ゲームレビュー/アサシン クリード4 ブラック フラッグ(第3回)

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他のゲームではなかなか味わえない独特の面白さを持つ「アサシン クリード」シリーズのマルチプレイ。今回はその遊び方と魅力についてレビューしていこう。マルチでは反射神経や操作の腕よりも、知識と経験が問われる。
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■協力プレイ
まずは協力プレイで
マルチプレイの基本を学ぶ

秩序による平和と世界支配を目指すテンプル騎士団と、それに抵抗し人間の自由意思を守ろうとするアサシン教団。人類の歴史の裏側で続く2つの勢力の戦いを描いてきた「アサシン クリード」シリーズ。そのマルチプレイはストーリー的には、テンプル騎士団側が作った「ゲームとして偽装された」バーチャル戦闘訓練と位置付けられている。アサシンとの長きに渡る戦いの中で、テンプル騎士団もまた”アサシン風”の戦いをするように変化しているのだ。

遊び方をプレイヤーに委ねられているシングルプレイに対し、マルチプレイはルールの順守とチームワークによって高いスコアを獲得するという、チームスポーツに近いものとなっている。そのためいきなり実戦に参加しても、よくわからないうちに”初心者狩り”の餌食になってしまうのがオチ。しかし洗練されたルールがあるゆえに、ルールさえしっかり把握すれば、初心者でもすぐにマルチプレイに参加できるという長所もある。FPSや格闘ゲームの対戦のような、敷居の高さはない。

今作のマルチプレイの遊び方や面白さを把握するには、まず「ウルフパック」モードに触れてみるのが最適だろう。ウルフパックの練習用メニュー「ディスカバリー」を最後まで終わらせることができれば、暗殺対象の近くで目立つ行動を控えたり、発見されずに暗殺したり、味方と息を合わせて行動するなど、全てのモードに通用する暗殺のいろはが身に付いていく。

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▲強引な倒し方だと100点ほどしか入らないが、エレガントな暗殺方法であれば1回で1000点以上獲得できることもある。数多く倒すことよりも、倒し方にこだわるべきかもしれない。

ウルフパックの目的は、高いスコアを獲得することでシークエンスを速やかにクリアし、最後のシークエンスまで戦い抜くことだ。残り時間はシークエンスをクリアすることや、特定の敵を倒すことによって増加する。また、敵から宝を守ったり、味方とタイミングを合わせて暗殺を行う(シンクロキル)など、特殊な行動を行なうシークエンスも存在する。
スコアを稼げば稼ぐほどシークエンスクリアに近付くことができるので、残り時間が少ないときほど慎重に、高い得点を狙っていく必要がある。この相反する要素が生み出す緊張感と、それを克服する爽快感がたまらないモードだ。

■対戦
ウルフパックに慣れてきたら
他のモードにも挑戦

ウルフパックに慣れてくるころにはレベルも上がり、さまざまなアビリティを習得可能になっているはず。自分が得意な戦い方に役立つアビリティをいくつか習得したら、次はプレイヤー同士の対戦にも参加してみる頃合いだ。

ルールはデスマッチ(全員が敵の個人戦)、キャッチ・ザ・フラッグ(フラッグを自陣に持ち帰る)、ドミネーション(陣地争奪戦)など、対戦ものでは定番のルールがそろっている。
だが、筆者がもっとも「アサシン クリード」らしい独自性を感じるルールは「マンハント」だ。これは2つのチームで攻撃側と守備側を交互にプレイして得点を競うというもので、攻撃側は普段のように隠密を保ちつつ高い得点を狙うことになる。守備側は一か所に集まって隠れるとボーナス点を得ることができ、また攻撃側が近付いてきたときも有利に対応できる。もちろん攻撃側はそれを許さず、確固撃破しなくてはならない。
攻撃側も守備側も、すばやく、目立たずに集まれるかどうかが勝敗を左右するわけだ。

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なお、個人技に大きく左右されるデスマッチなどは、習得しているアビリティの差や、操作への慣れの差が結果を大きく左右する。それらは中級者以上向けのコンテンツと心得て、まずは自分が参加しやすいと感じたルールでレベルアップやアビリティ習得に励むのが楽しむためのコツだ。

■まとめ
作品のテーマにも深く絡んだ
マルチプレイのゲーム性

本作のマルチプレイはルールの活用とチームワークが重要であり、シングルプレイと同じ感覚で挑もうとすると、高い得点を得ることは困難だ。
個人の意思や活躍よりも、秩序ある行動やチームへの貢献が高く評価される──。単なるストーリー的な位置付けだけではなく、実際のプレイ感にもテンプル騎士団的な精神性が感じられるところも面白い。

テンプル騎士団がアサシンの技を吸収したことにより、アサシン側が苦戦を強いられるようになったことは事実だろう。だが、光が強くなればまた影も濃さを増す。皮肉なことだが、アサシンの技術はテンプル騎士団に取り込まれたことにより、テンプル騎士団が消滅しない限り失われないものとなった。そしてアサシン教団が守ろうとする人間の自由意思とは、人間が元々生まれ持っているものである。支配が強くなれば強なるほど、それに反発する意思も強くなる。わずかなきっかけで、それは目覚めるのだ。

真実はなく、許されぬことなどない──。

アサシン教団とテンプル騎士団の長い戦いはこれまで決着が付くことはなかったし、これからも果てしなく続いていくのであろう。
そしてもちろん、本シリーズのストーリーもまだまだ続くのである。

アサシン クリード4 ブラック フラッグ
●ハード:PlayStation 3/ Xbox 360/Wii U
●発売日:発売中(11月28日発売)
●価格:各7770円(パッケージ版)
※Wii U版のみDL版配信中:6930円
●ジャンル:アクション
●プレイ人数:1人(オンラインプレイ最大8人)
●メーカー:ユービーアイソフト

公式サイト
http://www.ubisoft.co.jp/ac4/

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文/高橋祐介