることも。これはゲームの中だけで役立つ武器やお金とは異なり、プレイヤー自身が知識を得るきっかけとなってくれる。ある意味では、一番うれしい発見物かもしれない。
余談だが、筆者は本作に登場するスティード・ボネットが実在した人物だとは知らず、ゲームをプレイしている間はオリジナルキャラだとばかり思い込んでいた。こうした「事実は小説より奇なり」を体現する人物を知ることができるのも、本シリーズの魅力の1つだ。

■まとめ
カリブ海の持つ魔力に
魅了されていく体験

初めのうちは海の美しさ、雄大さに感動していた人間が、いつしか遭遇する船を値踏みしだし、より儲けやすい襲撃方法を考えるようになるなど、「海賊的」思考に染まっていく。それがカリブ海の持つ魔力……と言うと少し誇張があるが、本作の海洋パートの魅力だ。かの有名な海賊・黒髭ティーチ(本作ではサッチの名で登場)もまた、そうした段階を踏んで一人前の海賊に育っていったのかもしれない。

──そんなことを頭の片隅で考えながら、どっぷりと海賊家業にひたらせていただきました!

さて次回は、対戦や協力プレイなど、インターネットを利用したマルチプレイに関してまとめてみよう。

アサシン クリード4 ブラック フラッグ
●ハード:PlayStation 3/ Xbox 360/Wii U
●発売日:発売中(11月28日発売)
●価格:各7770円(パッケージ版)
※Wii U版のみDL版配信中:6930円
●ジャンル:アクション
●プレイ人数:1人(オンラインプレイ最大8人)
●メーカー:ユービーアイソフト

公式サイト
http://www.ubisoft.co.jp/ac4/

© 2013 Ubisoft Entertainment. All Rights Reserved. Assassin’s Creed, Black Flag and Ubisoft, and the Ubisoft logo are trademarks of Ubisoft Entertainment in the US and/or other countries.

文/高橋祐介