クラス初の防塵防滴化を実現、富士フイルムの最新ウルトラズーマーを体験

望遠側の焦点距離が35㎜判換算で1000㎜オーバーとなる超望遠に強いデジカメが増えている。富士フイルム『FinePix S1』もそんな高倍率ズーム機の1つだ。

ズーム倍率は50倍を誇り、35㎜換算の焦点距離は24~1200㎜に対応。まるで望遠鏡を覗いているような感覚で、遠景にある小さな被写体を大アップで捉えられる。「試用して、まずこの超望遠の威力に、ワクワクするような面白さを感じた」と話すのはプロカメラマンの永山昌克氏。試用してみた感想を聞いてみた。

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超望遠を快適に楽しむための、細かい配慮が見逃せない。その1つは鏡胴部に設けたズームアウトボタンだ。超望遠撮影では小さな被写体をファインダー上で見失うと、再び捉えるのに一苦労するが、このボタンを押せば一時的にズームアウトするので被写体をすぐに見つけられる。そしてボタンから指を離せば、再び元のズーム域に素早く戻せるのも便利だ。

また、ズームレバーを2カ所に設けたことで、どんな体勢でもズーム操作がしやすいことや、グリップ部と鏡胴部に張られたラバーによって、指に吸い付くようなフィット感と安定したホールディングが得られることにも好印象を受けた。

もう1つの大きな特長は、このクラスでは初の防塵防滴に対応すること。雨天や海辺などの悪条件でもカメラのことを気にせずに撮影できることは何よりありがたい。

個人的に惜しいと感じるのは、外観デザインがやや平凡で、業務機のような生真面目すぎる雰囲気を感じること。ここは好みが分かれる部分だろう。

撮影機能は非常に豊富で、押すだけのフルオートから凝ったマニュアルモードまで幅広く搭載。特にマニュアルフォーカス時のピーキング表示や、RAW記録に対応することはこだわるマニアにはうれしいポイントだ。また連写は10コマ/秒と素早く、起動やAFも高倍率ズームとしては高速の部類と言える。より高価な一眼レフのスピードにはさすがに及ばないものの、コツさえつかめば動きのあるシーンを撮ることも可能だ。

レンズ交換の手間をかけずに、広角から超望遠までの撮影を気軽に楽しめるカメラとして非常に中身の濃い製品に仕上がっている。

富士フイルム『FinePix S1』のレビューはこちら>>>

富士フイルム『FinePix S1』(実勢価格=3万7000円)
富士フイルム『FinePix S1』(実勢価格=3万7000円)