片手で持てる前人未踏の高画質!! 「小型4Kハンディカム」『ハンディカム FDR-AX100』

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世界で初めてハンディサイズで本格的な4K撮影を実現したモデル。レンズは新開発のカールツァイスバリオゾナーT*レンズで、レンズの前玉を大型化して光学的にも4Kを満足できるよう配慮。
広角端29mm相当の光学12倍ズームの仕様を持つ。絞りは7枚羽根の虹彩絞りとなっており、3段階のNDフィルターの採用とも相まって美しいボケ味が期待できる。手ぶれ補正は、ハンディサイズを優先して通常の光学式手ぶれ補正となった。画像処理エンジンは新世代「BIONZ X」で、録画形式は「XAVC S」を採用し、4Kは30p/24p、フルHDは1080/60p/30p/24pで記録される。

■基本機能をチェック

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従来比1/4の圧倒的な小型化を実現
『FDR-AX1』と比べ、体積比で約1/4、重量比で約1/3の小型化を実現し、片手で4K映像が撮影できる。高精細な4K映像をより身近なものとする。

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カールツァイス バリオゾナーT*レンズ
薄型非球面レンズ「AAレンズ」を含む11群17枚で構成された、新開発バリオゾナーT*レンズを採用。動画の周辺部まで高精細な描写を実現した。

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画質処理能力を大幅向上させる「BIONZ X」エンジン
「BIONZ X」とこれまでのノウハウを重ねることで、ディテール再現や低ノイズ化を実現。超解像ズームや4K静止画出力など新機能の搭載も叶えた。

■FDR-AX100の独自性

受光面積拡大で画質や映像表現に大きなプラス

1.0型センサーは従来の「ハンディカム」用センサーに比べ約4.9倍の受光面積を持つ。高解像度化はもちろん、暗所でのノイズ低減に大きく寄与。効果的なボケ味の演出にも役立つ。撮影者の声を抑えて撮影できる「マイボイスキャンセリング」は撮影に集中できる機能。HDMIマイクロによるテレビへの4K出力(24p/30p)が最大の特長で、4K動画を手軽に楽しめる。

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受光面積を拡大することで暗所特性の向上や低ノイズ化に大きな効果を発揮。画質への大きなメリットとなる。

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4KとHDの2通りの記録ができるので、必要に応じて使い分けられる。出力はどちらもHDMIケーブル1本。

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4KはXAVC Sで記録。HDはXAVC SとAVCHDの2つから選べる。

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撮影者が大声を出しても、方向を認識してそれを低減して記録。被写体とバランス良く音声を収録できる。

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メニュー内で「マイボイスキャンセリング」機能を「入」にすれば設定は終了する。

■豊富な撮影機能

高画質を支えるための豊富な撮影機能も完備

高画質実現にともない、撮影機能は多くないかと思いきや、バリエーションに富んだ機能を揃えている。高画質動画を自由に撮り下ろすためのマニュアル撮影機能は、ボタン式とダイヤル式のどちらも採用。Wi-Fi機能は、シリーズで初めて内蔵を実現している。ピクチャーエフェクトのような“遊べる”機能も備えて、幅広いユーザーが扱えるようになっている。

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マニュアルダイヤルにより、アイリス・ゲイン/ISO・シャッタースピードを状況に応じてすばやく変化可能。

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センサーに入る光量を調節するためのNDフィルターを2枚内蔵。1/4、1/16、1/64の3段階を用意した。

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Wi-Fi接続での動画アップロードのためにXAVC SあるいはAVCHDとMP4動画を同時記録。接続にはNFCを利用可能。

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7種類の「ピクチャーエフェクト」を搭載。画像の「ハイコントラストモノクロ」のほか、レトロな作風になる「トイカメラ」などさまざまな効果が得られる。

■使い勝手チェック

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ズシリとした重みは“4Kの重み”? 従来の「ハンディカム」との違いと言えばそれぐらいで、ほかの点に関して言えばモニタは大きく見やすいし、何の違和感もなくフルオートで4K撮影ができる。この身近さこそが本機最大の魅力なのだ。

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正直に言えば「空間光学手ブレ補正」に比べれば補正効果は落ちる。しかし手持ち撮影でも効果は十分。望遠側では息を殺して撮影すれば何とかなるし、徒歩撮影でも安定して撮影できた。「空間光学手ブレ補正」なしでも4K映像は問題なく撮れると認識していい。

■使い倒しインプレッション

手にすると、ややズッシリとした重みが伝わってくる。その大半は、非球面のAAレンズと色収差を抑えるEDレンズを含む11群17枚構成の新開発バリオゾナーT*レンズだと思われるが、構えると少しだけ前のめりな印象を持つ。バッテリーサイズによるバランス調整が必要と思われるが、いずれにしても4K化によってバッテリー消費が激しくなっていることも事実。これらを踏まえると、大容量バッテリーとの組み合わせをオススメしたい。
ズーム機能は広角端29㎜相当から光学12倍とやや望遠側に振った仕様で、室内撮影では広角端が狭く感じる可能性はあるが許容範囲内だ。借りた機材は最終版ではないため画質評価はできないが、以前メーカーで見せてもらった映像は、期待に十分に応えるものだった。
発売前製品のため詳しい描写は避けるが、参考動画では被写体が極めてリアルかつ風景を細部まで鮮明に映し出しており、その解像感たるやこれを見たらもうHDには戻れないと感じたほど。30p記録についても注意して見ていたが、全く不自然な印象はなかった。むしろ、「24pネイティブ記録」で撮影してフイルムテイストで撮影した方が雰囲気が出て良いのではないかと思ったほどだ。そして、1.0型センサーと7枚羽根の虹彩絞りとの組み合わせは美しい背景ボケも期待できた。
一方、本機はHDでの画質の良さも大きな売りとしている。4K実現のために開発された新フォーマット「XAVC S」は、HD記録でも有効で、50Mbpsものハイビットレートで圧縮ノイズの少ない高解像度映像を生み出すのだ。また、HD画質で120pのハイフレームレート撮影も可能で、24p環境で再生すれば最大5倍のスロー再生が可能。これも魅力の機能となるだろう。
豊富なマニュアル機能も特長の一つ。レンズリングはフォーカスとズームの切替式で、レンズ横のマニュアルダイヤルを使えばアイリス・ゲイン/ISO・シャッタースピードなどを調整可能。NDフィルターの内蔵も映像表現の幅を広げるのに役立つだろう。また、ピクチャーエフェクト機能で、映像の雰囲気を必要に応じて変えることもできるのだ。
身近な映像を4Kならではの高画質で残せる。そのよろこびに浸れるビデオカメラと言えるだろう。

■結論

「今」を4Kで記録する至福のよろこび

大切な人生の思い出となる「今」を4K画質で記録したい人には待望の一台となるのは間違いない。4Kテレビがなくても再生時はHD画質にリアルタイム変換するから4K記録でもOK。4Kテレビを手に入れれば、過去の思い出が新たな感動として甦るのだ。使い方は他モデルと基本的に同じ。4Kの感動を多くの人が実感できるビデオカメラなのだ。

■スペック

サイズ:W81×H83.5×D196.5mm 重量:915g 撮像素子:1.0型“Exmor R”CMOS(動画有効1420万画素) 液晶モニタ:3.5型(92.1万ドット) 手ぶれ補正:光学式(アクティブレンズ方式) F値:2.8~4.5 焦点距離(35mm換算値):29~348mm 光学ズーム:12倍 記録規格:XAVC S/AVCHD/MP4 記録メディア:SDXC(XAVC S:Class10)/SDHC/SD

文/会田肇 撮影/松浦文生