欧州のMVNO市場をレポート(後編)

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日本でも格安SIMや格安スマホが注目を集めているが、こうしたサービスを提供しているのがMVNOだ。今回は日本よりMVNOが一歩進んだ欧州から、その最新事情をお届けしていく。前編の記事はコチラ

多様なビジネスモデルでサービスを広げるMVNO

MVNOが進んでいるだけに、事業者のスタイルも格安データ通信一辺倒の日本より多彩だ。筆者が契約したのは、レバラというキャリア。欧州で事業を展開する大手MVNOで、移民などのために国際電話を安く設定している。スペインでは、ボーダフォンの回線を利用しているが、上りの通信速度に制限をかけ、差別化を図っている。国内通話の料金も安くはなく、こうしたところで採算を合わせていることが伺える。
トゥエンティというテレフォニカのMVNOは、1GBに75分の通話が付いて、10ユーロ強という価格を打ち出していた。同じ回線を使うテレフォニカは、定期契約を結んだ後払いの料金プランで1GB、24ユーロ強になるため料金は半額以下だ。このトゥエンティのビジネスモデルは、比較的日本のMVNOに近い。
ちなみに、トゥエンティのSIMカードは、回線を貸し出しているテレフォニカのショップで販売されていた。テレフォニカはライバルであるMVNOに軒先を貸しているように思えるが、こうした事例はほかにもある。回線を貸し出すキャリアにとっては、MVNOの契約者数が増えても収入増につながる。そこで、積極的にMVNOを活用して、自社の“サブブランド”に位置付けることがある。ドイツだと、コングスターというMVNOがあり、最大手キャリアTモバイルのサブブランドとしてTモバイルのショップなどでSIMカードが販売されている。サービスを落とす分、料金は安くしてメインのブランドと住み分けるという戦略だ。日本では、MVNOに回線を貸し出すドコモが契約者数を伸ばし、恩恵を受けているが、それを一歩進めた考え方と言えるだろう。
このように、MVNOの多様性では欧州が日本を一歩リード。日本の格安SIM競争の今後を占う上でも、参考になる市場なのだ。

多様性のあるスペインのMVNOサービス

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▲テレフォニカの店でSIMを販売するトゥエンティ。

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▲残高のチャージは売店で簡単に行なえるため気軽に使える。

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▲ボーダフォン回線のレバラだが、上りの速度に制限がある。

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▲fnacという量販店は、独自ブランドの端末まで販売する。

※ デジモノステーション2014年7月号ではフル版をP.113ページにて掲載中!!

取材・文/石野純也


石野純也 プロフィール
出版社勤務時代に数々のケータイ関連誌を立ち上げた後、ケータイジャーナリストへ転身。昨秋は電子書籍「ソーシャルゲームの最新トレンド!」(KADOKAWA)を上梓した。