違いが分かるカメラ、『PowerShot G16』

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シリーズの伝統を受け継ぎながらさらなる機能強化と高速化を実現

「PowerShot G」シリーズの12代目となる製品。2012年に発売された『PowerShot G15』の後継にあたり、ボディの基本デザインを受け継ぎながら、AFを始めとする各種操作のスピードアップと、撮影機能の強化を実現している。画像処理エンジンには新開発の「DIGIC 6」を搭載する。従来の「DIGIC 5」に比べて高感度撮影時のディテール再現力が大きく進化したほか、連写のスピードアップも実現。
液晶モニタのほかに、実像式ズームファインダーを備えることは、最近のコンパクトカメラの中では希少だ。また、外部ストロボやテレコンバーターなどの多彩なアクセサリによって機能を拡張できることは、2000年に発売した初代モデルからの伝統と言える。外部ストロボやリモコンについては、同社の一眼レフ「EOS」シリーズと共通のものが使用可能だ。使えば使うほど味が出る、撮影の楽しみを実感できる中身の濃いカメラだ。一眼レフのサブカメラにもなるだろう。

■基本機能をチェック
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・「G」シリーズ最速のレスポンス
AFアルゴリズムの改善によって、同社コンパクトでは最速となる0.10秒のAF時間を実現。ズームのワイド/テレを問わず快適に合焦する。

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・シリーズ初のWi-Fi対応
「G」シリーズでは初となるWi-Fi機能を標準装備。アプリを使って画像をスマホにコピーしたり、クラウドへの自動アップロードが行なえる。

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・業界唯一の実像式ズームファインダー
実像式のファインダーを装備。液晶モニタが見えにくくなる明るい屋外撮影の際、大まかな構図決定に役立つ。

■実力測定:作例
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レンズに光が差し込む逆光の条件だったが、コントラストはほとんど低下せず、適度にメリハリ感のある描写が得られた。小さな葉っぱや枝など被写体のディテールまでをくっきりと再現する細部描写性の高さや、正確なオートホワイトバランス性能にも好印象を受ける。
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取り回しに優れたボディなので、日常的に携帯し、目に留まったものをメモ感覚でスナップする用途にも打って付けだ。ワイド側で最短1cmまで近寄れるだけでなく、テレ側でも最短40cmを誇るマクロ性能も便利。その上、レンズの開放値が明るいので、ボケの表現も楽しめる。

■結論
キヤノン『PowerShot G16』を試用してまず感心したのは、手にフィットするボディの持ちやすさと、心地良いシャッターフィーリングだ。ボディサイズは、コンパクトカメラとして特に小型とは言えないが、大きすぎず小さすぎない適度なサイズ感は、手にしっくりとなじむ。
AFは、シャッターボタンの半押しによってすばやく作動し、合焦と同時に電子音が鳴る。そして、そのままシャッターボタンを押し切ると、カシャというキレ味の鋭い疑似シャッター音が響き、撮影が完了する。この起動から撮影までの一連の流れが非常にスムーズであり、引っかかる点が何もない。今回初めて使ったカメラにもかかわらず、手に伝わるボディの質感や構えた時のホールド感、撮る瞬間のレリーズ感が私自身の感覚にとても合った。
操作性を自分流に細かくカスタマイズできる点もうれしいポイントだ。グリップ部にある電子ダイヤル、および背面にあるコントローラーホイールには、撮影モードに応じて好きな機能を割り当てられるほか、背面にあるショートカットボタンや動画ボタンについても、その割り当て機能の変更ができる。さらに、好きな設定の組み合わせを記憶する2つのカスタムモードも備えている。これらを自分の撮影スタイルに応じてきっちりと設定することで、いっそう使いやすいカメラに仕上げられる。
機能面では、輪郭の強調表示を見ながら操作できるマニュアルフォーカスや、撮影画像をクラウドに自動アップロードできるWi-Fi機能が便利だ。ほか、インターバル撮影と画像合成によって星の軌跡を静止画・動画で記録する星空モード、8種類の効果が選べるクリエイティブフィルターが結構楽しめた。

■キヤノン『PowerShot G16』をおすすめな人は??
高機能で携帯性、その両方を重視派に
フットワーク重視で気軽に持ち運べる小型軽量ボディでありながら、本格的なマニュアル撮影もできる高機能を備えることが魅力だ。多彩なエフェクト機能や、高速連写を楽しみたい人には最適。また、Wi-Fiによるスマホやクラウドとの連携機能を生かして、撮った写真をすばやくSNSなどで公開したい人にもおすすめできる。

キヤノン『PowerShot G16』 実勢価格:5万4800円

サイズ:W108.8×H75.9×D40.3mm 重量:356g 撮像素子:1/1.7型裏面照射型CMOSセンサー 有効画素数:1210万画素 液晶モニタ:3.0型液晶(約92.2万ドット) ファインダー:実像式光学ズームファインダー 光学ズーム:5倍(f=30.5~140mm相当) 解放F値:F1.8-2.8 手ぶれ補正機構:あり シャッター速度:1/4000~250秒 ISO感度:80~12800相当(拡張含む) 連続撮影枚数:約360枚
文・作例/永山昌克 撮影/松浦文生