イマイチ写真が劇的に生まれ変わる! “トイレンズ”のススメ

「せっかくミラーレスカメラを買ったのに、写真がどうもパッとしないなあ……」

もしもそんな風に悩んでいる人がいたら、別のレンズを試すことをオススメしたい。「でも交換レンズってお高いんでしょ……」と躊躇しているそこのアナタも心配無用! 安くて楽しいレンズがちゃんとあるんです。その名は「HOLGAレンズ」。

「HOLGA」は、香港生まれのチープなトイカメラの総称。「HOLGA」を使えば、像が歪んだり、画面の四隅が暗く写ったり(トンネル効果)、光漏れが生じたりするなど、高画質とはほど遠い風変わりな写真が手軽に撮れて、一部のカメラマニアや写真愛好家などに支持されている。最近ではスマホユーザー向けに「トイカメラ風」に撮影できるカメラアプリが多数出ていたり、デジカメにも同様の機能を備えた機種が増えたので、ご存じの方もいるだろう。そして今回紹介する「HOLGAレンズ」は、一眼レフカメラおよびミラーレスカメラでもHOLGAのゆるい画質が手軽に楽しめるトイレンズだ。

news20140508-08
▲トイレンズで撮影すると、通常のレンズ(左)と比べてトイレンズ(右)のほうが画面の四隅が暗くなり、不鮮明で褪色した画質になる。この写真のように、蒸気機関車のような年季の入った被写体との相性も抜群。

「トイカメラモードがあれば、トイレンズは不要では?」と思う人もいるだろう。たしかにトンネル効果や甘い描写だけを求めるならば、デジカメ内蔵のトイカメラモードを利用すればいい。しかしトイレンズを使えば、トンネル効果と併用してモノクロやセピアで撮影したり、RAW形式で記録できたり、ミニチュアや絵画風といった他のモードも活用できたりする。それに何といっても、新しいレンズがコレクションに加わる喜びが味わえるのだ。では、さっそくトイレンズの魅力に迫りたい。

news20140508-01
▲写真はソニーのEマウント向け『HL-SN』。マニュアルフォーカス、焦点距離は35mm判換算で37.5mmなのでiPhoneのカメラに近い画角で、絞りはF8固定、重さは約28グラム。実売価格3210円。この他に、ニコンFマウント、キヤノンEFマウント、ペンタックスKマウント、マイクロフォーサーズマウント、ニコン1マウント、キヤノンEF-Mマウント、ペンタックスQマウント向けのレンズもラインナップ。

news20140508-02
▲画面四隅の暗さを調整できる「ブラックコーナーエフェクター」を搭載。レンズのリングを風景マークから人物マークへと回転させていくと、トンネル効果が強くなり、ピントの位置も手前に移動する。

news20140508-03
▲本レンズはAPS-Cセンサー搭載機向けの製品のため、「α7」シリーズで使う場合は「APS-Cサイズ撮影」を「入」にする。フルサイズセンサー対応製品の登場に期待したい。

news20140508-04a news20140508-04b
▲左が標準ズームレンズ『FE 28-70mm F3.5-5.6 OSS』で、右が『HL-SN』で撮影したもの。レンズという製品はより鮮明で歪みのない描写を追求するのものだが、『HL-SN』はその真逆と言っていい。このチープな画質を作品づくりに生かせれば、さらにトイレンズが楽しくなること請け合いだ。

news20140508-05a news20140508-05b
▲トイレンズを装着した状態で、スタンダードモードとトイカメラモードでそれぞれ撮り比べてみた。後者の画面中央が白とびしている以外はかなり似た描写だ。スンタンダードモードで撮影する場合、ホワイトバランスを「晴天日陰」や「電球」に設定して色味を大胆に変えると、よりトイカメラ風の仕上がりになる。

news20140508-06
▲飛鳥山公園に展示されている都電荒川線の古い車両をセピアモードで撮影。セピアモードとトイレンズのおかげで、大昔に撮影した写真のような仕上がりに。

news20140508-07
▲レンズを太陽の方向へ向けようものなら、盛大にフレアが発生する。しかし、最新のレンズではこのフレアを極力抑えるように設計されているが、時にはドラマチックさを演出してくれることも。

以上のように、普段使っているカメラに装着しただけで、ひと味違う描写を楽しめる。さらにうれしいことに、本家HOLGAカメラ向けの各種コンバージョンレンズも流用できるので、ワイド/テレ/マクロ/クローズアップ/魚眼など表現力がグンと広がるのも魅力だ。自分の写真にマンネリを感じている人、交換レンズに予算を割けない人にぜひお勧めしたい。

(永井太郎)