ケータイジャーナリスト石野純也が世界のスマホ市場をレポートVol.01(後編)

WMNrogo_SF5

前編はコチラ

アジアではファブレットが
スマホのトレンドに

一方で、街中で人々が使っているスマホを見ると、縮尺がおかしいように思えてくる。画面のサイズが一回り大きいからだ。道端で画面を食い入るように見つめている人も少なくない。台湾のソニーモバイル・旗艦店を訪れてみたが、展示機の中で注目を集めていたのは『Xperia Z1』よりサイズの大きな『Xperia Z Ultra』だった。韓国ほどではないが、「GALAXY Note」シリーズを使う人を見かける機会も多かった。
海外へよく行く人はご存じかもしれないが、今、世界では「ファブレット」と呼ばれる大画面スマホがブームになっている。ファブレットに真っ先に火が着いたのはアジア圏で、台湾も例外ではない。先に挙げた『Xperia  Ultra』も、この市場を狙って開発された。ディスプレイは6.44型で、『Xperia Z1』に先がけ「X-Reality for Mobile」を採用し、映像の迫力や美しさにこだわった1台だ。タッチパネルの感度を上げ、鉛筆のような一般的なペンで手書きできるのも『Xperia  Ultra』の特長となる。
昨年6月に上海で発表され、海外では発売済みということもあり、台湾でも『Xperia  Ultra』を使うユーザーを見かけることができた。街頭での光景はあくまで一部のサンプルだが、この端末は、アジア圏の人々の心をしっかりと掴んでいるようだ。
日本ではまだファブレットが普及の道半ばにある。この分野を切り開いてきた「GALAXY Note」には根強いファンが付いたものの、まだ大ヒットには至っていない。同じ「Xperia」でも、話題になっているのはコンパクトな『Xperia Z1 f』で、5.0型でも大き過ぎるという声は耳にする。
ただ、こうしたトレンドは徐々に変わってくるかもしれない。理由の1つは、やはり使いやすさ。大画面スマホは、片手操作をあきらめさえすれば、実に使いやすい。1画面に収まる情報量が多く、タッチの必要があるリンクやボタンも大きくなる。
また、KDDIが今春商戦に「ファブレット」を推そうとしていることも、トレンドが変わるかもしれないと考える理由の1つだ。同社は冬モデルで初めて「GALAXY Note」を発売したが、春モデルにもファブレットが控えているらしい。
従来型ケータイでは世界をリードしていた日本だが、ことスマホに関しては海外を後追いしている。「iPhone」しかり、Androidしかり、普及は他国より一歩遅かった。ただ、元々ケータイでコンテンツを利用する文化が根付いていたこともあり、一度使うとトコトンまで使い尽くす。実際、コンテンツに対する支払いや利用頻度は、日本が圧倒的。ファブレットは、こうした日本市場の利用動向ともマッチしているのだ。

■台湾レポート②
台湾・韓国でも市民権を得ている
“ファブレット”をいち早く体験

review20140110_01

ソニーモバイルコミュニケーションズ製
Xperia Z Ultra
日本未発売
review20140110_02
▲『Xperia Z Ultra』は、「GALAXY Note」より大きな6.44型のディスプレイを搭載する。片手ギリギリの横幅はパスポートを参考にしただけに、掴み心地が良い。専用ペンの代わりに、鉛筆などで絵や文字を書ける機能も便利だった。

Vol.02「CESレポート」(前編)はこちら>>>


 

石野純也 プロフィール
出版社勤務時代に数々のケータイ関連誌を立ち上げた後、ケータイジャーナリストへ転身。今秋は電子書籍「ソーシャルゲームの最新トレンド!」(KADOKAWA)を上梓した。