PS4ゲームレビュー/METAL GEAR SOLID V: GROUND ZEROES

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本日発売の『METAL GEAR SOLID V: GROUND ZEROES』のタイミングに合わせ、主にPS4版のプレイ感をレビュー。新たな時代の「MGS」はどのように変化するのか? ゲームファンは必読!!
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■ファーストインプレッション
より精緻に よりナチュラルに
“自分がその場に隠れている気分”になれる

情報収集に余念のないゲームファンであれば既にご存知の通り、今回の『METAL GEAR SOLID V: GROUND ZEROES』(『MSGV:GZ』)は本篇となる『METAL GEAR SOLID V: THE PHANTOM PAIN』(『MGSV:TPP』、発売日未定)のプロローグ的な位置づけと言える作品。より広大なマップで、天候や時間変化の概念もあるという本篇の完成はもう少し先ということなので、当然細かい改良も加わるだろう。とは言え『MSGV:GZ』をプレイすれば、『MGSV:TPP』という大作の大枠を知ることができ、新しい時代のゲームの楽しみ方に触れられるわけだ。

またストーリー的には、『メタルギア ソリッド ピースウォーカー』から『MGSV』への橋渡しをする作品でもある。シリーズファンとしてはこの一点だけでもうれしいはず。
なお、このインプレッションは2月に行なわれたメディア向けのイベントでのプレイを元にしたもの。PS4版だけでなく、PS3版やXbox 360版もプレイした上でまとめていることをあらかじめお伝えしておく。
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▲プレイしてまず気に入ったポイントは、操作の手触りがとても自然で、ストレスが少ない点。初めてのプレイにも関わらず、主人公スネークを思い通りに操れるので、いつの間にか自分が“スネークになって行動している”気分になっていたほど。コントローラーのボタンの割り振りもクセのないもので、用意されていた操作説明の用紙をほとんど見ることもなく、ひと通り試しているうちに把握できてしまった。

もし、シリーズは初めてという方でも、最近のFPS(一人称視点シューター)やアクションゲーム、アクションアドベンチャーなどをプレイしたことがある方であればすんなり慣れることができるだろう。操作感のハードルは低い印象。
また、プレイヤーの操作によって生まれるスネークのモーションも実に“上質”。キャラクターの動きに操作感が邪魔されることがなく、かつ動きが省略されすぎない絶妙なバランスを保っている。

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▲たとえば匍匐(ほふく)状態でもさまざまな方向を銃を撃つことができ、プレイヤーの照準の操作に合わせてスネークが仰向けになってくれたりもする。意外かもしれないが、こういう所がしっかりしているゲームは数少ない。

そして敵の目を欺く方法も、従来の物陰や草むらを使ったものだけではなく、「光のあたらない暗い場所でじっと動かない」という方法が加わっている。厳密に言えばこれまでのシリーズにも同じような隠れ方はあったが、特定の場所だけではなく、あらゆる場所で使える手となっている。
となれば、敵基地の照明器具や配電盤にあれこれと工作をほどこすのは基本テクニックと言ってもかまわないだろう。ただ、そうした工作が最大限の効果を発揮するのは夜の時間帯。太陽という光源がある昼間は、夜とは違った影の活用法を考える必要がある。

あまり例をあげてしまうとこれからプレイする人の興を削いでしまうので控えめにしておくが、この他にも隠れ方や、敵の欺き方はいろいろと存在する。さまざまなコースを辿りつつ繰り返しプレイすると、本作の面白さをより深く味わえるはずだ。

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▲敵の思考もよりクレバーになっているので、誰かが侵入しているということがバレていれば、破壊工作は侵入者による工作だと疑われてしまう。これさえやっていればOKという安易な解法はない。こういった面でも“ナチュラル”なのだ。

■遊びの要素も豊富
ときに荒々しく、ときにスマートに
豊富な遊びの要素を楽しめる

しかしこの『MGSV:GZ』というゲーム、けして潜入任務をこなすだけのゲームではない。敵に見付かってしまった時はいっそ開き直り、思う存分暴れまくってもいいのだ。

こちらに迫ってくる装甲車の攻撃を紙一重でさけ、遮蔽物を使って死角に回り込み、敵兵から無反動砲を奪って反撃するといったランボーばりの戦い方がうまくいくと、えもいわれぬ爽快感がある。あるいは、近くにあった対空砲座を水平射撃し、装甲車はもちろん、周囲の敵兵や基地施設もろともなぎ倒すといった(!)、「ジャンゴ」や「ワイルド・バンチ」ばりのロマンあふれる戦い方もできるのである。

