PS4ゲームレビュー/龍が如く 維新!(前編)

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もしも坂本龍馬が、新選組に入隊したら――。幕末に舞台に、「坂本龍馬=斎藤一」という驚天動地の歴史物語を描きだす『龍が如く 維新!』。『PS3』&『PS4』で、漢たちの魂が熱く燃えたぎる!
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■シリーズにおける立ち位置
予備知識は必要なし!
歴史のうねりに身を任せよ

「龍が如く」と言えば、眠らぬ歓楽街・神室町を舞台にしたアクションアドベンチャー。「伝説の極道」と呼ばれる桐生一馬の熱い生き様が胸を打つ、「PlayStation」を代表する人気シリーズだ。

その最新作『龍が如く 維新!』は、なんと幕末を舞台にした歴史もの。

「主役は坂本龍馬?」
「え、桐生一馬は登場しないんだ?」
「タイムスリップもの?」

そんな疑問を抱いた人も多いだろう(事実、私も何人かの友人に聞かれました)。というわけで、まずこの作品の立ち位置について、開発者でも何でもない私が勝手に述べておこう。

『龍が如く 維新!』は、「龍が如く」シリーズをベースにしたスピンオフ作品だ。とは言え、タイムスリップものでもなければ、桐生一馬も登場しない。「もしも桐生一馬が幕末に生まれていたら、こんな人物だったかも」「もしも坂本龍馬が桐生一馬の魂を持って生まれたら、こんな事件が起きていたかも」という“歴史if”を描いた物語、と解釈するのが妥当だろう。

そう言うとややこしく聞こえるかもしれないが、構える必要はない。シリーズの予備知識は不要、歴史の知識も不要(もちろん、どちらも備えていたほうが深く楽しめるが)。冒頭から激アツな展開が待ち受けているので、ハラハラしながら物語のうねりに身を任せればいい。とにかくエンタメ性、抜群です!

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▲シリーズとのストーリー的なつながりはないので、「龍が如く」に初めて触れる人にもおすすめ。ひねりのきいた幕末ものとしても楽しめる。

■ストーリー
師を殺したのは誰だ
復讐心を胸に、龍馬は新選組へ

幕末、四国の大藩・土佐は、苛烈な階級制度に支配されていた。現状を憂いた吉田東洋は、土佐藩の要職に就く身でありながら極秘裏にクーデターを企てる。「土佐勤王党」の武市半平太、江戸での剣術修行を終えたばかりの坂本龍馬は、師と慕う吉田東洋に賛同。そしてある夜、3人は土佐藩崩壊計画を始動すべく、高知城に集う。

しかし、彼らの身に予期せぬ事態が降りかかる。会談中、突如覆面の剣士が現われ、東洋を殺害! 父と慕う恩師を目の前で殺された龍馬は、復讐心を胸にたぎらせるのであった……。

それから1年、龍馬は倒幕運動に揺れる京にいた。素性を隠し、恩師の仇敵を探す龍馬は、やがて東洋殺害犯が「天念理心流」の使い手であると突き止める。

「天念理心流を使う者が、ある組織に集結しているらしい」

情報屋から大きな手がかりを得た龍馬は、「斎藤一」を名乗り、彼らの懐に入り込む。
その組織こそ、幕末最強の人斬り集団「新選組」だった――。

……というわけで、新選組に潜入した坂本龍馬=斎藤一の日々が開幕。ネタバレになるのであまり書けないが、敵方の懐に潜り込み、アクの強い新選組隊士たちとヒリつく毎日を送るのは非常にスリリング。さらに倒幕派と佐幕派が入り乱れる混沌の時代だけあって、日本そのものが大きく揺れ動くような歴史のダイナミズムを感じることができる(あ、佐幕とか覚えたばかりの単語を使ってしまいましたが、全然難しくないのでご安心を。平安時代で日本史の知識がストップしている私でも十分楽しめました)。これ、大河ドラマにしてもいいんじゃないですか!?

『龍が如く5』ではストーリーの長さに圧倒されたが、今回はコンパクトにまとまっているのもうれしいところ。1章終わるごとに前章のダイジェストが入り、1クール分の時代劇を観ているかのような気分で楽しめる。

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▲シリーズファンなら、登場人物に出会うたびにニヤついてしまうはず。なんと沖田総司は、刈り上げポニーテールが斬新すぎる真島の兄さん。錦山彰(岡田以蔵)を始め、本編ではすでに命を落とした人物が復活しているのもスピンオフならでは。

■バトル
刀、拳、銃、乱舞
4つのバトルスタイルの使い分けが新鮮

今回のバトルは、4つの“型”を使い分けて戦う新システムを採用。龍馬は「一刀の型」(刀)、「短銃の型」(銃)、「格闘の型」(素手)、「乱舞の型」(刀と銃の組合せ)を使うことができる。たとえ戦闘中でも、それぞれの型に対応した方向キーを押すだけで、即座にバトルスタイルを切り替えられるのだ。『龍が如く5』では複数の主人公を立て、キャラによって異なるバトルスタイルを楽しめたが、今回は龍馬1人でさまざまな型を使えるというわけ。一撃の当たりがデカい「一刀の型」、離れた場所から敵を攻撃できる「短銃の型」など、型によって操作感も特性も様々。短銃を連射してHPを削ってから、一気に間合いを詰めて素手で撃破……など、独自の戦術を編み出すのも楽しい。

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▲わが身を安全圏に置いて敵を撃つ「短銃の型」が使いやすいが、個人的には刀を手にした相手にも素手でガンガン突っ込んでいく「格闘の型」が好み。漢らしい!

もちろん、各バトルスタイルには威力絶大な「ヒートアクション」も用意されている。さらに、各バトルスタイルを使うほどに技が増えたり、さまざまな場所で出会う「師匠」から新技を教わったり、新技を閃く「天啓」を得たり、武器を錬成したり、成長要素も満載。これがハマり出すと、全てのスタイルを最強にしたくてつい熱中してしまう。敵との闘いぶりによってもらえる経験値も変わるため、街なかでのザコ戦にも真剣勝負で臨みたい。

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▲レベルアップ時にもらえる「魂球」を使って、各バトルスタイルの技や能力を解放していく。古牧老人との修行など、シリーズファンにはおなじみの展開も。

■まとめ
時間を忘れてどっぷり熱中
『PS4』ならさらにキレイ&便利!

早くストーリーを進めたい、でも横道にそれてもっともっと幕末を楽しみたい! プレイしている間中、そんなジレンマにウズウズしっぱなし。もう京の街を歩いてるだけで楽しいのなんの。というわけで、次回はサブストーリー、『PS Vita』との連携など本筋を離れたお楽しみ要素に迫っていこう。

なお、今回プレイしたのはPS4版だが、町並みの美しさ、動きの滑らかさにも大満足。PS3版はプレイしていないので『龍が如く5』との比較だが、ロード時間の短さなんて感動もの。ネタバレ回避のためか本編ではSHARE機能(動画やスクリーンショットをネットにアップロードしたり、ゲームプレイの生配信を行なったりする機能)は使えないのが残念だが、「闘技場」や本編クリア後のモードは撮影可能。増税前の今こそ、『PS4』ごと買っちゃってはいかがでしょうか。

龍が如く 維新!
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●ハード:PlayStation 4/PlayStation 3
●発売日:発売中(2月22日発売)
●価格:8190円(税別)
●ジャンル:アクションアドベンチャー
●プレイ人数:1人
●メーカー:セガ

公式サイト
http://ryu-ga-gotoku.com/ishin/

©SEGA
文/野本由起