テスラ『モデルS』をメカドック作者・次原隆二が切る!

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■基本性能をチェック
電気自動車(EV)の注目度が高まるのに呼応するように、多くのEVを手掛けるベンチャーが生まれているが、その中でも別格の勢いがあるのがシリコンバレー発のEVベンチャー「テスラモーターズ」。『モデルS』は、その「テスラ」が世に出す2台目のEVであり、初めて自分たちで車体から設計を手掛けたモデルでもある。
IT分野で活躍してきた経歴を持つメンバーが起こした会社だけに、そのクルマ作りも非常にユニーク。ノートPCに使われる形状のリチウムイオン電池(内身は異なる)をバッテリーとして使用している。
「小さい電池を数多く積むというのはシリコンバレー的な発想だと思います。小さなサーバーを数多く集めて、データセンターのリスクを分散しているのと似ています」と語るのは同社の広報・土肥亜都子氏だ。航続距離は500㎞オーバーで、一般的なEVで心配される航続距離の短さとは無縁だ。複数の充電方式に対応し、200V充電なら1時間で約85㎞の走行が可能になる。
車内に乗り込むと、まず目に付くのが大きな(17型サイズ)タッチパネルモニタ。このモニタには地図やナビゲーションを表示できるだけでなく、エアコンやシートヒーターの効き具合、それに車高やハンドリング、加速などの特性変更までできてしまう。画面を指でなぞるだけでセッティングが変更できる感覚は、クルマというよりスマホやタブレットに近い。3G回線でネットワークとつながっているのでWebサイトの閲覧なども可能だ。

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▲円筒形の「18650」と呼ばれるサイズのリチウムイオン電池をバッテリー容量に応じて床下に搭載。車体中央の低い部分に置くことで低重心化を実現し、安定したハンドリングに貢献する。

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▲17型のモニタにバックカメラの映像やGoogleマップやバックカメラ映像の表示のほか、シートヒーターの温度コントロールや、ハンドリングや車高の調整、サンルーフの操作などが全てできる。

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■実走レビュー
排気管やドライブシャフトを持たないため、車内はガソリン車と比べても非常に広く、音や振動がないため異次元の快適さ。大容量のリチウムイオンバッテリーを床下に搭載することにより、500㎞という圧倒的な航続距離と、低重心化による安定したハンドリングを実現している。
「ハンドリングや回生ブレーキの効き方、車高などは全て車内のタッチパネルモニタで設定が可能です。個人アカウントを登録しておけば、個別にシート位置などの設定を保存できるので、例えば旦那さんと奥さんでそれぞれにアカウントを登録しておけば、アカウントを切り替えるだけで設定も変更可能です」と語るのは同社の広報・土肥亜都子氏。PCのアカウントを変更するのと同じような感覚で、ポジションなども変更できる感覚が新鮮だ。
エンジン音や振動のないEVであることに加え、遮音にこだわったという車体は通常のエンジン車とは異次元の静粛性と高級感ある乗り心地を達成。車重は2トンを超えるが、回転ゼロから最大トルクを発揮する電気モーターの特性もあって、その重さを感じさせない加速感を味わえる。重量物であるバッテリーを床下に収納しているため、ハンドリングも車重を感じない俊敏さだ。
回生ブレーキを最も効かせる設定としておけば、アクセルペダルを戻すだけで減速してくれるため、赤信号で止まらなければならない時など以外は、ほぼ右足だけで車速をコントロールできる。その直感的に操作できる感覚はスマホやタブレットに初めて触れた時の感覚に近い。
ドライブシャフトなどのない車内はフラットで、足元も広く、乗り心地の良さもあっていつまでも乗っていたくなる快適さだった。

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■メカドック作者・次原隆二の眼
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乗り込んですぐ、タブレットのより大きいモニタに驚きましたが、それでナビやエアコンだけでなく、車高やハンドリング、加速の特性まで変更できると知ってさらにびっくり。完全にスマホやPCの感覚でカスタマイズできる時代になりそうですね。
走り出すと、まず圧倒的な静かさにビックリ。エンジンの音や振動が全くないので、従来のクルマとは異次元の高級感でした。アクセルに対するレスポンスも鋭く、アクセルを戻せば回生ブレーキが効くので右足だけで直感的に操作できました。

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テスラモーターズ
モデルS
価格:823万円~
最大出力:225kW/270kW 最高時速:190km/200km 電池容量:60kWh/85kWh 航続距離:390km/502km

イラスト/次原隆二 文/編集部