サブカメラが生み出す思い出撮影の新提案『HC-W850M』

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手軽に“ピクチャーinピクチャー”撮影を実現できる「ワイプ撮り」機能を搭載。メインカメラとサブカメラを併用して、メイン画面内の小枠に撮影者を映し込んだり、周辺の広域映像を映し込める。レンズには世界初の「4ドライブレンズシステム」を搭載して高画質・高倍率ズームとボディの小型化を実現。
大型センサーの採用は、夜や室内撮影で威力を発揮するだけでなく、虹彩絞りとの組み合わせで美しいボケ味も再現する。手ぶれ補正は徒歩撮影でも効果を発揮する「5軸ハイブリッド手ブレ補正」で、傾き補正機能も強化。Wi-Fi機能など先進のネットワーク機能も搭載する。

■基本機能をチェック

5軸ハイブリッド手ブレ補正+傾き補正
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光学式と電子式のハイブリッド化で、左右・上下だけでなく回転方向も加えた「5軸」で手ぶれを補正。傾き補正範囲も2倍に進化している。

画質劣化しない「iAズーム」
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20倍の光学ズームを、超解像技術により約50倍までほぼ画質劣化することなくズームアップ。明るさの面でも優位性を発揮する。

豊富なWi-Fi機能
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動画共有サービス「Ustream」を通じて、ライブ中継をしながらの動画記録も可能。スマホを使ったリモートコントロールにも対応している。

■HC-W850Mの高画質

スムーズな動作を生む画像処理エンジン

映像信号を高速処理する「クリスタルエンジンPRO+」を新搭載。高感度MOSセンサーとの組み合わせで鮮明な映像をもたらす。「スーパースロー」のなめらかな動きや、「ワイプ撮り」で実現する2画面同時撮影などもこのエンジンによるところが大きい。また、独自の「4ドライブレンズシステム」は高倍率ズームを高画質で実現。同時にボディの小型化にも貢献した。

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従来機比で演算速度は約1.5倍アップし、高度な処理を高速かつスムーズにする。また、新ノイズリダクションによって低ノイズ化も実現している。

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3つのズームレンズと1つのフォーカスレンズが同時に独立して駆動する独自のレンズシステム。高画質・高倍率ズームとボディの小型化を実現し、サイズ感を超えた高精細な光学20倍ズームと、画質劣化を最小限に抑えたiA50倍ズームの搭載を可能にした。

■独自の撮影機能

水平可動式カメラで実現した『ワイプ撮り』

水平方向に180度回転するサブカメラをモニタの左端に用意。サブカメラで捉えた映像をメインカメラで撮影した映像に「ピクチャーinピクチャー」として子画面を挿入する。挿入した子画面の枠は四隅に移動できるほか、枠のサイズを変更することも可能だ。サブカメラは自動焦点を採用。上下方向にはカメラ自体はできないが、モニタを動かすことで対応できる。

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モニタの左側に備えられたサブカメラ。焦点距離は37.2mm相当で最短撮像距離は30cmとなっており、撮影者を捉えるのにも丁度良いスペックだ。
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子画面サイズは大小が設定でき、画面表示位置はタッチ操作で上下左右の四隅へと移動させられる。状況に応じた使い分けが可能だ。

サブカメラの向きで3種類の「ワイプ撮り」を切り替え
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(1)前&自分撮り
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(2)前&となり撮り
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(3)ワイド&ズーム撮り
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サブカメラは水平方向に180度まで回転させられる可動式。指で回転させることで、好みの映像が子画面として挿入できる。上下方向はカメラ自体は動かせないが、モニタを動かすことで対応可能だ。

■画質チェック

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輪郭を自然に見せつつデティールもしっかりと再現している。発色も良好で緑の中に咲く山茶花も鮮明に表現できている。レンズの精度も高く、周辺部の歪みも十分抑えられている。虹彩絞りによる背景ボケも美しい。

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灯りで照らされている部分は白飛びすることなく、イルミネーション部分はしっかりと闇を表現。これだけ明暗差がある夜景映像にもかかわらずバランス良く再現できているのに驚く。ノイズの少なさも特筆ものだ。

■使い倒しインプレッション

『HC-W850M』を手にした時、誰もが試したくなるであろう新機能「ワイプ撮り」。その使い勝手は想像以上に使いやすく、楽しく利用することができた。モニタの左側に備えられたサブカメラは、水平方向に180度回転するもので、望遠撮影したメインカメラ映像内にワイプ映像として広域の映像を加えたり、手前側にグルリと向けて撮影者を映し込むことができる。
サブカメラを指で回せばパンニングしながらワイプ動画映像として周囲の状況を捉えることも可能。上下方向にカメラ自体は動かないが、モニタを上下回転させることで対応できることを考えると、『ワイプ撮り』は多彩な演出を動画に盛り込む際に役立つ機能と言える。
高い能力を発揮する撮影機能も見逃せない。本機は色再現性と高画質を追求するため従来からMOSセンサーの構造を一新し、セルサイズは従来機比で約35%もアップ。これによって有効エリアが拡大され、受光感度は大幅に向上している。それだけに暗所での撮影能力は驚くほど高く、しかもノイズはほとんど目立たない。夜空だってしっかりと沈ませるほどだ。これはまさにセンサーと映像エンジンの処理能力の高さがもたらした結果だろう。
一方で本体サイズはやや大きめだ。これは光学20倍もの高倍率ズームと、虹彩絞りを採用したことが影響している。それでも各レンズサイズと駆動域をコンパクトにする「4ドライブレンズシステム」により、そのサイズアップは最小限にとどめられているのだという。広角端こそ29.5mm相当と標準的だが、iAズームを併用した約50倍の超望遠撮影は迫力たっぷり。運動会のようなアクティブなイベントでも大いに力を発揮するはずだ。
手ぶれ補正は従来から引き継いだ「5軸ハイブリッド手ブレ補正」を採用するが、進化したのは「傾き補正」のアルゴリズムを見直して効果を2倍にまでアップしたこと。撮影中にカメラを傾けると、従来はカクッカクッと補正を行なっていたものが、ゆっくりとなだらかに補正を加えていく。必要に応じて効果を強/弱の二段階に切り換えられるようになった。
サブカメラなど多彩な機能は使うほどに撮影が楽しくなってくる。画質の良さも魅力で、撮影にこだわる人も満足できる一台となるだろう。

■結論

画質だけでなく映像表現にこだわる人向け

画質に優れ、撮影した映像に対する満足度はとても高い。加えて「ワイプ撮り」で使うサブカメラは撮影映像の幅を広げるのに極めて効果的。ボディはやや大きめだが、この画質と高機能を考慮すれば十分納得がいくレベル。手ぶれ補正などの撮影アシスト機能も多岐にわたり、画質と映像表現にこだわる人に最適な一台となるに違いない。

■スペック

サイズ:W65×H73×D161mm 重量:447g 撮像素子:1/2.3型MOS固体撮像素子(動画有効603万画素) 手ぶれ補正:5軸ハイブリッド手ブレ補正+傾き補正 液晶モニタ:3型(46万ドット) F値:1.8~3.6 焦点距離(35mm換算値):29.5~612mm 光学ズーム:20倍 記録規格:AVCHD、MP4 記録メディア:内蔵64GB/SDXC/SDHC/SD

文/会田肇 撮影/松浦文生