もちろんあげた例はほんの一部。本作をプレイされる方は各自、色々な戦い方を試していただきたい。そして、こうした「圧倒的な楽しさ」という誘惑に打ち勝ち、隠密の美学や、不殺の思想を貫くことができれば、そこにはより大きな意味や達成感が生まれるのではないだろうか。

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▲本編クリア後にプレイできるようになる数個のサイドオプス(サブシナリオ)の中には、ヘリの機内から地上の敵を撃ちまくり、意外な人物を援護するものがあり、個人的にはこのサブシナリオも気に入っている。

また、プレイヤーが持っているスマートフォンやタブレットなどを、マップやミッション情報を表示できるセカンドスクリーンとして利用できるのもおもしろい要素だと感じた(コンパニオンアプリのインストールが必要)。ゲーム専用のタッチデバイスには専用ならではの快適さがあるが、普段持ち歩いているデバイスを活用するのにもまた別の良さがある。それを使うことでキャラとの一体感が増したり、そのデバイスへの愛着が深まり、持ち歩くことがより楽しくなるのだ。また、ゲーム機から離れている時もコンテンツの一部を持ち歩くことができるので、次にじっくり遊ぶ時まで時間が開いてしまう時も「ゲームから離れた」気持ちになりにくい。

単純に機能面を見ても、ゲーム中にマップを確認したり、ミッションの情報を確認する上でかなり役立つものなので、iOSやAndroidのタブレットを使っておられる方はぜひお試しあれ。

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▲ゲーム内のスネークも「iDROID」なる情報端末を使い、マップやミッション情報を確認する。ただ、「iDROID」を操作している時もゲーム内の時間は止まらないし、スネークの操作は制限される。とは言え、スネークの気分をリアルに味わうために、あえてゲーム内の「iDROID」を操作するのも1つのスタイルだ。

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PS3版、PS4版に収録されているデジャブミッションでは、初代『メタルギア ソリッド』の場面を再現した写真を録ることがミッションの目的だが、コンパニオンアプリをダウンロードした、スマホやタブレットなどのセカンドスクリーンがあるのと無いのとでは探しやすさがかなり違う。テレビ画面とセカンドスクリーンを見比べられるメリットは大きい。

■まとめ
かなりの遊び応えに
本篇の完成が待ち遠しい!

以上、本篇をすぐに遊べないことがもどかしくなるほど、完成度が高い『MGS:GZ』。プロローグ的な作品とは言え遊びの要素は充実しており、ちょっとやそっとでは遊び尽くせない作品になっていることは身を持って感じた。筆者もプライベートでじっくりと遊んでみたい。

また各ハードによる違いについてだが、PS3版やXbox 360版でも美しいビジュアルを楽しめる。操作感や、大きなゲーム体験はほぼ同一だと感じた。
しかし、PS4版の映像の精細感、より光源の増えた自然なライティング、空気感、なめらかな描画、エフェクトなどは新ハードの性能を体感する上で絶好のサンプル。特に60fpsで動いている場面は、操作していてとても気持ちが良い。『PS4』をお持ちの方や、早めの購入を考えている方はPS4版で絶対本作を触れてみるべきだ。
もちろんまだ様子見という方もPS3版やXbox 360版をプレイして、それがよりすばらしくなる『MGSV』本篇へのイメージを広げてみてほしい。

なお、3月25日発売の本誌デジモノステーション『MGSV:GZ』の記事では、小島秀夫監督へのインタビューを掲載している。『MGSV』の制作にかける思いや、新ハードの時代にどのように勝負していくかなどについて、興味深い話を聞いている。
ぜひ読んでいただければ!

METAL GEAR SOLID V: GROUND ZEROES
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●ハード:PlayStation 4/PlayStation 3/Xbox One/Xbox 360
●発売日:発売中(Xbox One版:発売日未定)
●価格:【PS4版】2839円/2362円(パッケージ版/DL版ともに税別)
【PS3版】2839円/2362円(パッケージ版/DL版ともに税別)
【Xbox One版】価格未定
【Xbox 360版】2839円/2477円(パッケージ版/DL版ともに税別)
●ジャンル:タクティカル エスピオナージ オペレーション
●メーカー:KONAMI

公式サイト
http://www.konami.jp/mgs5/gz/jp/

© Konami Digital Entertainment

文/高橋祐介