瞬撮AF!! キヤノンのミラーレス『EOS M2』

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キヤノン『EOS M2』は、一昨年の秋に発売された「EOS M」の後継となるミラーレスカメラ。シンプルで丸みを帯びた洗練されたデザインを受け継ぎながら、ボディサイズの小型化や、AFレスポンスの高速化、撮影機能の強化などといったブラッシュアップを図っている。
新機能としては、1回のシャッターで効果ありと効果なしの2枚を同時保存するエフェクトショットや、動き回る子供の撮影に適したキッズモード、食卓を鮮やかな色で記録する料理モードなどを搭載。またWi-Fi機能を新装備し、スマホやタブレット、プリンタなどとの連携がスムーズに行なえる。

■基本機能をチェック
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先代モデルからさらなる小型化
シャッターユニットやCMOSセンサーパッケージなどを見直すことで、従来モデルに比較して、ボディの体積と重量をそれぞれ8%低減している。

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シリーズ待望のWi-Fi標準対応
Wi-Fi機能では、撮影画像をスマホやタブレットに無線転送できるほか、スマホの液晶画面をタッチして各種設定の変更やリモート撮影が行なえる。

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EF-Mレンズに対応
専用のEF-Mレンズは、入門用に最適な標準ズームのほかに、パンケーキタイプの広角単焦点レンズと、超ワイドレンズの3本が用意される。

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マウントアダプタ装着でEF-Sレンズの装着も可能
写真は、一眼レフ用のEF-Sレンズを装着した状態。EF-Mレンズに比べてAFはやや遅くなるが、レンズ側の手ぶれ補正がそのまま機能するのはありがたい。

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改良されたモードダイヤル
モードダイヤルは従来の3ポジションから4ポジションに増え、従来はまとめられていた「かんたん撮影モード」と「応用撮影モード」が【1】【2】別々に選択可能になった。

■実力測定:作例
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キット付属の標準ズーム「EF-M18-55mm F3.5-5.6 IS STM」で撮影。このレンズは最短撮影距離が25cmと短いので、ちょっとした接写用途にも役立つ。撮影設定はほぼオートのままだが、にごりのないクリアな発色となり、花びらや葉っぱの質感までがリアルに再現されている。

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発色の調整機能としては、同社製品ではおなじみのピクチャースタイルを搭載。このカットはピクチャースタイルの「オート」を選んだが、狙いに応じて彩度やコントラストを細かく調整することも可能だ。またRAWモードで撮影して、現像時に色合いを整えるという楽しみ方もある。

■結論
キヤノン『EOS M2』を試用するにあたってまず注目した点は、AF速度がどのくらい高速化したか、ということ。このモデルの前身となる2012年発売の『EOS M』は、「EOS」ならではの安定した画質と「IXY」を思わせるシンプル薄型デザインを両立し、個人的にも物欲を大いに刺激された。しかしAF速度に物足りなさを感じ、最終的には購入を見送った。だからこそ、新製品『EOS M2』のAFには興味津々だったのだ。
結論を言うと、身近なスナップ撮影の範囲なら実用レベルにまでAFはスピードアップした、というのが率直な感想だ。「ハイブリッドCMOS AFII」によって、一眼レフ「EOS Kiss X7」のライブビュー時のAFとほぼ同じ速度を実現している。暗所での測距スピードや動体への追従性については、さすがに一眼レフには及ばないが、明るい屋外シーンなら大きなストレスを感じることはほぼない。しかもAFエリアが拡大し、画面の端近くにある被写体にもスムーズに測距可能になった。さらに、撮影直後に液晶画面が一瞬ブラックアウトする時間が短縮したことや、モードダイヤルの選択項目が細分化したことは、操作感を高めるうれしいポイントだ。
ボディについては、いっそうの小型化を達成。普段一眼レフのEOSを使用している筆者にとっては、交換レンズ1本を追加する感覚で、サブ機として気軽に持ち歩けることが魅力的だ。もちろん、レンズ交換式カメラの入門者なら、サブではなくメイン機として活用できるだろう。その場合は、標準ズームに加え、ぜひ単焦点のf=22㎜レンズの購入をおすすめしたい。開放F2の明るさと携帯性、高画質の全てを兼ね備えた広角レンズが使えることは「EOS M」シリーズの特権だからだ。コンパクトカメラの感覚で一歩上の画質を味わいたい人におすすめの1台だ。

■キヤノン『EOS M2』をおすすめな人は??
レンズ交換の楽しみを気軽に味わえる
「EOS Kiss」シリーズと同等の高画質を、小型ボディに凝縮。EVFやバリアングル非対応は残念だが、それ以外はバランス良くまとまった内容。常時持ち歩いて、目に留まったものを気軽にスナップする用途に打って付け。既にEOSの一眼レフを使っている人だけでなく、コンパクトからステップアップしたい人におすすめ。

キヤノン『EOS M2』
[ボディのみ]実勢価格:6万4800円[レンズキット]実勢価格:8万4800円[ダブルレンズキット]実勢価格:10万4800円[トリプルレンズキット]実勢価格:13万4800円サイズ:W10.4.9×H65.2×D31.6㎜ 重量:274g 撮像素子:APS-CサイズCMOS 有効画素数:1800万画素 液晶モニタ:3.0型液晶(約104万ドット) ファインダー:なし レンズマウント:EF-Mマウント 手ぶれ補正機構:なし シャッター速度:1/4000~30秒 ISO感度:100~25600相当(拡張含む) 動画記録形式:MPEG-4 AVC(1920×1080/30pまで) 記録メディア:SDメモリーカード(SDXC対応)
文・作例/永山昌克 撮影/松浦文生