“こだわり”が凝縮!! クラシックな最先端ミラーレスカメラ『FUJIFILM X-T1』

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『FUJIFILM X-T1』は、「X-Trans CMOS II」センサーを搭載したミラーレスカメラだ。このセンサーは、周期性の低いカラーフィルター配列を採用することで、モアレや偽色の発生を抑えながらも、ローパスレス化を可能にした同社独自のセンサー。レンズ性能をフルにいかしながら高精細な画像を得られるようにしている。その上で、センサー上にAF用の位相差画素を配置。コントラストAFに位相差AFを組み合わせることで、スピーディなAF駆動を実現している。
ボディは中央にEVFを配置したクラシックなデザインを採用。内蔵フラッシュは非搭載で、小型の外付フラッシュが付属する。

■基本機能をチェック
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ダイレクト感のある
ダイヤルオペレーション
各種のダイヤルは、ファインダーを覗いた状態でも操作できるような場所に配置。たとえビギナーであっても、慣れるほどに直感的な操作が可能になる。

 

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世界最大のファインダー倍率を実現
表示モードも自在に変更可能
ファインダー(EVF)には236万ドットの有機ELを搭載。ファインダー倍率は0.77倍となり、デジタルカメラでの世界最大の倍率をうたっている。しかも0.005秒というファインダー表示のタイムラグは、同社従来製品の約1/10以下をマーク。もちろん、こちらも世界最短を誇る。

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撮影シーンを拡げる
タフスペック
同社「X」シリーズでは初の防塵・防滴構造と-10度の耐低温性能を実現。雨や雪、海辺などの悪条件下でもカメラのことを気にせず撮影できる。

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超高速な
新型SDカード対応
最高312MB/秒の転送速度を持つシリアルバスインターフェイス規格「UHS-II」に、デジカメでは初めて対応。スピーディな書き込みが可能だ。

■実力測定:作例
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オートで撮影したカットだが、彩度やシャープネスに誇張は見られず、その場で感じた印象をリアルに再現できている。影になった部分は黒つぶれせず、ハイライトからシャドウまでの階調を美しく描写してくれた。A3以上のプリントにも堪える精細感の高さも確認できる。

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発色傾向をカスタマイズするフィルムシミュレーションモードを「Velvia/ビビッド」に設定することで彩度とコントラストを高め、花や葉っぱをいっそう濃厚かつ艶やかな色で表現。と同時に、絞りを開放値にセットすることで背景部分を適度にぼかし、立体感を強めている。

■結論
富士フイルムのミラーレスカメラ「X」シリーズは、2012年に第一号機『FUJIFILM X-Pro1』を発売して以来、フイルムカメラを思わせるレトロなデザインとアナログライクな操作性を一貫して追求してきた。その「極めつけ」と言えるのが今回新登場した、同社ミラーレスでは6台目の製品『FUJIFILM X-T1』である。
『X-Pro1』など、これまでの5製品はレンジファインダーカメラ風の箱型フォルムだったが、本モデルはペンタプリズムを彷彿させる三角形の意匠をボディの中央に配置。その姿はまるで一眼レフ。オールドカメラファンなら、1970年代に発売された同社の一眼レフ「フジカST」シリーズを思い出す人もいるだろう。
さらに軍艦部と呼ばれるボディ上部には、シャッター速度ダイヤルと露出補正ダイヤル、感度ダイヤル、測光ダイヤル、ドライブダイヤルを配置。レンズ部に備えた絞りリングと併せ、これらの設定値をアナログ操作ですばやく変更可能になっている。ファインダーや液晶モニタの表示をいちいち確認せずにカメラの状態を把握できることもこのアナログ操作の利点だ。
実際の試用では、ファインダーの見やすさに何より感心した。表示が大きくて明るい上に、精細感が高く、追従性も良好。初めて覗いた時は、光学ファインダーだと一瞬、勘違いしたくらいだ。しかし、本モデルは一眼レフではなくミラーレス。ファインダーは光学式ではなく電子式である。露出や発色、ボケの状態などをリアルタイムに確認しながら撮影できることや、2つの画面を同時に表示できること、水準器やグリッドラインなどさまざまな情報を重ねて表示できることなどは、一般的な一眼レフに勝る利点と言っていいだろう。ミラーレスの誇る美点をいかし切っている。
そのほか、カスタマイズ可能なボタンが6つもあることや、画質傾向を細かく調整できる点も気に入った。撮ること自体を思う存分に楽しめるカメラである。単焦点レンズを中心に充実したレンズラインナップも魅力的だ。

■『X-T1』をおすすめな人は??
自分の手で操作する楽しみを味わいたい人に
フイルムカメラの感覚を味わえることが最大の魅力。フイルムの一眼レフに慣れ親しんで経験がある人にとっては、本モデルの操作系はすんなり受け入れられるだろう。いっぽうでフイルム経験がない人にはとっては、ほかのデジカメとは少し違った操作系が新鮮に感じるはず。趣味として写真撮影を楽しむ人に幅広くおすすめだ。

富士フイルム
FUJIFILM X-T1
[レンズキット]実勢価格:18万7580円
[ボディのみ]実勢価格:15万4070円
SPEC サイズ:W129.0×H89.8×D46.7㎜ 重量:440g 撮像素子:APS-CサイズCMOS 有効画素数:1630万画素 液晶モニタ:3.0型液晶(約104万ドット) ファインダー:0.5型236万ドットEVF(有機EL) レンズマウント:富士フイルム Xマウント 手ぶれ補正機構:なし シャッター速度:1/4000~30秒 ISO感度:100~51200相当(拡張含む) 動画記録形式:MPEG-4 AVC(1920×1080/60pまで) 記録メディア:SDメモリーカード(SDXC/UHS-II対応)

文・作例/永山昌克、撮影/松浦文生