ソニーの本気! 三代目『RX100M3』の実力はいかに!?

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2012年発売の高級コンパクトカメラ『DSC-RX100』、2013年発売の『DSC-RX100M2』に続く、「サイバーショット RX100」シリーズの第3弾。最大の特長はコンパクトなボディスタイルと、1.0型の大型CMOSセンサーを継承しつつ、レンズをいっそうワイド化&大口径化したこと。と同時に、最短撮影距離の短縮や、チルト可動範囲の拡大、有機ELビューファインダー(EVF)の新設、動画機能の強化、NDフィルタの内蔵なども図っている。
ボディ重量は、前モデルに比べて9g重くなったが、ボディの幅と高さは維持。アルミ外装による高品位なフラットデザインも継承している。

■基本機能をチェック
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「RX100」シリーズでは初めて有機ELビューファインダーを標準装備
ポップアップ式の有機ELビューファインダー(EVF)を新搭載。表示はクリアで明るく高精細で視認性は良好だ。特に液晶モニタが見えにくくなる晴天屋外での撮影時に重宝する。ファインダーの上部には、視度調整レバーを装備。アイセンサーによってモニタとの自動切り替えができるほか、EVFのポップアップでカメラの電源をオンにすることもできる。

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NDフィルターを新設したほか、動画機能もいっそう充実
新機能としては、光量を抑えて屋外でも開放絞りでの撮影を可能にする内蔵NDフィルターや、よりビットレートの高い動画フォーマット「XAVC S」での記録、電子式補正を併用した強力な動画手ぶれ補正インテリジェントアクティブモード、動画撮影での全画素超解像ズームなどに対応。天面にはポップアップ式のストロボを内蔵。スローシンクロ発光や後幕シンクロ発光などに対応する。Wi-Fiにも対応し専用スマホアプリ「PlayMemories Mobile」での遠隔操作できる。NFC対応機ならタッチでペアリング可能。

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本格的なマニュアル撮影にも対応
撮影モードは、同シリーズ2製品と同じくオートからマニュアルまで10モードが用意され、天面のダイヤル操作ですばやく切り替えができる。これまでと同じく、鏡胴部のコントロールリングの回転によって、主要な設定を直感的に調整可能。

■実力測定:作例
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明るい開放値をいかして、水族館の水槽をノーストロボで撮影。感度アップをISO640までに抑えつつも1/125秒の高速シャッターを切ることができ、魚の動きをピタリと写し止めることできた。発色のクリアさやノイズの少なさにも好印象だ。

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ズームのテレ側を使って、最短距離付近で撮影。絞りは開放値を使用。ピントを合わせた花芯部分はシャープに解像する一方、背景部分は滑らかにぼけている。操作面では、マクロモードに切り替えることなく、最短距離まで近寄れるのがうれしい。

■結論
試用してまず気に入ったのはズームワイド側の焦点距離がより短くなったことだ。従来機は35㎜換算で28㎜相当だったのが、本機では24㎜相当へと拡張。数値上ではわずか4㎜の違いだが、実際の使用感では大きな差を感じる。特に建造物を撮る際や、狭い室内での撮影時にはおよそ一回り広い範囲が写ることで、構図の自由度がいっそう高くなることを実感できる。
ズームテレ側については、焦点距離は100㎜相当から70㎜相当へと縮小してしまったが、この点は小型軽量ボディを維持するために仕方ない部分だろう。その代わりテレ側の開放値が明るくなったことはうれしい進化だ。明るい開放値は、ぶれを抑えつつ、むやみにISO感度を高めずに撮影できる利点がある。テレ側の最短撮影距離が55㎝から30㎝へと短縮したことも、使い勝手を高める改良といっていい。テレ側でのマクロ撮影では背景をシンプルに整理しやすく、撮影者自身の影も映り込みにくい。植物や小物などを撮る際に特にありがたみを感じる。
さらに、液晶モニタの可動範囲が広がったことや、ポップアップ式のビューファインダーを内蔵したことも見逃せないポイントだ。前モデルでは液晶モニタの上への可動角度は最大84度だったのに対して、本モデルでは最大180度に拡張。これによって自分撮りやツーショット撮影が気軽に楽しめるようになったほか、ローアングル撮影時の取り回しがいっそう快適になった。また、ビューファインダーを標準装備したことで、明るい晴天屋外での撮りやすさが向上した。
個人的に残念に感じるのは、ホットシューの省略によって外部ストロボが装着不可になったことと、レンズのワイド化にともなってレンズ前面にフィルタを付けられなくなったこと。もっとも、前モデルは併売されるので、ここは用途に応じた選択肢が増えたと考えたい。鏡胴部のリング回転による直感操作や、多彩なカスタマイズ機能は従来モデルを継承。大きい1.0型センサーが生み出す、コンパクトカメラの中ではワンランク上の突出した画質も引き続き大きな魅力になっている。

■『サイバーショット DSC-RX100M3』をおすすめな人は??
ポケットやカバンに入れて手軽に持ち運びつつ、気になったシーンがあればすばやく撮影体勢に移行できる機動力の高さが本機の大きな魅力になっている。携帯性を最優先にしつつも、画質と機能に妥協したくない人におすすめしたい。また、撮影自体が目的ではない旅行用途や、一眼レフなどの大きなカメラのサブとしても好適だ。

ソニー
サイバーショット DSC-RX100M3
実勢価格:9万5040円

サイズ:W101.6×H58.1×D41.0mm 重量:290g 撮像素子:1.0型裏面照射型CMOSセンサー 有効画素数:2010万画素 液晶モニタ:3.0型液晶(約122.8万ドット) ファインダー:0.39型有機EL(約144万ドット) 光学ズーム:2.9倍(f=24~70mm相当) 解放F値:F1.8-2.8 手ぶれ補正機構:あり シャッター速度:1/2000~30秒 ISO感度:125~12800相当(拡張含む) 連続撮影枚数:約320枚

文・作例/永山昌克 撮影/江藤義典