2014年の最新スマホ事情をレポート(後編)

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2月下旬にバルセロナで開催された「Mobile World Congress」は、携帯電話関連の展示会として世界最大の規模を誇る。そこから見えてきた、グローバルの最新スマホ事情に迫った。

各社が熱視線を注ぐ、手つかずの新興市場

ウエアラブルはスマホの体験を縦方向に深めるためのアイテムだが、一方で横方向にスマホ自体の数を広げるのもメーカーが採れる戦略の1つだ。そうはいっても、残された市場はそれほど多くない。先進国には、ある程度の機能を持ったスマホが行き渡りつつあるからだ。高価なフラッグシップモデルだけでは、新規のユーザーはなかなか見込めない。
こうした中で熱い視線が注がれているのが新興国市場。MWC全体のテーマにもなっており、例年以上に多彩な取り組みが見られた。
特にインパクトが大きかったのは、モジラ財団の「Firefox OS」だ。日本では、KDDIが14年度内の製品化を目指し、開発が進められている。このFirefox OSを利用した、25ドルのスマホ用プラットフォームが発表された。モジラ財団は中国のチップセットメーカーSpresdtrumとタッグを組み、メーカーがそのまま利用できる“リファレンスモデル”を開発。このプラットフォームを、より広い地域に展開するための武器にしていく方針だ。
また、ミドルレンジ端末が東欧などで徐々にシェアを伸ばしているWindows Phoneも、より低価格な端末を開発できるような仕組みを取り入れていく。マイクロソフトは、Windows Phoneをクアルコムの『Snapdragon200/400』といった安価なチップで動作するようにした上で、中国やインドで一般的な高速通信規格TD-LTEにも対応させ、これらの地域で人気の高い「デュアルSIM」もサポートする。
このデュアルSIMは、2枚のSIMカードを同時に挿して利用するための仕組みのこと。陸続きで国境を越えやすく、国際ローミングの利用は所得的にハードルの新興国市場では必須とも言える機能になっている。対応はAndroidが先行しており、MWCに出展されていたミドルレンジ以下のモデルにも多く採用されていた。例えば、ソニーモバイルは『Xperia Z2』と同時に、普及価格帯の『Xperia M2』を発表したが、この機種も国によってはデュアルSIM対応で発売される予定だ。
マイクロソフトがWindows Phoneのラインナップを下に広げようとする一方で、傘下になる予定のノキアはAndroidをWindows Phone風にカスタマイズした『Nokia X』シリーズで新興国を狙う。親子の足並みが揃っていないようにも見えるが、市場でかつてのような存在感を示せていない現状を考えると、なりふり構っていられないというのがノキアの本音なのかもしれない。

■ 今年のモバイルトレンドをチェック!!
25ドルの格安スマホ
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モジラはSpreadtrumと提携。25ドルで販売できるFirefox OS端末のベースを作成。

Windows Phone
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マイクロソフトは、Windows Phoneの規制を緩和。格安スマホが作れる土壌を整えた。

クアルコムの最新CPU
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クアルコムも新興国重視。CPUの64ビット化、オクタコア化はミッドレンジから。

デュアルSIM
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2枚のSIMカードを使える「デュアルSIM」も、ミッドレンジ以下の機種ではトレンド。

※ 次回は4月20日に最新記事をアップ予定。
デジモノステーション2014年5月号ではフル版をP123ページにて掲載中!!

前編はコチラ

取材・文/石野純也


石野純也 プロフィール
出版社勤務時代に数々のケータイ関連誌を立ち上げた後、ケータイジャーナリストへ転身。昨秋は電子書籍「ソーシャルゲームの最新トレンド!」(KADOKAWA)を上梓した。