エントリーニコン『D3300』、この春全方位進化!

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ニコン製一眼レフ「D」シリーズのエントリーモデル。従来機『D3200』から基本的なデザインを受け継ぎながら、センサーユニットのローパスレス化や連写の高速化、処理エンジンの改良、撮影機能の強化などを実現している。
機能面での見どころは、従来機で好評だった初級者向けの「ガイドモード」がさらに高機能化したこと。このモードを選ぶと、液晶画面に「撮る」「見る・消す」「編集する」「設定する」という4項目が表示され、ここから目的に応じて項目を選択していくだけで、各種の設定が簡単に。撮影の基本を学びつつ、少しずつステップアップしたい人に打ってつけの機能だ。

■基本機能をチェック
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ローパスフィルターレス採用
センサーには有効2416万画素CMOSを搭載。光学ローパスフィルターを省くことで、センサーが持つ本来の解像性能を引き出している。

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炭素繊維の新素材を用いたモノコックボディ
従来モデル『D3200』からの小型軽量化は、外装の変更と内部構造の見直しによって実現したもの。外装に炭素繊維による新素材を採用した上で、モノコック構造を取り入れることで、軽量ながら高い剛性を維持している。

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画像処理エンジンが刷新
画像処理エンジンに「EXPEED 4」を採用し、従来モデルから高感度性能を改善。最高感度はクラストップ級のISO25600に対応する。

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撮影を楽しく・快適にする機能が盛りだくさん
ガイドモードでは、液晶モニタに表示される解説テキストとサンプル写真を見ながら、ステップバイステップ式に作業を進められる。

■実力測定:作例
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光学ローパスフィルターレスの有効2416万画素CMOSセンサーによって、遠景の細かい部分までをシャープに再現。PCのディスプレイ上で等倍表示にすると、建物表面のちょっとした汚れや質感までがリアルに再現されていることがわかる。エントリー機とは思えぬ表現力だ。
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発色傾向をカスタマイズする機能としては、同社製品ではお馴染みのピクチャーコントロールを搭載。「スタンダード」のほか、落ち着いた色の「ニュートラル」や鮮やかな「ビビッド」など、6種類のイメージから選べるほか、彩度やコントラストなどを細かく調整することもできる。

■結論
2012年春に発売されたニコン『D3200』は、入門機にもかかわらず有効2416万画素という高画素センサーを搭載したことが話題になった。画素数だけを見るならフラッグシップ機『D4』さえも超える数値であり、A3以上の大判プリントにも適した高精細な写りが味わえる。個人的には、もはやこれで十分という気がしていたが、描写に対する同社のこだわりはまだまだ尽きないようだ。
今回試用した後継機の『D3300』では、画素数を据え置きつつも、新たにローパスフィルターレス化を実現。センサーやレンズが備える高解像性能をフルに引き出せるように改良された。ローパスフィルターレス化はこの価格帯の一眼レフでは初めて。この効果は大きく、実写では、遠景のディテールまでをきっちりと表現する解像感の高さを確認できた。この細部表現力という1点だけを見ても、実に贅沢なエントリー機であることがわかる。
ボディは、基本デザインを継承しつつ、さらなるコンパクト化を達成。併せてキットレンズの小型軽量化も図り、携帯性と取り回しの良さを高めている。ファインダーはこのクラスでは標準的な視野率95%のペンタミラーで、AFには11点の位相差検出センサーを搭載。動きのある被写体に対してもスムーズに合焦するAF性能には、ミラーレスに勝る一眼レフならではの魅力を感じた。しかも、高画素ながら連写は最高で秒5コマに対応。そのほかの操作感もスムーズで心地良い。我が子を記録するための運動会用カメラとしても活躍するだろう。
惜しいのは、ライブビュー撮影時のレスポンスがもの足りないこと。シャッター音が2回鳴ったように感じる、ライブビュー撮影時のミラーの動作音も気になる。この点はぜひ次世代モデルで解消してほしい。
ほか、付加機能としては、強化されたエフェクトモードや編集機能に注目。PCを使わずカメラのみでさまざまな写真表現が楽しめるのは手軽で良い。充実したヘルプやガイド機能を備えるなどビギナーに対する配慮も万全だ。一眼レフの入門機として、手堅くまとまったカメラと言える。

■ニコン『D3300』をおすすめな人は??
携帯性と高速AFの両方を重視する人に
最近はミラーレスカメラが人気を集めているが、動きものを撮る場合は一眼レフのほうが一歩上の性能であること、『D3300』のAFを使って再確認できた。携帯性を重視しながら、スポーツや子供などの動体を撮影したい人におすすめカメラだ。また、PCを使わずに、カメラ内でさまざまな補正や効果を加えたい人にも適している。

ニコン『D3300』/[レンズキット]実勢価格:7万4800円、[ダブルズームキット]実勢価格:10万4800円、[ボディのみ]実勢価格:6万4800円
【SPEC】サイズ:W124×H98×D75.5㎜  重量:460g  撮像素子:APS-CサイズCMOS  有効画素数:2416万画素  液晶モニタ:3.0型液晶(約92万ドット)  ファインダー視野率:95%(倍率0.85倍)  レンズマウント:ニコンFマウント  手ぶれ補正機構:なし  シャッター速度:1/4000~30秒  ISO感度:100~25600相当(拡張含む)  動画記録形式:MPEG-4 AVC(1920×1080/60pまで)  記録メディア:SDメモリーカード(SDXC対応)

文・作例/永山昌克 撮影/松浦文生