台湾のLTE事情をレポート(後編)

WMNrogo_SH

review20140710_5

日本では各通信キャリアのCM展開などのアピールもあり、瞬く間に浸透した高速通信規格である「LTE」。今回は、このLTE通信が始まったばかりの台湾の最新モバイル事情をレポートする。前編の記事はコチラ

日本と同様に各キャリアがハイスピードをアピール

台湾でLTEサービスの口火を切ったのが、シェア1位の中華電信。本来は7月開始予定だったものを5月に前倒し、サービスを開始した。これに引きずられる格好で、シェア2位の台湾モバイルも6月にLTE通信をスタート。店頭でもサービスのアピール合戦が激化している。
ショップの様子を実際に見てみたが、エリアの広さをマップで訴えかけていたのが、中華電信。LTE端末では3Gがそのまま使えて、かつLTEエリア内だと速度がアップすることがひと目でわかるポスターを店頭に掲載していた。対するシェア3位のファーイーストーンは、900MHz帯と1.8GHz帯の組み合わせをアピール。店頭にあったボードでは、1.8GHzは20MHz幅の帯域があり速度が出る一方で、900MHz帯は広いエリアを構築できることが説明されていた。 LTEの帯域幅を車の車線に例えるのは、日本でもおなじみだろう。
1.8GHzが連続して20MHz幅あるという図は、ライバルの中華電信や台湾モバイルに対するけん制という見方もできる。特に契約者数がファーイーストーンと近い台湾モバイルは、700MHz帯を15MHz幅、1.8GHz帯を15MHz幅しか持っておらず、個別に使うとそれぞれ下り最大で112.5Mbpsしか出ないからだ。一方で、1.8GHz帯に20MHz幅の連続した周波数を持つファーイーストーンならば、現行のモバイル端末での最高速度となる下り最大150Mbpsの高速通信が実現できる。
このように、LTEでは保有する周波数やその幅が、エリアの広さやスループットの高さを担保する重要な鍵となる。日本国内でイメージすると、KDDIがエリアを広げやすい「プラチナバンド」をアピールしていたのも、そのためだ。NTTドコモが1.7GHz帯で下り最大150Mbpsのサービスを開始してからは、速度にも競争の軸が移りつつある。台湾の状況を見ると、まるで日本の映し鏡のように思える。
台湾と同様、ここ日本でも端末そのものの都合があり、現状の速度は下り最大150Mbpsに留まっている。しかし、NTTドコモが下り最大225Mbpsのサービスを始める来春頃には、「カテゴリー6」対応端末の登場も予想され、さらなる速度競争が始まりそうだ。

LTEが始まった台湾のスマホ事情をレポート Part.2

■ エリアの広さや対応周波数による速度でライバルと激突
review20140710_5
▲台湾1位の中華電信はLTEのエリアを店頭で訴求。3Gと重ねて使えることを解説していた。

review20140710_6
▲連続する20MHz幅の周波数を使えるファーイーストーンは帯域幅を車線に例えた図で、スピードをアピール。

※ 次回は7月24日に最新記事をアップ予定。
デジモノステーション2014年7月号ではフル版をP.125ページにて掲載中!!

取材・文/石野純也


石野純也 プロフィール
出版社勤務時代に数々のケータイ関連誌を立ち上げた後、ケータイジャーナリストへ転身。昨秋は電子書籍「ソーシャルゲームの最新トレンド!」(KADOKAWA)を上梓した。