PENの世界観を凝縮、コンパクトハイズーム『STYLUS SH-1』

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オリンパス「STYLUS S」シリーズは、高倍率ズームを搭載したハイパフォーマンスなコンパクトカメラだ。その最新作として『STYLUS SH-1』が登場。昨秋発売『STYLUS SH-60』の後継機にあたり、ワイドにもテレにも強い光学24倍ズームを継承しつつ、デザインの一新と撮影機能の強化を図っている。
撮像素子には引き続き1/2.3型の有効1600万画素CMOSセンサーを採用する。同社のミラーレスカメラ「OLYMPUS PEN」シリーズの撮影素子に比べると、センサーサイズは一回り以上小さいが、だからこそ薄型軽量ボディと高倍率ズームの両立が可能になっている。

■基本機能をチェック
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PENを意識した高品位デザイン
レンズ鏡胴の周囲や台座部分にはダイヤカット加工を適用。レザー部分のしっとり感とは対照的に、シャープな印象を作り出している。構えた時に手が当たる部分には、シンセティックレザー(合成皮革)を配置。滑り止めの効果に加え、レトロで上品な雰囲気な与えている。ボディの天面や主要な操作部にはアルミ合金を採用。モードダイヤルは削り出しで、心地よい手触りと適度なクリック感を生み出している。

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(写真左から×1、×24、×48)
コンパクトながら光学24倍ズームレンズ搭載
3段の沈胴構造の電動式ズームレンズを採用。電源スイッチを入れるとレンズバリアが開き、ワイド端では約2.5cm、テレ端では約5cmレンズがせり出す。光学ズームのテレ端ではf=600mm相当に、さらに超解像ズームを併用するとf=1200mm相当にもなる。肉眼では見えない遠景の細部まで克明に再現可能だ。

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5軸手ぶれ補正対応でぶれを大幅軽減
小さくて軽いカメラは、携帯性で有利な反面、ホールディングバランスは不安定になりやすい。特に液晶モニタのみのカメラは、ビューファインダー搭載機のようにボディを額に付けて撮ることができないので、安定感の面で見劣りしがちだ。しかし本モデルは、オリンパス独自の光学式5軸手ぶれ補正機構を搭載することで、そんな弱点を補っている。一般的なピッチ(1)、ヨー(2)、ロール(3)という3軸の補正に加え、マクロ撮影で生じやすい左右の並進ぶれ(4)と上下の並進ぶれ(5)の補正に対応。

■実力測定:作例
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焦点距離f=25mm相当になるワイド端で撮影。PCのディスプレイ上で拡大表示にすると、遠景のディテール再現性には少々物足りなさを覚えるが、キャビネサイズまでの印刷やWeb用途には十分な精度はある。発色はクリアで、露出やホワイトバランスの安定感は高い。

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焦点距離f=600mm相当になるテレ端で撮影。超望遠ならではの遠近の圧縮効果をいかして、密度の高い画面構成が楽しめる。しかも、同じ画角で比較した場合、ミラーレスや一眼レフに比べると被写界深度が深くなるので、ピンぼけのミスが少なく、シャープな写真が撮りやすい。

■結論
『STYLUS SH-1』一番の注目は、同社のミラーレス「PEN」シリーズを思わせる端正なカメラデザインだ。高さを抑えた横に長い長方形をベースにして、前面のほぼ中央部にレンズを配置する。片手でも両手でも構えやすい形状だ。サイズは手の平に収まるくらい小さく、使用時重量はわずか271g。胸ポケットに入れて持ち歩いても苦にならない。カラーバリエーションはシルバー/ブラック/ホワイトの3色を用意。今回試用したシルバーのモデルは、落ち着きのある銀色を基調にしつつ、前面から側面にかけて黒いシボ革風の素材を張り付けたツートーンカラーを採用する。クラシックカメラのような雰囲気が漂い、使うほどに愛着が沸いてきそうなデザインだ。質感は非常に高級というほどではないものの、実売約4万円のコンパクトデジカメとしては上質と言っていい。
電源を入れると、沈胴式のズームレンズがせり出し、約1.5秒ですばやく撮影スタンバイになる。レンズには焦点距離25~600㎜相当の光学24倍ズームを搭載。開放値はワイド端F3.0、テレ端F6.9に対応し、最短撮影距離はスーパーマクロ使用時に3㎝となる。これらの基本仕様は、従来モデル『SH-50』や『SH-60』から受け継いだもの。奥行きや広がりを感じるワイド撮影から、遠景を大きく引き付けた超望遠撮影まで幅広い用途に役立つ非常に優れたレンズである。
進化のポイントは、手ぶれ補正がいっそう強力になったこと。従来モデルは静止画が3軸補正で、動画が5軸補正だったが、本モデルでは静止画も動画も5軸補正に対応した。試用では、ズームのテレ端を1/30秒の低速シャッターで撮影しても、ほとんどのカットをシャープに写すことができた。
ユニークな撮影機能としては、同社製品ではおなじみのアートフィルターのほか、複数の写真を1画面にまとめて記録するフォトストーリー機能や、一定間隔で自動撮影したコマを動画として記録するタイムラプスムービーなどを搭載する。「PEN」シリーズよりもいっそう手軽に、デジタルならではの表現が楽しめるような製品になっている。

■『STYLUS SH-1』をおすすめな人は??
スナップ感覚で高倍率撮影が楽し見たい人に
広角から超望遠までの撮影を気軽に味わえるカメラとして、使い勝手は良好と言える。マニュアル露出は一応備わっているが、RAW記録やマニュアルフォーカスには非対応なので、マニアックな撮影用にはあまり向かない。さまざまなエフェクト機能を楽しんだり、静止画と動画の両方をスナップ感覚で撮りたい人に適している。

オリンパス
STYLUS SH-1
実勢価格:4万2410円
サイズ:W108.8×H63.2×D42.4mm 重量:271g 撮像素子:1/2.3型CMOSセンサー 有効画素数:1600万画素 液晶モニタ:3.0型液晶(約46万ドット) ファインダー(EVF):なし 光学ズーム:24倍(f=25~600mm相当) 解放F値:F3.0-6.9 手ぶれ補正機構:あり(5軸) シャッター速度:1/2000~30秒 ISO感度:125~6400相当(拡張含む) 連続撮影枚数:約380枚

文・作例/永山昌克 撮影/江藤義典