ゲームレビュー/ゼルダの伝説 神々のトライフォース2(前編)

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2014年最初のゲームレビューは、発売前から注目度の高いこの作品。シリーズファンはもちろん、最近ゲームを始めた方にまで、みんなにおすすめできる面白さ!
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■納得のクオリティ
触れるごとに新たな感動があり
「好き」になってしまう

プレイヤーの心を掴んでいく手法はゲームによってさまざま。冒頭から否応なしに派手なイベントに巻き込んでいくのが最近のトレンドだが、遊んでいるうちにじわじわと冒険の面白さにハマっていくタイプのものもある。『ゼルダの伝説 神々のトライフォース2』は明らかに後者のタイプの作品だ。

プレイヤーの視点は、主人公の置かれた状況が一目でわかる見下ろし視点。一人称視点は臨場感やスリルがあっていいが、じっくり楽しむタイプのゲームである本作には、この見下ろし視点がよく合っている。敵と戦う時はもちろん、迷宮(ダンジョン)の謎に挑む時も、謎を解くための材料を見逃して理不尽な思いをすることが少ない。

また操作性もストレスを感じさせない配慮の行き届いたもので、プレイヤーが思いついた戦い方や謎の解き方をスムーズに実行でき、操作していてとても気持ちが良い。練習してクリアするアクション的な要素も少しだけあるが、あくまでアドベンチャーゲームやRPGらしい「考える楽しさ」がメインのゲームなのである。

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▲古くからのファンにはおなじみ、そして初めての人にもわかりやすい画面構成。ある程度移動すると画面がスクロールして切り替わるのは、プレイヤーの視線を「見て欲しい場所」に導くための手法だろう。

昨今は本作のようなわかりやすさ、遊びやすさを重視したタイプの作品は、ともすれば懐古趣味的なイメージで見られがちだ。しかし本作のプレイ感はレトロとは程遠い、実に新鮮なもの。
“コロンブスの卵”のような驚きのアイデアや、『ニンテンドー3DS』の機能をいかした謎、細かいところまで行き届いた工夫などによって、筆者は幾度となく感動させられた。その結果、本作に触れれば触れるほどに「好き」という気持ちが育まれていく。
意識し始めた異性の新しい面を知るたびに、さらに気持ちが膨らんでいくような感覚。……こういうことを恥ずかしげもなく書けるくらい(いや恥ずかしいのだが)、すばらしいゲームに仕上がっているわけです。

■「長さ」だけが遊び応えではない
1周遊んだだけでは
満足しきれない内容

さて、『神々のトライフォース2』への思いをぶちまけてしまったあとは、少しクールダウンして細部についてもお伝えしていこう。

今回の『ゼルダ』は主人公リンクが壁画になって壁の中を移動したり(同時に、今いる場所を別のアングルから見ることもでき、それが謎解きに関わることもある)、各種アイテムを自由にレンタルできたり、ハイラル王国の裏世界「ロウラル」が存在するなど、わかりやすい新機軸も多い。

話は脱線するが、ロウラルに初めて来た時に見た光景は本当に印象深いものだった。筆者はその時に感じた高揚感で、自分がいつの間にか本作に夢中になっていたことに気がつかされたほど。BGMの使い方もベタといえばベタなのだが、シリーズファンにはおなじみのあの曲が、鳥肌が立つほどカッコ良くアレンジされている。
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▲壁画になってしまえば、細い隙間に入ったり、床のない場所を壁伝いに移動することができる。3D立体視をいかしたビジュアルも美しく、特にロウラルでは立体視を絶対に切りたくないほど。

しかし本当に新鮮に楽しめたポイントは、各イベントのつながりが並列になっており、さらにその見せ方が「さすがは任天堂作品」と思える巧みなものだったことだ。
本作ではいくつもの迷宮やサイドストーリーがプレイヤーを待ち受けているが、クリアする順番は一定ではなく、プレイヤーに委ねられている。だが単に並列なだけでなく、メインの流れの中にさりげなく「まだ見ていない出来事(見逃しやすい出来事)」の情報が散りばめてある。そのため、1周目のプレイが終わっていないのにも関わらず、「2周目はこう進めたい、見逃したイベントやアイテムを探してみたい」という気持ちがむくむくと湧き上がってきてしまう。
ゲームを遊んでいて、2周目のプレイがこんなにも楽しみになったのは本当に久しぶりだ。

■まとめ
クールダウンしてお伝えするつもりが
興奮冷めやらずもうひと遊び

以上、ここまで本作の魅力についてお伝えしてきたが、ゲームを遊んでいる最中だけでなく、原稿を書くために記憶を思い起こしているうちに、このゲームに対する愛がさらに膨らんでしまった次第。それくらいよくできたゲームなので、シリーズへの愛があるなしに関わらず安心してプレイしてみていただきたい。
遊び始めは「ちょっと地味かも?」などと思うかもしれないが(筆者もそうでした)、いつのまにかこの魅力に引き込まれてしまうはずである。

次回のレビューではゲーム後半のプレイ感や、「すれちがい通信」を使ったバトルなどについて、少し冷静に戻った状態でお伝えしていこうと思う(笑)。

ゼルダの伝説 神々のトライフォース2
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●ハード:ニンテンドー3DS
●発売日:発売中(12月26日発売)
●価格: 4800円(パッケージ版/DL版)
●ジャンル:アクションアドベンチャー
●プレイ人数:1人
●メーカー:任天堂

公式サイト
http://www.nintendo.co.jp/3ds/bzlj/

©2013 Nintendo
※『ニンテンドー3DS』の3D映像は本体でしかご覧いただけません。掲載している画面写真は2D表示のものです。
文/高橋祐介