スマホでもレンズ交換が楽しめる! 素晴らしきコンバージョンレンズの世界

2014年3月にCIPA(カメラ映像機器工業会)の発表によると、コンパクトデジカメの全世界出荷統計が2010年の1億858台を最後に3年連続で減少し、2013年にはなんと4571万台にまで落ち込んだという。原因はもちろんスマートフォンの急激な普及にある。高画質化や多機能化のみならず、アプリでお手軽に加工できたり、SNSにすぐさま投稿できたりと、従来のコンパクトデジカメにはなかった強みを持つ。

しかし、スマートフォンにも弱点がないわけではない。読者の皆さんの中にも、これまでにスマートフォンで撮影していて「もっと被写体に寄りたい!」「記念写真で人物が収まりきらない」といった経験があるはずだ。スマートフォンのカメラの多くは、焦点距離35mm前後(35mm判換算)のやや広角寄りの単焦点レンズを採用し、光学ズームレンズのように画角を変えられないのだ(最近になってサムスンが光学10倍ズームレンズ搭載の『GALAXY K Zoom』を海外で発表した。発売時期は未定)。

「スマートフォンでも本家のデジカメのようにいろいろな画角で撮ってみたい!」という人には、ぜひ「コンバージョンレンズ」というアイテムを紹介したい。コンバージョンレンズとは、もとのレンズに装着することで本来の画角よりもワイドに、あるいは望遠にしてくれるレンズのこと。もともとはカメラ向けのアクセサリーという位置づけだったが、最近ではスマートフォン向けに設計された製品も増えてきた。ちなみに、コンバージョンレンズに対して、もともとスマートフォンに内蔵されているレンズのことを「マスターレンズ」と呼ぶ。

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今回はアゴール社の「SCOOP LENS SYSTEM」シリーズ(実勢価格=1200円~4200円)で撮影した作例をまじえて、コンバージョンレンズの面白さを案内しよう。

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▲コンバージョンレンズの種類は豊富。前列左からPLフィルター『SCOOP LENS SYSTEM フィルター C-PL』、クロスフィルター『SCOOP LENS SYSTEM フィルター クロス4x』、クローズアップレンズ『SCOOP LENS SYSTEM フィルター クローズアップ』、後列左から望遠レンズ『SCOOP LENS SYSTEM テレ 2.6x』、魚眼レンズ『SCOOP LENS SYSTEM フィッシュアイ 0.28x&マクロ1.5x』、広角レンズ『SCOOP LENS SYSTEM ワイド 0.68x&マクロレンズ1.5x』、マイクロスコープ『SCOOP LENS SYSTEM マイクロスコープ6xレンズ』だ。

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▲今回取り上げたコンバージョンレンズは磁石で装着するタイプ。このリングの片面がシールでマスターレンズ側に貼り付け、もう片面が磁石でコンバージョンレンズの装着と取り外しが簡単に行なえる。

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▲マスターレンズとコンバージョンレンズの組み合わせによっては、画面の四隅が欠けたり暗くなったりする「ケラレ」という現象が発生する場合も。気になる人はピンチアウトでデジタルズームしてケラレを解消しよう。

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▲東京駅丸の内口のドーム屋根を撮影。マスターレンズで撮影すると、屋根の部分しか撮影できないが(左)、魚眼レンズ『SCOOP LENS SYSTEMフィッシュアイ0.28x マクロ1.5x』を使えば、周囲の状況まですべて収められる(右)。また極端にデフォルメされる点も面白い。

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▲夜の街を駆け抜けるクルマのヘッドライトを撮影。マスターレンズで撮影したもの(左)と比べると、クロスフィルターの『SCOOP LENS SYSTEM フィルター クロス4』の方(右)がファンタジーあふれる描写に。素敵な夜景を見つけた時に活用したい。

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▲紫陽花を接写したところ。マスターレンズ(左)よりもさらに被写体に踏み込みたい時はクローズアップレンズの『SCOOP LENS SYSTEM フィルター クローズアップ』が最適。被写体に近づくことで、より印象的な写真になった(右)。

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▲『SCOOP LENS SYSTEMマイクロスコープ6xレンズ』を使えば、さらに被写体に近づける。1万円札に印刷された福沢諭吉の目もこれほど大きく撮れてしまう。

被写体やシチュエーションに応じて、コンバージョンレンズを交換する様は一眼レフカメラの感覚に近い。そして、カメラの世界には「レンズ沼」という言葉がある。レンズによって異なる描写に魅了され、さまざまなレンズに手を出してしまう様子を沼にはまってしまうことと喩えている。もしあなたがコンバージョンレンズの面白さに目覚めたならば、ぜひ一眼レフやミラーレスカメラへのステップアップをお勧めしたい。「コンバージョンレンズ沼」ではなく、本当に底知れない「レンズ沼」があなたを待っているはずだ。

(永井太郎)