『スペシャルT』&『お茶プレッソ』、究極の一杯を淹れられるのはどっち?

141301
2010年頃から「ネスプレッソ」(ネスレ)を筆頭にした専用カプセル式エスプレッソマシン市場が拡大中だ。ネスカフェ、パナソニックら、多くのメーカーがこの市場に参戦している。筆者も2011年にネスプレッソの小型タイプ「PIXIE」を購入して愛用中。挽き立ての味を、手間なく、すぐに味わえるのがうれしい。

さて、そんなコーヒーメーカーの世界に新たな流れが生まれようとしている。それが、「お茶」に対応した“ティー”メーカーだ。カプセル式エスプレッソマシンのパイオニアであるネスレが昨年末に発売したカプセル式ティーマシン『スペシャルT』は本誌読者もご存じのことだろう。そして、この春にはシャープがそれとは別の切り口のティーマシン『ヘルシオ お茶プレッソ TE-GS10A(以下、お茶プレッソ)』が登場。お茶派を中心に注目を集めている。そこで今回はその2大ティーメーカーを徹底チェックし、そのポイントを確認してみた。

●そもそも何が作れるのか?
「お茶」というキーワードでひとくくりにしてしまったが、実はこの製品、冒頭から大きく方向性が異なっている。『スペシャルT』はネスプレッソなどと同じくカプセル式のティーメーカーで、紅茶、緑茶、中国茶など、あらゆるお茶を手軽に楽しめることが特長、『お茶プレッソ』は緑茶に特化しているほか、市販の茶葉を挽く(抹茶にする)ことから始める本格派となっている。

141302
『スペシャルT』専用の茶葉カプセル。10個入りで756円なので、1杯約75円となる。お茶一杯の価格と考えるとやや高めか。

141303
『お茶プレッソ』は、市販の茶葉を利用。緑茶メインではあるものの、紅茶、中国茶などにも対応する(麦茶、黒豆茶など硬いものはNG)。

●では、さっそく淹れてみよう
それでは実際にお茶を淹れてみることとしよう。今回は、両者に共通する緑茶で試してみた。

まず『スペシャルT』だが、緑茶のラインナップとして「霧島緑茶」と「玄米茶」の二種類を用意している。ここではいわゆる緑茶ということで「霧島緑茶」をセレクト。カプセルを本体上部の投入口にセットする。

141304

続いて背面タンクに水道水を注水。タンクには浄水フィルターが付いており、水道水からカルキ成分を抜いてくれるという。

141305

準備が済んだら電源を入れて、前面ボタンを押すだけ。セットしたカプセル(茶葉)に合わせて、お湯の温度(1度単位で調整)、抽出時間(秒単位で調整)を行なってくれる。

141306

141307
あとは待つだけで美味しいお茶ができあがる。ここまでわずか数分。インスタントコーヒーを作るよりも簡単だった。手が汚れるようなこともない。

対する『お茶プレッソ』はやや手間がかかる。手順としては茶葉を粉末茶に加工し、それを使ってお茶を淹れるという流れになる。

まずは市販の茶葉を付属計量スプーンでお茶うすユニットへ投入。湯飲み1杯分の粉末茶を作るのに必要な茶葉量は約1g。ふつうに淹れるのと比べて約5~8分の1程度の分量で済む。

141308

本体天面の「挽く」ボタンを押下するとゴリゴリと茶葉を挽き始める。お茶の栄養素を壊さないよう、1分間に約100回転という低速で粉末茶を作ってくれる。

141309

およそ数分で粉末茶が完成。できあがった粉末茶は、お茶うすユニット下部の受け皿に溜まる仕組みだ。

141310

続いて本体背面の水タンクを注水。淹れたい量に合わせてこの時点で調整しておく必要がある。

141311

さらに先ほどできあがった粉末茶をお茶容器フタカバーを開けて投入。あとは天面の「茶」ボタンを押して待つだけだ。

141312

コポコポと湯気を上げながら『お茶プレッソ』がお茶を抽出中。こちらも緑茶に最適な温度(約80~90度)に自動調整してくれる。

141313

141314
アラームが鳴ったらお茶容器下部の給茶レバーを引いて、できあがったお茶を湯飲みへ。これで完成だ。

●気になるお味は?
さて、こうしてできあがった2杯の緑茶。味の違いはどうなのだろうか? 実際に飲んで確認してみよう。

141315
専用カプセル「霧島緑茶」で淹れた『スペシャルT』の緑茶は非常にバランスの良い味。本機専用に作られたカプセルを最適な時間で抽出したということもあって、妙な苦さや不自然な甘さを感じることもない、極めて完成度の高い一杯だった。クリアで透き通った見た目も、ペットボトル茶になれた世代には受け入れやすそうだ。

141316
対する『お茶プレッソ』のお茶は、苦み走った濃厚な味わいが特徴的。粉末茶ということもあってかなり濁っているのだが、そういう点も含め本格派だ。急須でふつうにお茶を淹れた場合と比べてカテキン量が約1.9倍になるほか、クロロフィルや食物繊維などが含まれることもメリットの1つ(急須で淹れる場合はほとんど含まれない)。

●まとめ
ここまで読んでいただければ既に結論は出ているようなものだが、『スペシャルT』はとにかく手軽なことが◎。後片付けも使用済みカプセルを捨てる程度で済むので楽ちんだ。味のレベルも高い。本格紅茶や中国茶など世界中のお茶を手軽に味わえるという点も素晴らしい。1杯75円もする(量も含めて考えるとペットボトル茶の倍以上高い)のが弱点なのだが、お茶好きなら納得できるはず。

141317
専用カプセルの種類は、記事執筆時点で30種に迫る勢い。季節限定のものもあり飽きさせない。

141318
使い終わったカプセルは本体内の廃棄ボックスに溜められる。5~8カプセル程度を溜めておける。

『お茶プレッソ』はとにかく手間がかかる点が評価を分けそう。飲む前にかかる手間もそれなりだが、片付けもかなり面倒。特にお茶うすユニットの清掃は大変だった。ただし、できあがったお茶の味には大満足。お茶専門の喫茶店でしか味わえないような「濃~~い」味のお茶が好きな人にはたまらないだろう。自分で選んだ茶葉をそのまま使えることも魅力の1つ。旅先で買ってきた茶葉を試すなどといった楽しみ方ができる。また、1杯あたりの茶葉量が少なくてすむため、コストパフォーマンスも非常に高い。

141319
お茶容器に温めた牛乳を入れることで、「緑茶ラテ」を作ることも可能(写真右)。苦いお茶が苦手という人にはこちらがおすすめだ。

141320
利用中、粉末茶が細かく飛び散ってしまうのがやや気になった。ただし、ウェットティッシュなどを使えば簡単に拭き取れる。

手軽な『スペシャルT』と、本格派『お茶プレッソ』、それぞれのお茶スタイルにフィットする製品を選ぶようにしたい。

(山下達也/ジアスワークス)